第24話 放課後2

「まだ行きたい所あるからっ!」


「どこですか?」

「行ってからのお楽しみだよっ!」


俺は再び心愛先輩に腕を引っ張られながら歩きだした。


「ここだよ~♪後輩くんは来たことある?」

「ええ、ありますよ」


やって来た場所はゲームセンターだった。


「先輩はよく来るんですか?」

「たまにね~!」


「あ!あれやろうよっ!」

先輩はレースゲームの方を指さしていた。

「いいですね!」

この世界に転生する前はちょこちょこゲームセンターに通っていたので自信があった。


「普通にやってもつまらないし、負けた方は勝った方のお願い聞くっていうのはどう?」

「構いませんよ!」

「よ~し!負けないよ~♪」


俺の惨敗でした。手加減したとかではなくて

シンプルに負けました。自信あったんだけどなぁ…。


「やった~♪私の勝ちだよ!」

「お願いは俺の出来る範囲でお願いしますよ」

「そうだな~!お願いはまた今度言うね!」

「分かりました」

何を言われるのか少しドキドキするが、先輩なら変な事は言わないだろう…多分。


「あ!あれ可愛い~♪」

先輩が走り出していった。


猫のぬいぐるみがあるクレーンゲームを凝視している。


「あれ欲しいんですか?」

「うんっ!ちょっとやってみる!」

先輩は五百円を投入してプレイしだした。

残り一プレイとなった所で俺にバトンタッチしてきた。

「とれるか分かりませんよ」

幸い上手くアームが引っ掛かり無事に猫のぬいぐるみをゲットする事が出来た。

「とれましたよ」

「スゴ~い!!後輩くんありがと~♪」

先輩は嬉しそうにぬいぐるみを抱き抱えている。


「最後はあれにしよっ!」

「…いや、あれはちょっと俺は遠慮しておきます」

心愛先輩が言ってきたのはプリクラだった。


「え~!一緒に撮ろうよ~!」

「いや、マジで遠慮しておきます」

「じゃあさっきのお願いをここで使います!」

「ま、マジすか…。分かりました…」


プリクラに先輩と一緒に入ったのはいいが、何がなにやらさっぱりわからん!

先輩は手慣れた様子で操作していく。


「プリクラよく撮るんですか?」

「たまにね~!男の子と二人で撮るのは初めてだよ♪」

「…そうですか」

「よ~し!じゃあこのカップルモードで撮ろっか♪」

「はい?」


それからポーズ指定の声が流れだし色々やらされたのだった。


「楽しかった~!今日はありがとうね、後輩くん♪」

「いえ、俺も楽しかったです」

「また一緒に出かけようねっ!」

「はい、是非」

「じゃあ家近いからここで。送ってくれてありがとね!またね~!」

「お気をつけて~」


まさかテスト終わりに心愛先輩と出かける事になるとはな。


俺は帰宅してから週末の事について皆からメッセージが届いていたので、それを確認していくのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る