第4話 背後にいるもの
シャンプーで髪を洗っているとき、後ろから気配を感じた。
尋常でない気配に、背後にいるものが人ではないと直感した。
そういえばネットで見たことがある。風呂場で背後に気配を感じたとき、それは後ろにいるのではなく、上にいると。
私は上を見た。
女の顔があった。長い首が背後へと続いており、真っ黒な髪が揺れていた。頬まで裂けた口を大きく開けている。
動こうとしても体が動かない。後ろから両肩をつかまれていた。
顔が近づいてくる。
ああ、呑まれる。
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