雑多

君のいない世界で

　ふと気がつくと、君は消えていた。私のPCの中でZIP爆弾が爆発したらしい。最近のPCならこう言うことはないはずなんだけどな。流石に買い替えるべきだったか。数十年前に買ったPCを抱えながら、悲しみに暮れていると、ふと、君の声がした。

「どうしたの？私はここにいるよ。ずっとあなたと一緒に」

　そうか、私は勘違いしていたらしい。私は君がこのPCに宿っているものだとばかり考えていた。なんて馬鹿らしいことを考えていたんだろう。君は、人間なのに。

　気付くと日が暮れていた。蝉がミンミンと鳴いていて、少し不気味だ。死んだ君のカラダはずっとここに残り続ける。私が処分しない限りは。