第10話

日記38ページ目

入学から4日経った今日は探索者資格の取得と天のタワーでの課外授業を行なった。

色々な注意事項を教室で行なってから1時間目の授業の時に俺たちのクラスは天のタワー近くにある役所の探索者支援施設で探索者の資格を得た。

これで自由に天のタワーの中に入れる様になった。

学生の内は探索者支援施設で天のタワーに入る前にいつから何日間の間を天のタワーの何処で活動するのかを記入しないといけないのが面倒臭いけど。

クラス全員が探索者資格の取得を終えて、天のタワーの暗い入り口の中に入った。

天のタワーの入り口を抜けてすぐに光が差し込んできて、視界には草原が視界に映ったのだが青々としている草が一面に生えている小高い丘のある草原が勤勉の天のタワーの第一階層だった。

初めて天のタワー又は地のアビスに入ったことで、俺はそこでステータスと鑑定ルーペに武器を選ぶことが出来た。

そこで俺は色々と武器の種類がある中で今の俺が使うのならと初めての武器に剣を貰うことにした。

手に入る武器は攻撃力がそこそこだが耐久力は無く壊れないのだとか、天のタワーに入る前に先生から教えられたが、それが本当なのかどうなのかは他の武器を知らないから分からなかった。

だから、暇を見つけたら武器屋を回ってみるのも面白いかも知れないと思った。

それからクラスメイト全員が武器を選び終えると、手元に現れた武器の装備の仕方を先生が話した。

武器の装備の仕方はステータス画面を開いて触れている装備品を装備すると思うだけで良いそうだ。

簡単に出来る方法だが、他人が所有している装備品は他人が装備品の破棄を願わない限りは手に入らないのだと言っていた。

授業中にそれを確かめた生徒がいたが、その生徒は怒られていた。

装備した装備品はこうして装備することで効果を発揮するそうだ。

装備をせずに装備品を使った場合は本来の性能の10分の1も効果を発揮しないので注意するように言われた。

10分の1しか効果が出ないのなら、きちんと装備した方が良いだろう。

この日は装備の仕方やステータスの見方に鑑定のルーペの使い方を習って天のタワーを出ると、それからの授業は通常通りの授業に戻った。

今日あった事は忘れないだろう。



「今日は事前に昨日言って置いた通り、天のタワーで授業をする。初めて天のタワーに入った者はどうなるのか、誰か答えられる人はいるか。」


何人もの生徒が手を挙げる。

先生の質問への答えが話される。


「天のタワーに初めて入った人はステータスと鑑定のルーペと始まりの武器シリーズが貰えます!」

「そうだ。これからみんなには探索者の資格を取って貰い、それから天のタワーでステータスの取得や鑑定のルーペ、始まりの武器を貰いに向かうぞ。」


先生がそう言い終わったタイミングでクラス中は盛り上がっていた。

すぐに先生から静かにする様に言われて静かになったがみんな興奮している様だ。

もちろん俺も騒ぎはしていないが、ようやく探索者になれると言うので興奮している。

それから1年A組は天のタワー近くの探索者支援施設に移動した。

そこで探索者とは何なのか、探索者として何をしてはいけないのか、探索者支援施設をどう使って行くのかを軽く説明されてから探索者資格の取得を行なっていく。

ここで軽い説明しかしていないのは既に学校の授業の内容で説明されているからだ。


「それじゃあ天のタワーに入るが、途中で立ち止まらずに俺な止まるまで進むんだ。行くぞ。」

「「「「「「はい!!」」」」」」


先生が先頭でクラスメイトたちと共に天のタワーの中に入っていく。

真っ暗なポッカリと開いている扉の中を入るのは勇気がいるのだが、立ち止まると後ろのクラスメイトに迷惑が掛かるので目を閉じて入る。

入ってすぐに閉じている目に光が当たって目を開けると、そこは青々とした草が生えている草原だった。

事前の授業でも知ってはいたのだが、生き生きとした草が生え、空には青空と光源が草原を照らしている。

そして何処からか「ステータスを取得しました。」と言う声が聞こえて続けて「鑑定のルーペを取得しました。」と聞こえると最後に「初めての武器を選んでください。」と声が聞こえると目の前に武器の種類と武器の名前が半透明なウインドウに表示される。

ここから武器を選ぶのかと思うがまだ先頭の先生が止まらない為、表示されている武器を確認するのはまだ止めておこう。


「全員入ったな。それじゃあそれぞれ始まりの武器を選んでくれ。全員が選び終えたら次に進むぞ。」


始まりの武器を選び始めるが、俺が装備するとしたら剣と槍が基本的な武器術を使える。

でも俺は流水剣法初伝の教本で流水剣法を学んでいるのだから、ここは流水剣法で使える剣を選んでいく。

選ぶに当たって幾つか表示されている刀剣の中からシンプルな長剣を選ぶことにした。


「おお!!」


選び終えると手元に先ほど選んだ始まりの武器である始まりの長剣が現れる。

その重さはずっしりとしているが長剣を振るのには問題ない程度の重さだ。

俺が選び終える頃には他のクラスメイトたちも続々と自分の初めて手に入れる始まりの武器を選び終えた頃のようだ。


「全員、武器を選び終えたな。それじゃあ装備の仕方のおさらいだ。誰か答えられるか。」


先生の質問に手を挙げる者が多数。

その中から選ばれた生徒が答えていくと、先生はその答えに肯定する。

まずは装備の仕方は簡単で自身の装備品に触れて装備したいと思うだけのお手軽さだ。

そうして装備した装備品は効果を100%発揮することが出来る。

それから先生が装備品を装備するに関しての注意事項を話していると、クラスメイトのお調子者がふざけて他のクラスメイトの始まりの武器を奪って装備しようとしていた。


「お前!!何をやっている!!!退学されたいのか!!!!」


クラスメイトの始まりの武器を奪ったお調子者に凄まじい威圧感を放ちながら先生は激怒する。

その威圧を直接与えられているお調子者は腰を抜かして小便を漏らしており、一斉にお調子者からクラスメイトたちは離れる。

そして漏らしていることに気が付いた先生が威圧を解いてから、お調子者に突如現れた水を掛けた。

それから何故ここまで怒るのかの説明がされる。

探索者は倫理観が求められる職業だ。

探索者になれば自ずと一般人よりも強くなるのだから当たり前だが。

今回のお調子者の行動は窃盗罪に当たり、一般人と探索者では罪の重さが違う。

探索者の資格取り消しだけでなく、一般人の10倍は重い罪のなるのだ。

今回はお調子者が反省して奪ったクラスメイトに謝罪して終わりになったが、今後も同じことを行なえば即座に除籍されることになると先生は言っていた。

それから全員が始まりの武器を装備すると、次はステータスの確認を行なっていく。


ステータス

萩本はぎもととおる

ギフト

治癒魔法 実体分身

装備

武器1 始まりの長剣

武器2 

防具1 

防具2 

防具3 

防具4 

防具5 

アクセサリー1 

アクセサリー2 

アクセサリー3 

アクセサリー4 

アクセサリー5 

アクセサリー6 

特殊アクセサリー 鑑定のルーペ


これが俺のステータスか。結構装備枠があるんだな。

実際に顕現させてみたいけど、それは先生からの指示があってからの方が良いか。

その後すぐに顕現をするように言われて始まりの長剣を顕現させる。

次に行なわれたのは鑑定のルーペの使い方だ。

使い方はこれも簡単で鑑定のルーペを鑑定したい物に向けて鑑定すると念じるだけだ。

そしてこれが始まりの長剣の鑑定結果である。


始まりの長剣

攻撃力50 耐久力∞

効果 不壊 破壊・消滅完全無効


これが始まりの長剣の性能だ。

強いのかどうかは分からないが壊れない事は分かった。

顕現した装備品の仕舞い方を習い終わってから今日の天のタワーでの課外授業は終了した。

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