人類AI化計画
@okomesikakatan
人類AI化計画
「○月×日、△□大学の教授が、人の脳にAIを搭載する技術をついに実用化されるということが発表されました。現在、■◆病院では____」
2×××年
AIというものの開発が進んで何十年が経っただろうか
今では、AIや機械という存在は工場やデータ入力、家事など、様々な場所でも活用されており、人々の生活が楽になっていく一方、仕事の現場では人間よりも機械やAIを見ることの方が多くなっていった
仕事がなくなっていくこの日本において、それを大問題と見たとある大学の教授は、暮らしを豊かにすると同時にAIの持っている知能やインターネットによる情報をすぐに取り出し、人間が仕事をする居場所を無くさないように、とAIを人間の脳内に搭載するということを考え、数年で実行した
現在ではAIを脳に搭載するための手術についての話題で溢れ、その手術を受けるために数ヶ月も待つ人すら出てくるような世界になった
そんな日本で学生生活を送っている一人の少女が居た
「……最近のニュースってAIの進歩がどーたらとかばっかり。それ以外のニュースって事故で人が死んだとか、芸能人のスキャンダルとか…たまには好きなアイドルのCD発売とか、可愛い動物の映像とか、そんなニュースも放送してくれてもいいのにさぁ」
彼女は白木
特に何かがずば抜けてできるとか、容姿が特別綺麗だとか、親が有名だとか、
そんなわけでもない、アホ毛が特徴的な普通の女子高生である
芽衣はAIが発達した今の世界に少しの不満を抱いていた
今の世界の注目はAIばかりで、ニュースもそれを独占し、学校の授業ではAIを用いた授業も増え、身の回りにはずっとAI、AI、とずっと言われていてうんざりしていた
「まぁまぁ、しょうがないじゃん。私たちの身の回りにはずっとAIがあって、AIのことで進化があったら日常が少し変わるって言っても同然。みんなの注目はAIに向くよ」
「でもそんなのつまんないじゃん。それに何、今日のニュース。人の脳にAI搭載?ついに自らもAIになっちゃおうってか。そんなの私だったら耐えらんなーい」
「そういう世の中なんだよ……しょうがないじゃん。ていうか、その手術を受ける人が身近に現れるかもってのにそんなこと言ったらダメでしょ」
「別に私が何言おうが周りには関係なくな〜い?その手術を受けれる人ってのも一握りじゃん。手術って高額なんでしょ?ならまだ受ける人少ないし、私の今の言葉聞いてる人だって少ないだろうし、みんなも気にしないよ」
「そうじゃなくて……ほら、身近に居るじゃん。その手術受ける人」
「あー……あの人?」
芽衣が言ってるあの人、というのはクラスメイトの財前
クラスの中…というより、学校中の注目の的だ
the・お嬢様というような人物であり、高貴で、まるで別次元の人間のような気さえしてくる
そんな人物だ
「財前さん、その手術受けるの?」
「らしいよ。明後日くらいから手術前だからしばらく入院するらしい」
「マジで…?さすがお嬢様って感じ。私達庶民とはやることが違うわ」
「だね〜」
芽衣はチラッと玲の方を見る
玲は難しそうな内容の本を読んでおり、誰とも話すことはなくとも寂しくはない、むしろお前ら庶民となんて話すつもりはないとでも言うように冷たい雰囲気を放っていた
「あのお嬢様が手術を受けようが私には関係ない」と芽衣は玲から視線を外し、話題を変えてチャイムが鳴るまで友達と話し続けていた
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