女性の指輪

影神

増えるんだよ、

これは、友人とそのお友達のお話です。


その友人のお友達を仮に Aさんとします。


友人とAさんはとても仲が良くてですね。


結構頻繁に遊ぶ間柄だったんです。


けれどぱったりと遊ばなくなったんですね。


と言うのも、とある流行り病がありまして。


ちょっと会うのも遠慮してたみたいなんですね。


まあ、直ぐ落ち着くだろうみたいな感じで、


次遊ぶ時にお金使えるように一生懸命働いたんです。


流行り病もそれなりに落ち着いて、


そろそろ遊びに行こうかな?


って思ってたんですけど、


連絡が一向に来ないんです。


Aさんという方はまめな人で、


よく連絡してくれる人だったんですよ。


友人はどちらかと言うと自分からは連絡しない人で。


いつもAさんが連絡してくれたんです。


でも待てど待てど連絡が来なくてですね。


おかしいな?っと思った友人が、


流石にAさんに連絡したんですよ。


そろそろ遊びに行かないかい?


そんな感じだった様なんですけど、


それでも連絡が来ないですよ。


友人は気になってAさんの家に行ったんです。


Aさんの家に着いてインターホン押したんですが、


反応が無いんです。


居ないのかな?なんて思いながら、


ドアノブを捻ると、鍵は掛かって無かったんです。


物騒だな?なんて思いながら、


「おーい。俺だけど、A。入るぞ~?」


部屋は昼間なのに真っ暗で、


床を歩くんですが、何か足に当たるんですよね。


それが何かは分からなかったんですが、


何となく部屋の構造は分かってたので、


僅かに日の光が差し込むカーテンまで行くと、


カーテンを開けたんです。


すると、部屋が明るくなって、


部屋がゴミだらけだったんです。


「きたねえな、」


って言いながらAさんを探すと、


部屋の隅っこに布団が丸まってたんです。


「A?」


少しビックリしながら布団を剥がすと、


そこにAさんが居たんですよ。


「何やってんだよ。


部屋。片付けるぞ?」


友人は何かあったんかな?って思いながら、


とりあえず片付けを始めたんです。


まあ、臭いもこもってますし。


窓を開けながら掃除をしてた訳です。


その間もAさんは何も話さないんです。


掃除を続けてると、郵便物の束があって。


見ると、公共料金の請求書だったんですよ。


あまりね、世間では話されませんでしたけど、


流行り病でね。リストラみたいな事もね。


だからそういう事なのかなって。


なかなかね?仕事が無くなるってのも、


結構来ちゃうものがありますよね。


いくら仲が良くてもね?言えない事もありますよね。


ある程度片付け終わって、


何か食べる物でも買って来ようと思って、


「何か食べる物買いに行くけど。


何でも良いか?」


って聞くんですが、反応は無いんです。


言ってくれても良かったのにな、


なんて思いながらお弁当を買って、


Aさんの部屋に戻ったんです。


片付けをしながらね?大切そうな物は、


全部テーブルの上に置いて置いたんです。


その中にね、女の人の指輪があったんですよ。


彼女でも出来たのかな?なんて考えながらも、


もしかしたら失恋したのかも知れないし。


なんて思いながらテーブルの上を綺麗にして、


買って来たお弁当を広げたんです。


「ほら。食うぞ?」


友人はAさんを引っ張りながら、


テーブルの前に座らせて、


ようやくAさんの顔を見たら、


すっごい疲労してる顔してるんです。


友人はお弁当の蓋を開けてあげて、


箸まで持たせたんです。


「とりあえず食おう?


話しは後からで良いよ。」


Aさんがゆっくりと箸をお弁当に近付けて、


ご飯を口に運ぶと、Aさんが泣いたんです。


Aさん「ぅっ。。うっ、、」


Aさんはお腹が空いてたのか、


がっつく様にお弁当を食べるんです。


「腹、減ってたのか、。


風呂入って、飯行くか。」


友人は嬉しくなって、涙が出たんですって。


その後Aさんを部屋から出して、


銭湯に行って。ご飯を食べに行ったんです。


Aさんの表情が少し明るくなって、


ようやく自分にあった事を話してくれたんです。



流行り病で長年勤めた会社をクビになって、


その日に友人に連絡しようと思ったんですが、


流行り病もあって、友人の事だから。


呑みに行こう?


なんて、誘って来るんじゃないか。


そしたら社会的に良くないから、


落ち着いたらで良いかな。


でも、モヤモヤするし、、


Aさんはひとりで飲み屋街に行ったんです。


それでAさん沢山お酒を呑んで、


気付いたら自分の部屋に居たらしくて。


呑みすぎたな、なんて思いながら、


水をいっぱい飲もうとしたら、


何か踏んだんです。


Aさん「痛、」


踏んだ物を拾い上げると指輪だったそうです。


Aさん「何だこれ。」


見るからに女性ものだったんです。


Aさん記憶が無いんです。


でも何か気持ち悪いんです。


だからAさん指輪を捨てたらしいんですよ。


でもね?よくある話みたいに。


指輪。部屋にあるんですって。


捨てても捨てても。


そればかりか、増えるって言うんです。


それを聞いた友人はとりあえず自分の家にね、


Aさんを泊めたんですけどね。


その晩。映画観たりゲームしたりして。


なるべく楽しい事をさしてあげようと。


気分転換にね付き合ったんです。


友人もね。いろいろたまってましたから。


一緒になって騒いでたんですがね。


夜にインターホンが鳴ったんです。


ピンポーン、、


誰かな?なんて思ってモニター見るんです。


「はーい」


誰も居ないんです。


盛り上がってたから、


誰かが苦情言いに来たんかな?


なんて思いながら、


少し音量とか声のボリューム下げながら、


また2人で楽しんでたんです。


すると、


ドンドンドン!


次は玄関が叩かれたんです。


友人「え。?」


スコープを覗くと真っ暗なんですよ。


あれ?


って思いながら戻ると、また叩かれるんです。


ドンドンドン!


友人は気付いたんです。


スコープが見えないなんて事はないんです。


玄関の前にぴったり人が居るんです。


友人の家は、オートロックの賃貸なんでね。


誰かが通すかその階の人じゃなきゃ入れないんです。


長年住んでますしね?


そんな苦情を言いに来る人も居ないんですよ。


明らかに上がって来たんです。


そう自分の中で解釈してると、


Aさんが友人の腕を掴むんです。


Aさん「付いて来た、、」


Aさんはガクガクしてて。


また元に戻ってしまいそうだったんです。


友人はこれはいけないと思ってね。


「誰だか知らねえけどな!


Aにストーカーしてんじゃねえよ!!


てめえのせいでこっちは散々なんだよ!


指輪持ってとっとと失せやがれ!!!」


するとピッタリと音が止まったんです。


友人は一応警察に直ぐ連絡して、


暫くすると来てくれて。


親切に見回りまでしてくれてね。


話が終わると警察の人に言われるんです。


「玄関先に指輪落ちてたんですけど。


その人ですかね??」


手にあった指輪は見覚えのある指輪でした。


警察に事情を話すと、


とある場所に連絡して下さって。


後日、Aさんの部屋にあった指輪と。


瓶の中に入った大量の指輪と共に。


その場所に行ってお祓いして貰ったそうです。


その後はね、特に問題も無く。


Aさんも無事職場が決まって。


今も仲良く2人で遊ぶそうなんです。



皆さんもね。嫌な事あってね。


お酒呑まれたりするかも知れませんがね?


お酒はほどほどに。


呑んでも歠まれるな。


呑んだら乗るな。乗るなら呑むな?ってね?


それと。


友情は大切に、、



こんなお話でした。


ありがとうございました。




















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女性の指輪 影神 @kagegami

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