第4話 あくまで君はモブだからな

一狩り行こうと思い俺はギャラクシー・オンラインで旅をする。

それで準備の為に道具屋に向かうとそこに何故かセナが居た。

セナは俺を見てから(来たね)と言ってくる。

俺は汗が噴き出す。

それから(何でこの場所が)と聞いてみる。


(半年間も婚約していたら行動ぐらいわかる。ねえ。何でギルドも辞めたの?)

(...そうだな。色々とな)

(色々と?そんなに私が嫌い?)

(そういうつもりは無い。セナ)

(...じゃあ再婚して)


セナのまさかの言葉に衝撃を受ける。

それから(それは出来ない)と俺は話した。

(それはなんで)と聞いてくるセナ。

俺は(...俺の事情に巻き添えにしたく無い)と話す。

すると(嫌。私は再婚する)と駄々をこね始めた。


(私は...貴方しか見えない)

(しかしセナ...俺は格好良くも無いし)

(関係無い。...ゲーム内だからあまり話は出来ないけど。私はこれでも貴方が好き)

(...セナ...)


(貴方と過ごした半年間は本当に夢の様だった。貴方が行く場所なら何処でも行く。一緒に行く。...私は貴方とゲームでもどこでも楽しみたい)と言ってくる。

俺はその言葉に胸が詰まる。

そしてセナは俺に寄り添って来る。


(お願い。ギルガメッシュ777)

(...分かった。そこまで言うなら再婚する。...だけど...)

(有難う!...そして何が言いたいかは分かる。話をしよう)

(...それはどういう意味だ?)

(オフ会しよ)


その言葉に俺は「!」となる。

それからセナは(再婚記念)と笑みを浮かべる。

俺はその姿を見ながら赤面する。

そして赤くなったまま考え込んだ。


(なあ。何で...その。そんなに構うんだ)

(それは貴方のお嫁さんだから)

(だけど...)

(それ以上は規約違反だよ)

(...)


俺は沈黙する。

それから俺はセナが仲間になって狩り行く事にした。

因みにギルドだがお休みという形になった。

ギルドマスターは(はいさーい)と訳の分からない事を言っていたが。



翌日になった。

俺はゆっくり起き上がる。

それから目を擦る。

昨日は色々あったな。

そう思いながら欠伸をする。


「...」


そして俺は準備をしてから家から出る。

天に挨拶をしてから、だ。

それから俺は歩いて高校に向かおうとした時。

「雄太君!」と大声がした。

それは通行人も同じ学校の生徒も全員ビックリする様な可愛い声。


「へ?」

「おはよう。雄太君」

「...あ、うん...おはよう?」

「ねえねえ。一緒に登校しても良い?」

「...へぇ!?」


俺はあまりの事にビックリしながら彼女を見る。

何を言っているんだ!?

そう思いながら、だ。

そして俺の横を歩く瀬奈。


「...あ、あの?俺と歩くの嫌じゃないの?」

「え?何で?私達ってさ。その、ふ、夫婦だよね?」

「それはゲームの中の世界!」

「まあまあ。良いじゃない。アハハ」


俺達はそう会話をしながら歩く。

すると目の前から「瀬奈?」と声がした。

クラスメイトの瀬古、だったか。

そう思いながら俺は10センチぐらい身長の違う瀬古を見る。

イケメンスマイルだった。


「何をしているんだ?...何故...えっと...名前が分からないけど彼と?」


俺の名前が分からないwww

そう嘲る様に思いながら訝しげに俺を見るその視線を躱す。

すると瀬奈はムッとした様な感じになりながらも「私、彼と仲良くなったの」と額に血管を浮かばせながらもニコニコしながら宣言する。


瀬古は俺をいじめているというか。

陰口をしている男だ。

その為。


「いや?何で?」


この様に真顔になる。

そら当たり前だ。

クラスの人気の女子が俺に構っている挙句。

一緒に登校とか先ずありえないだろう。

そう思いながら俺は瀬奈を見る。


「...ここまでで良いよ。瀬奈。...じゃあな」

「...」


すると俺の肩を瀬古が掴んできた。

それから「待って。君かなり調子に乗ってない?」と真顔のまま言ってくる。

少しお怒り気味だ。

だけど俺にはどうしようもない。


「調子には乗ってません」

「君はあくまでどうあがいても名前も分からないモブだからね。あまり調子に乗らない様に。それに瀬奈って呼ばないでくれるかな?おかしいよね」

「...」


俺は盛大に溜息を吐く。

すると瀬奈が「その言い方は無いよ」と怒った。

いきなりの事に「ぁ!?」と俺は絶句する。

それから瀬奈を見る。

瀬奈は不愉快そうな顔をしている。


「瀬古君。彼はそんな人じゃない」

「いやいや。冗談でしょ瀬奈。...彼は...あくまでモブだ。主役にはならない」

「私にとってはモブじゃない。...彼はヒーローだから」

「えーっと。何の話?」


かなり困惑している瀬古。

それから俺を見てから「あくまで彼は私のヒーローだよ。その言い方は...」と言った所で俺は面倒だと間に入って言葉を切った。

「すまん。瀬古君。彼女は今、変な妄想に浸っているんだ」という感じで、だ。

すると瀬古は「お前が色々と誑し込んだのか」と俺を睨む。

ああ面倒だなぁクソ。


そう思い俺は「すまない。もう近付かない。彼女には」と謝る。

それから瀬奈を見る。

瀬奈は「...」となって俺を見ている。

その中で俺は頭を下げてからその場を後にした。

これで話は終わるかと思ったのだが。


後に俺はクラスメイトの金髪ギャル。

つまり瀬奈の友人の椎名真由美(しいなまゆみ)に呼ばれた。

伊達眼鏡か分からない眼鏡を掛けた女子に。

な、何だ。

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