第3話 知り合いから友達になりたい
ニャイン交換をしたあの日、家に帰ってすぐに妹の小春に自慢すると、
「お兄、じゃあ知り合いから友達に昇格したってこと?」
と何気ない顔で質問された。小春には自慢ついでに事情を伝えてあったのだが、「いい噂聞かないよ、その二槍とかいう人」と言われ、交際に反対されている。
「え、ああ、そりゃあそういうこと……だ、……あれえっ?」
知り合いという関係の二人が、ニャインを交換したことによって自然と友達になった。という認識だったのだが、今妹にはっきりと聞かれて、そうではないのかもしれない、と思ってしまった。もしかしたら知り合い同士でニャイン交換しても、友達になったことにならないのか? というか、知り合いから友達になるのって、なんか告白して付き合うみたいなプロセスというかそういうしっかりした形式があるものなんだろうか。
「その感じ、まだ知り合いのままなんじゃん。てか、騙される前に早く別れなってあれだけ言ったのに、懲りてないんだねお兄は」
はあ、とため息をつく小春に文句を言われた。反論しようと思ったが、反論できるほど進展したともいえないことが分かった今、大した反撃はできなかった。
「いや、騙されてはないよ」
ぶつぶつと文句を言うように返すのが精いっぱいだった。
放課後。今日は玄関を出たいつもの場所に二槍はいなかった。いたらいたでどうこの気持ちを伝えたらいいのかまだ考えがまとまっていなかったので、良かったともいえる。
考えながら初心は一人歩幅の合わない大きな階段を降りていく。「僕たちってもう友達だよね」とか、「まだ知り合いなら、友達になろうよ」と素直に言っても通じるだろうか。ニヤニヤしながら詰め寄ってきて、「なになに初心くん、そんなに距離を早く縮めたいなんて、相当私のこと好きみたいだね~」とか言われそうだ。別に可愛いからそんな女王様気質なところも好きなのだが、赤面して噴火してしまう自分を見られるのは情けないし恥ずかしいので、どうしたものか……。
階段を降りたところには初心の学校の生徒専用の駐輪場があった。普段は自転車置き場なんぞに目もくれることはない初心だが、今日ばかりは違った。いたのだ。女神が。
「初心く~ん!」
手を振って満面の笑みで呼んでいたのは、紛れもなく二槍だった。自転車置き場を囲っている金属のパイプに寄りかかって待っていた。吸い寄せられるように足が半自動で動いていき、二槍の正面で止まった。
「どうしたの?」
「私、今日自転車なの」
そう言って、隣にあったごく普通のママチャリのサドルをポンポンと触った。
「へえ、二槍さんってなんかすごいね」
「そう?」
またまた一本道の帰り道、二槍は徒歩の初心に合わせて自転車を押してくれている。
どうやら彼女は一週間に一回、自転車で登校しているらしい。ちなみに初心の高校の自転車置き場で自転車を置いて待っていたのは、別に二槍の高校が自転車通学禁止というわけではない。初心を待つちょっとの間だけ停めていたそうだ。
「だって、毎日でしょ? ご飯作るの」
「まあね」
なぜ一週間に一度だけ自転車通学をしているのか。その答えは、家族の中での家事の当番が、料理だからだそうだ。その買い出しのために、平日も一日だけ帰りに買い物をするらしい。朝と晩、休日は昼ごはんまで作るというのだから、大変だろう。そんな高校生と初心は出会ったことがなかった。
意外な一面があることに気づいた初心だったが、言わなければならない大事なことを思い出したので話を切り替えた。
「二槍さん、僕たちってさ、まだ知り合い、なのかな?」
ためらいつつも、ここをあやふやにしていては付き合うという目標に到達できないと分かっているからこそ、意を決して聞いた。二槍はあごに人差し指を当てて、
「う~ん」空を見て思案顔になる。「そうだね、ニャインは交換したけど、友達かと聞かれるとそうでもない気がするから、うん、まだ知り合いかな~」
「そっか」
「なんか悲しそうだねえ」ニヤニヤ。
良からぬことでも思いついたような顔をして、初心を覗き込んでくる。可愛いからなにも言えない。「そんなに私と友達になりたいんだ~、へ~」とニヤニヤボイスで言う。
「じゃあさ、これから家に着くまでの間、友達らしく下の名前で呼び合うってのはどう?」
「ええっ?」
「名字で呼んだり、さん付けしたりしたら友達昇格試験失敗ね、はいスタート!」
おー! と手を空に向かって突き上げる二槍。自信がないまま初心もつられて拳を掲げる。
いくら友達に昇格できるとはいえ、絶対に下の名前なんて恥ずかしくて呼び続けられない。というか、一回も呼べる気がしない。仲美……と口の中だけで言おうとするも、な、までしか言えなかった。
友達認定への道を今日は諦めようと思いながら、初心は二槍の隣を歩いていく。チャリを押しながらニヤニヤ笑っている二槍が話しかけてきた。
「ねえねえ正直、今日学校でなにした~?」
「ごへっ!」
殴られてもいないのに暴力を受けたような威力だった。
「どうしたの正直、あ、わかった~、マー君のほうがいいんでしょ?」
「ちょ、ちょっと待ってよ二槍さん!」
「はいダメー。初心くん弱すぎ~」
瞬間湯沸かし器でも頭の中に入っているかのように、初心の顔面は一瞬で熱くなった。
即座に負けてしまった自らへの悔しさと、二槍への少しの対抗心が、初心の小さな勇気を奮い立たせた。蚊の鳴くような声で言う。
「な、仲美……」
「ん? なに? 正直」
わずかに残るHPで反撃を試みたが、平然とした表情で素早く返球してくる二槍は、チョロインよろしく赤面してくれるなんてことはなかった。く、くそ~!
長い一本道の終盤、美容室と居酒屋の間にある手押し信号へとたどり着いた。あの後散々名前で呼ばれては顔を赤らめるという行為を繰り返して、それを見てニヤニヤする二槍が、「永久機関を見つけてしまった」とでも言いたそうな顔をしていた。信号の前についたとき、
「初心くん、さっきの試験は難易度が高すぎたかもしれないから、これから買い物に付き合ってくれたら、友達に昇格してあげるよ」
「ほんと?」
「うん、ついてきて」
『ボタンを押してください』をスルーして、二槍は自転車をいつもとは反対方向の、ここらでは大きめのショッピングモールの方向へと進める。本当に買い物に付き合うだけで友達にしてくれるのか、と首を捻りながらも初心もついていった。
買い物カートを押す二槍は、慣れた手つきで食材をかごに放り込んでいった。メモなど見ることもなく、大体こんな感じかな、と呟いてすぐに売り場を回りきった。
レジに向かおうとすると、通路の横に菓子パンが陳列されている場所があった。
「あ、せっかくだから、なにか買ってこうか」
二槍に連れられ、初心も菓子パンをじろじろと見る。
「初心くん、買ってあげるよ、そんなによだれじゅるじゅる言わせてるとみっともないから」
「してないよ!」
ニシシシと歯を見せる二槍。そんなに欲しそうな顔はしてなかったと思うが、おなかは空いていたのでそんなふうに見えたのかもしれない。
「なににする?」
「いや、いいよ。大丈夫、いらない」
「え~? 友達だったらここは断らないと思うけどな~」
ニヤニヤ笑う二槍に、本当は食べたいと思っていることがバレているように思えた。それに、友達、というワードを出されると、友達に昇格したい初心としては断れない。
チョコがコーティングされたパンか、チョコホイップが入ったパンか板チョコが入っているパンのどれにしようか迷っていると、すぐ隣から、二槍が指をさしてこちらを見てきた。
「あ、これこれ。すっごくおいしいんだよ」
買い物かご片手だと、より一層可愛く思えた。これがもし私服同士だったら、同棲したてのカップルに見えなくもないんじゃ? と考えずにはいられなかった。
ちなみに、二槍のおすすめしたパンは蒸しパンだった。天使のささやきに促され、危うくそれを手に取るところだった。
「どうしたの?」
手を引っ込めた初心に、二槍は不審がる表情を見せる。
「僕、蒸しパン苦手なんだよね」
「なんで? おいしいよ?」
「いやー、おいしそうには見えるけど……」
「え、もしかして食べたことないの? 蒸しパン」
「う、うーん」
眉間が寄るその顔もまた極上だが、ここは素直に説明しておいた方がいいだろう。
「小さいとき、蒸しパンのことを虫が入ってるのかなって思ってて。なんかそれから食べる気にならないんだよね」
「なにそれ」プフッ。
「あくまでこの商品は、って書いてある飲み物も、悪魔が関わってるんじゃないかと思ってたんだよね、だから、そういうのはちょっとね……」
と、なかなか特殊な子供時代の勘違いを引きずる初心に、二槍はニヤニヤしながら明るいトーンで言った。
「じゃあ今日克服しなよ!」
初心の弱々しい意見など小石を蹴っ飛ばすかのように軽く聞き流して、蒸しパンを容赦なくかごに入れた。ちなみにチーズ蒸しパンだった。
隣接するフードコートで恐る恐る開けたチーズ蒸しパンを口に入れると、中から大量のGが……なんてことはなく、普通に超おいしいパンだったことに初心は安堵した。
「おいしい」
「ね? だから言ったじゃん」
蒸しを虫と勝手に勘違いして食べてこなかった分、これからの人生で食べ戻そうとするくらいには美味しかった。
このフードコートには当然ながら他の高校の生徒たちもいて、なかには男女で楽しそうにおしゃべりしている者たちもいる。さすがにエコバッグをそれなりに膨らませている主婦のような高校生は、初心の真正面にしかいない。
「あのさ」ニヤニヤを押さえようとしながら二槍が小声で話しかけてきた。「私たちも周りから見たらカップルに見えてるのかな」
「うぐっ」
蒸しパンをもぐもぐしているところにそんな言葉を放り込んできたせいで、初心は窒息しかけた。ぱさぱさの蒸しパンがのどに詰まる。胸をトントン小突くが、なかなか飲み込めない。危ない、死ぬ、と本気で思った。
二槍が飲んでいた水をとっさにくれたので、それを喉に流し込むことができた。退治できてよかった。
「んはぁ、はぁ……、危なかった……」
と目と眉を吊り上げて必死に息をする初心が面白かったのか、二槍はテーブルにおでこをつけて笑っていた。肩が小刻みに震えている。
「もう、二槍さん、本当に危なかったんだから!」
「やめて初心くん、急に笑わせないでよ」
周りの目もあってか小さく抑えるように笑い声を出す二槍の姿も、初心は可愛いなと思った。
二槍に重い荷物を持たせるのはさすがに男としてどうなのか、と今更ながら気づいた初心は、入り口から出る前に買い物バッグを持った。やるじゃん初心くん、と言いながら駐輪場に行き、自分の自転車のかごに乗せるよう二槍が指示してくる。大きいかごにちょっとはみ出すくらいの食材を入れて、さあ帰ろうとした時だった。
「初心くん、まだ買い物は終わってないよ」
珍しくニコっと快活に笑った二槍が腰に手を当てて、茶色いサドルを指さして高らかに宣言した。
「家に帰るまでが買い物です! 初心くんが漕いでください!」
ええっ、と驚く初心。
「僕が乗る? ってことは、二槍さんは歩いて帰るの?」
当然の疑問を言ったつもりだったが、二槍にとっては違ったらしい。初心の疑問に疑問を持っているような首の傾げ方をしてきた。
「二人乗りするに決まってるじゃん」
さも当然のように言ってくる。
「だめだよ、そんなの」
初心は反対する。ただでさえ食材のせいでハンドルのコントロールが難しくなっているというのに、さらに二人乗りなんて、物理的にも法律的にも危ない。
「危ないよ、怪我したら困るし、警察に捕まったらどうするの?」
「だいじょぶだいじょぶ、初心くんなら絶対できるから」
「なにその根拠のない根拠」
「だってさ、このミッションをやりきらないと一生知り合いのままなんだよ?」
「——はい?」
二槍は相変わらずニヤニヤしていて、こちらを手玉に取って遊んでいる圧倒的強者のような振る舞いで初心を見ている。
「だ~か~ら~、途中で一回も足つかないで私んちまで行けたら、友達認定してあげるって言ってるの~」
「なっ⁉」
「友達になれなきゃ彼女なんて一生無理だよ? いいの?」
天使のような純粋無垢そうな瞳を向けてくるが、口から出た言葉は悪魔のそれだった。だがしかし、そのどちらも可愛いので許してしまう。
友達になれないイコール彼女になれないという図式は初心にも理解できる。ここで二人乗りを拒んでしまったら、一生知り合いのままの関係ということになる。それだけは嫌だ。でも……。
「転んで怪我したら二槍さんも危ないよ」
やっぱり二人乗りは危険だし、好きな相手を怪我させるわけにもいかない。
「大丈夫、初心くんを信じてる」
だがそんな心配などお構いなしに、二槍はぐっと親指を立ててくる。
「そ、それに警察に見つかったら親とか学校とかに報告されるんだよ? 僕たち制服だし」
「大丈夫。私運いいから!」
言下にそう言われ、初心は勢いとキュートさに負けてしまう。いや、運って……と続く言葉を探すも、二槍の笑顔に封殺される。
雲の間から出てきたのか、夕陽が二槍のニカっと笑った白い歯を照らした。
悩んだ挙句、結局初心の目的を達成するためにはここで賭けに出ないといけない、つまり選択式問題に見えて実は最初から択なんてなかった問題だということに気づかされた。はぁ、と肩を落とした初心は、
「……わかった、やるよ」
「それでよ~し!」
サドルの高さが合わない乗り慣れないママチャリに跨った。そして目標を口にする。
「今日、僕は絶対に友達になってみせる!」
「がんばれ~!」
ペダルに足を乗せ気持ちを切り替えた初心は、前だけを見据えて力いっぱい漕ぎ出した。
腕を回し、体重をかけてくる二槍の肩が背に触れる。二槍は後ろの荷台に体育ジャージをマット代わりに敷いて、横向きに座っている。危ないから、と掴まってきているのはいいが、女の子にひっつかれるという状況が初心の心と体をソワソワさせている。
ショッピングモールから出た後、今は初めて向かう二槍の家に向かって進行中だ。若干の上り道を、初心は一生懸命汗を垂らしながら漕いでいた。
「初心く~ん! 足ついたらだめだからね~!」
「う、うん!」
かなり厳しい注文だと思う。がしかし、友達として認定してもらうためだ。やり遂げなければ、付き合うという目的も達成できないで終わってしまう。
ここで距離をとってしまったら、美人の二槍はすぐに他の男からアプローチされるだろう。だから、途中で足がついてしまって、「一生友達にしないなんて、冗談だよアハハハ」と言ってくれることなど、初心は期待していない。これくらいのこともできないなんて、とがっかりして初心に呆れられてしまったら、二槍の今気まぐれで向いている気持ちがどこか違う方向へ向いてしまうかもしれないから。
「うおおおお!」
だから、必死にこぎ続ける。もう二度と来ない、美少女JKを彼女にするチャンスを逃さないために。
「あ、信号はもちろん止まって足ついていいからね?」
コンビニ、郵便局を通りすぎ、いつもの信号の所までなんとか戻ってきたところで二槍はそう言った。普段から特に運動などしていない初心にとってはかなりきつい上り坂だった。一人なら余裕でも、二人と重い荷物が乗っている状態では、本当にきつい。信号が青になり、初心はまた漕ぎ出す。
「こっちでいいんだよね」
「うん」
中華料理屋を横目に見ながら初心はペダルに力を込める。二槍の家は初めて行くので、彼女がナビゲートしてくれている。
後ろから抱きついてくる腕の感触の他に、背中に柔らかく温かい感触が新たに増えた。
「初心くん、すっごく頑張ってるから、ご褒美あげちゃう」
「ひえっ⁉」
むにゅ、とそう聞こえるほどに柔らかな二つの山が、初心の背中に押し付けられる。さらに、
「頑張れ初心くん」
静まり返った教室で隣の生徒に耳打ちするくらいのひそひそ声で、二槍は囁いた。囁いたということはつまり、耳のすぐ近くでということだ。
くすぐったくて、電気が流れたようにびくっとして、鳥肌が立った。ざわざわゾクゾクするようななんとも言えない情動が、初心の中を駆け回る。
ハンドルをうっかり離してしまう所だった。慌ててバランスを整え、初心はその自身の内から溢れたピンク色の力をペダルに注ぎ込んで加速した。
「おわあっ⁉ どうした初心くん~!」
後ろの二槍が驚いているようだったが、それ以上に初心は高揚していた。未だに背中に感じる体温と感触、耳から注ぎ込まれたエネルギーが初心の中で核融合反応を起こしたように熱く燃え滾っていたからだ。一気に加速した初心はもう無敵だった。
「おおおおおおお——!」
好きだああああああ! 二槍さあああああん!
ハア、ハア、と息を弾ませて、初心は足を大地につけていた。目的地に到着したのだ。
「す、すごいね初心くん。本当に最後まで漕いじゃうなんて……」
後ろで言う二槍の言葉には、驚嘆の色しかなかった。
「う、うん……。それで、ここでいいんだよね、本当に」
「え? うん」
二槍は自転車から降り、ニコニコした顔を作って初心のほうを向いた。
「おめでとうございます。これで私とあなたの関係は一歩前進しました。これからよろしく、友達の初心くん」
手を差し出してきたので、初心はそれを握り返した。女の子の手のひらは想像以上に柔らかくて小さくて、ちょっと感動した。ずっと握っていたかった。友達認定されたことは嬉しかったし手を握ったことも普段なら頭から湯気を出すくらいの出来事なのだが、このときは他に聞きたいことがあったから、そっちに気をとられていた。
「二槍さん、本当にここが二槍さんのおうちなの?」
道路と面している家の前の塀に初心は目を向けていた。そこには表札があった。
「ん? ——あっ」
しまった、という字がはっきりと書かれているような顔をして固まった二槍。だがもう見られてしまった以上隠そうともせずに、二槍は一度軽く息を吐いた。表札には二槍ではなく、別の名字が書かれていた。
「まあその、色々あってね。父と母が離婚してて、私だけ名字そのままなんだ。変えたところでなにが変わるわけでもないし、この苗字結構気に入ってるからさ」
「ふーん」
初心と話すときに目を逸らしているなんて珍しいとは思ったが、まあ人にはいろいろ事情があるし、それぞれの考え方もあるか、くらいで初心はそこまで深く考えなかった。
「じゃ、じゃーね!」
「うん。って、あ、自転車!」
慌てて玄関に向かおうとした二槍の背中に声を当て、跨っていた二槍の自転車から降りた。返すと、今度こそ別れた。
「じゃーねマー君」
とびきりの笑顔で手をひらひらとされた。ま、まーくん……。
顔の温度がググっと上がってきたのを感じて、ボッ、と破裂音が鳴った。次の瞬間には故障した機械のように頭のてっぺんから煙が出ていた。好きで可愛い子からの不意打ちの攻撃に、初心の心のディフェンスは追いつかなかったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます