なんかうちの子...?(父ギル視点)

エリスとの愛娘、クレアは、可愛い。天使だ。本当に愛らしい。けど、な、、、


「なぁ、ギラン。」


「いかがなさいましたか、旦那様」


「クレアは、いつからするようになったんだ?4歳だぞ?」


「...」


「クレアはまだ4歳なんだ。いや、まだでいいのか?あの子元気すぎないか?」


たまに、抜け出してるのは知ってる。この前の誕生日に渡したブローチ。あれには特殊な付与魔術を施していて位置が分かるようになってるんだ。だからなのか、

[クレア「きょうは一人でねるー」]と言い出した時に不安になって対応するブローチで見たとき疑ったぞ。誰が夜抜け出して森に行ってるなんて思うんだ。


「ご存じでしょうか、最近町で噂になっている冒険者がいると。」


「...いや、知らない。どんな冒険者なんだ」


「とても優秀らしいですよ。森の魔物をありえないほど狩りに狩るようで。ギルドの魔物収入は上がる一方と。」


「なんだ、どこぞの高ランク者が来たのか?」


「いいえ。その、恐らくですが、お嬢様です。」


「......」


は?うちのクレアが冒険者?冒険者やってたの?嘘だろ。え?


「ギラン、裏は取れたのか。」


「はい。受付嬢や常連冒険者からの証言で、ほぼ、えぇ、お嬢様しかあり得ません。」


「そうか。」


ギランから調査結果を見るとクレア、クレアだけだぞ。時空間属性持ち。白髪に蒼い瞳で幼い女の子。武器も持たず解体場に行っては解体場から悲鳴が聞こえてくる...?悲鳴ってなんだ、どんだけ持っていってるのか。しかもCランクって。やっぱクレア、、、なのか。


「ギラン、冒険者のCランク試験は確か...」


「はい、商人などを襲う盗賊の捕縛・または討伐です。」


「盗賊...盗賊だとっ⁉ギラン、商人の出入りと盗賊被害の資料を出してくれ。」


「はい。直ちに。」


確かにこの1年、明らかに商人からの被害報告、そして盗賊の摘発率は上がる一方。

ジーク、いやヴァンの方だな。やけに騎士団のところに行きたがるとは思っていたけれど、まさかこれのことだとは。ヴァンは報告義務違反での減給?いや賞与なのか、もうわからん。

........


「...うちの子は天使だ。」


「...旦那様」


二人の重いため息が部屋の雰囲気を表している。父ギルは額を抑え椅子にもたれかかる。重たい雰囲気に耐えきれなくなったのか、ギランが紅茶を用意する。


「どうぞ」


「あぁ、ありがとう。」


一息つくも雰囲気は変わらない。


「...影はつけているのか?」


「お嬢様のが明らかに増えてからですが、半年程前から。」


「...俺も行っていいか。」


「旦那様...」


「......」


「クレアは天使だからなぁ...」


[アーティカの血]を感じさせるクレア、あの笑顔からは溢れんばかりの愛情を感じさせる。あぁ、うちの娘は可愛いなぁ...


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