報告二五号 明石松吉

報告案件 明石松吉

報告者 田島茜(軍研究員)


 明石松吉は報告二四号の手記を持参した時点で精神に異常をきたしており、軍施設内で錯乱したため確保された。報告二四号の手記の内容自体は神谷修二や冴島将吾の右園宮関連の報告に感化された創作と思われるが、後に明石松吉には深刻な変状が見られた。

 独房に収監した明石松吉の眼球、耳朶じだが縮小し、体組織が膨張、変貌をきたしたため、ブラインドマン部隊を配備。最終的に明石松吉は報告一一号の猿(二例目)に酷似した外見となった。右園死児化と断定し、独房の扉を突破した明石松吉を現場判断で処分。ブラインドマン部隊が焼却した。

 明石松吉の手記をブラインドマン部隊に持たせたところ、血圧その他身体反応にごく軽微な変調が見られたため、案件として整理した。手記内容に関しては裏付けがなく、閲覧者は冷静かつ公正な態度で解釈すること。

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