第14話
日記50ページ目
今日から夏休みだ。
帰省する生徒たちも居る。
俺が帰省するのはお盆の予定だ。
夏休みの間、俺は天の
目標としては2階層の到達だ。
その為にも強くなる為に分身たちを図書館と訓練所に送り込んでいる。
これで技術の取得と習熟を行なえるだろう。
そして、俺の方は分身たちの鍛え覚えた技術を使って実戦で確かめた。
今現在、使える技術だけでもやはり1階層のモンスターなら問題はない。
荷物持ちの分身と一緒に広大な広さを持つ1階層の探索を行なった。
この日は目標予定の町までたどり着き、政府が開いている宿に泊まった。
明日からも予定通りに進めれば良いと思う。
「おりゃあ!!」
飛び掛かって来たバッタを一の技・火拳で殴り殺す。
身体を鍛え、技を磨いたからなのか、魔烈火で燃える拳に触れた部分からバッタは消し炭になり、俺の拳が触れた感触としては脆い炭に触れて崩れてしまった感触だ。
「入り口近くは余裕だな。もっと先に進まないと。」
既に1匹のモンスターだけなら余裕にモンスターを倒せる。
これが2匹、3匹と増えても今の俺なら余裕だろう。
そう思いながら俺は午前中にたどり着く予定の町を目指して進んでいく。
草原に出来ている草の生えていない道を進んでいると、モンスターの遭遇する数が増えて来た。
「はあっ!!おりゃあ!!」
戦うのはモンスターのウサギ2匹。
魔烈火を纏わせた拳を横に振るう二の技・火打ち、魔烈火を纏う拳を振り下ろす三の技・火槌。
この2つの技をウサギ2匹に食らわせた。
二の技・火打ちの裏拳でウサギを燃やしながら殴り飛ばし、ウサギの体当たりを回避しながら三の技・火槌でウサギの背中に握り拳を振り下ろした。
三の技・火槌の直撃を受けたウサギは瀕死の重傷。
二の技・火打ちを受けたウサギはまだ生きているが、全身を魔烈火で焼かれてこのまま死ぬだろう。
そんなどちらもそれほど時間も経たずに死ぬだろうが、早く先に進みたい俺はすぐにトドメを刺した。
荷物持ちの分身にも手伝って貰い、ウサギの魔石とドロップアイテムを回収すると、俺は分身を連れて先に進む。
「あっ!あれがそうなのか!!」
あまりにも広大な天の
この目の前の石壁に覆われた町はその中でも最初期に作られた場所だから、施設が充実していると授業などで教わっているのだが、実際に中を見てみれば確かに充実していた。
普通にドロップアイテムや魔石の売却も探索者支援施設の派出所で売却が可能だった為、ここで端末のポイントに変えておく。
「これで身軽になったな。次の町を目指す前に食事にしよう。」
町の中にある食堂で昼食を食べていく。
昼食はウサギ、ネズミ、トカゲのドロップアイテムの肉を使った焼き肉定食を食べてから、次の町に向かって移動する。
町の周りは定期的に探索者たちがモンスターを倒しているからか、遭遇するモンスターの数も少なかったが、町から離れるとモンスターの数が増えてきた。
「ふっ!はっ!おりゃっ!」
流れる様な動きで始まりの長剣を振るって受け流しながら切り裂く流水剣法三の技・流し斬りでモンスターを倒していく。
深々と切り裂いた感触を受けながら、後方のモンスターの様子を確認すれば、モンスターたちはすぐに動ける状態ではなかった。
このまま放置しても良いのだろうが、俺はすぐに剣を突き刺してトドメを刺していく。
それからすぐにドロップアイテムと魔石の回収をすると、次の町を目指して進む。
遭遇するモンスターの数が4匹、5匹と多くなって来た。
それでも分身の助けを借りずにモンスターを倒していると、遠く離れた場所にある石壁が見えて来た。
あそこが今日の夜に泊まる予定の町だ。
そして、石壁が見える範囲に入る頃には遭遇するモンスターの数も減って来た。
「はぁ、やっと着いた。あとは予約している宿に行かないと。」
ようやく見つけた宿で手続きを終わらせる。
夕食は宿で出された食事を食べていく。
まだ宿の外は明るい。
天の
その為、宿では部屋に外からの明かりが入らない様に工夫されており、今は宿の部屋で日記を書いてシャワーを浴びてから眠る予定だ。
日記51ページ目
初めて天の
この日は2つ向こうの町を目指して進んで行き、無事に2つ向かうの町にたどり着いた。
しかもその道中で遭遇したモンスターを倒した時に宝箱が現れたのだ。
宝箱を開けたら、その中には頑丈そうな皮の靴が入っていた。
なかなかの性能のある足装備で、これで移動も少しだけ楽になるだろう。
明日も2つ先の町まで移動する予定だ。
このまま何もなければ明後日には1階層のボスモンスターとの戦闘をする事になるだろう。
「あっ!宝箱だ!!」
倒したモンスターが魔石を落としてドロップアイテムは落とさなかった事にがっかりしたが、それでも他のモンスターが宝箱を落としたのでラッキーだ。
早速、宝箱を開けて中を確認すると、その中には皮の靴が入っていた。
鑑定のルーペを使って鑑定をする。
皮の靴
防御力30 耐久力100
効果 【移動速度上昇(微)】【移動時の体力低下減少(微)】
なかなかの性能のだ。
今のところ問題なくモンスターを倒せているから、装備している防具は動きやすい服装備だけだが、これでまた1つ防具の装備が手に入った。
すぐに皮の靴をステータスを操作して装備覧に皮の靴を装備させる。
装備した皮の靴を顕現させれば、今現在の俺が靴を履いているにも関わらず、装備した皮の靴に交換された。
「うん。問題ない。歩きやすいくらいだ。」
履き替えた皮の靴で歩き回り確かめる。
歩きやすさが違う。
それが分かれば、あとは戦闘の時の違いの確認くらいだろう。
まだ回収していなかった魔石やドロップアイテムは分身が回収してくれた事もあって、すぐに俺は移動を開始した。
「アイツらで試すか。」
発見したのはネズミ、ニワトリの混合の群れだ。
こちらが発見した様に向こうも気が付いたらしく、こちらに向かって駆け寄って来る。
まずは数を少しでも減らす為に魔術で数を減らす。
魔術言語で魔術式を書き上げて魔術陣の作り上げていく。
そして完成した魔術陣から発動した魔力弾がニワトリに直撃する。
流石に直接攻撃をするよりは威力がないが、離れた場所にいるモンスターに放つのなら充分だ。
続けて再び魔術陣を作り上げて魔力弾を接近して来るまでひたすら魔術攻撃を行なっていく。
「倒せたのは3匹だけか。ここからは接近戦だな。」
書き上げていた魔術式を消して、俺はピョンピョンとその場で跳ねながら脚斬気を生み出す呼吸を行なった。
体内で作り出された脚斬気を足に集中させる。
これで斬蹴気功法が使える様になった。
まずは1番近くのネズミから攻撃していこう。
「はっ!!」
斬蹴気功法の一の技・斬蹴昇りをネズミに繰り出した。
ネズミを蹴り上げた足から発生する斬撃を受けて真っ二つに切り裂かれる。
そのまま振り下ろした足を軸にして迫って来ているネズミを二の技・斬蹴薙ぎで横薙ぎに足を振るって2匹のネズミを切り裂いた。
ネズミの次に迫って来たニワトリを槍の様な鋭い突き蹴りの技である三の技・斬蹴突きでニワトリを足が貫いた。
「うん。なかなか上手く出来たな。」
皮の靴を履いての斬蹴気功法に満足しながら俺は町を目指して移動して行くのだった。
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