祈り

天川裕司

祈り

タイトル:祈り


病に苦しむ女がいた。また別のところで、病に苦しむ男もいた。

男も女も、とにかく自分の病気が治るようにと

本当に心から祈り続けていた。


でもなかなか治らず、心身ともに疲れ果ててくる。

そんな状態が続くと、ついある事ない事も考えてしまう。


2人「私、俺…このまま亡くなっちゃうのかなぁ。やだな…」

当たり前のことを当たり前に思う。


今流行りの疫病にやられたようで、声が枯れ、

熱がなかなか下がらず、寝る時もうなされるようになり、

本当に2人とも、精神ともに疲れ果てていた。


そんな時に2人が目にし手にしたのは、聖書。

女の場合は知人からもらったもの。

男の場合はそれまで通っていた教会でもらったもの。


その聖書の中に、長血を患った女のエピソードが出てきた。

その人も何とか自分の病を癒してもらおうと

その信仰だけを第一に取り、

イエス様の後を追いかけ、その衣(ころも)に触れた。

するとイエス様から癒しの力が湧き出て、女は自分が癒されたのを知った。

イエス様はその人に、

「あなたの信仰があなたを救ったのです」

と教えて、その人は信仰と神様の恵みと

喜びの中にずっと在り続けた。

少なくとも2人にはそう見えた。そう信じることができた。


女「イエス様かぁ。でも今いないもんなぁ。この女の人みたいに追いかけることもできない…」


男「…俺も癒されたい。この人みたいに癒されたい。どうやったら…」


2人とも苦しみのどん底にありながら、

ややうなされつつ、そう考えていた。


でも鈍痛のような苦しみがずっと続いた果てに、

2人は或る境地へたどり着く。


2人「…そうだ、祈りだ」


イエス様はその存在により、

すべての罪人の罪が許されるきっかけを与え、

その罪が許される上で、人への癒しを約束された。

その癒しと恵みは信仰から成り、祈りから来る。


このような時、人は究極を思うものだ。

普段、考えないようなことを考える。

感じないようなことを感じる。

その果てにたどり着いたその境地。


2人はその思いをその時のプライドにまで掲げ、

その心に人生すべての祈り願いを賭けるほどにまでなっていた。


そして2人は祈った。祈り続けた。

すると少しして、体がだんだん楽になるのを感じた。

人は救いを心に見ると、そのようになるものか。

そうなった者にしかわからない事かもしれないが、

2人がその時「自分が救われた?」と錯覚に似た感覚でも

はっきり知った事は本当だった。


そして2人の生活は今に至る。

この2人が、もしかするとあなたの隣に居るのかもしれない。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=fhHGH-wFvu8

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祈り 天川裕司 @tenkawayuji

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