5つ目「ありがとう」
染めました。
どうにかして、世界の歯車として、なんとか君を染めました。
よかったです。
間に合わなかったら、どうしようかと思ったので。
実のところ、怖かったんです。
白い建物も、移り行く空の様々な様相も。
Cなら乗り越えられたかもしれないですが、世界の法は、難しいですからね。
いやはや、参りましたよ。本当に。
まあこの言語で伝えられるのはこのくらいですから、それは遠い昔、宇宙が生まれるころくらいには諦めていたのでいいんですけどね。
でもよかったです。染められて。
それに、案外悪くないものなんですね。
快楽とまではいきませんが、湯たんぽのような温もりとか…って、はは。私が言えたことじゃないですよね。
でも、びっくりしたんですからね。いきなり染められて。知らないふりして向かってくる恐怖をあなただって知っているでしょうに。
はい、はい。
うん。もう。大丈夫。
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