リアルで自分自身がいじめられているからなどの理由でゲーム内の嫁と別れたら大変な事になった
アキノリ@pokkey11.1
第一章 嫁と
離婚...?
第1話 隠し機能で繋がる絆
そもそも俺、清水雄太(しみずゆうた)はスペックがあまりに低い。
16歳。
スペックが低いとはどういう事かというと俺自身の学力が低く更に運動音痴。
義妹にも恐らく嫌われておりしかも泥に足を突っ込むなど運が無い。
クルクルの髪の毛をしておりキモオタであり。
おまけに...部屋も荒れまくり。
そんな人間を誰が好きになってくれるだろうか。
何というか現状況は笑うしかない。
因みにそんな俺は唯一の大切な趣味がある。
それはギャラクシー・オンラインというオンラインゲームだ。
その中で俺はギルガメッシュ777というアバターで結婚している。
相手の名前はセナ・オーロラというアバターの名前の女子。
半年前に結婚した。
お互いに同意して、だ。
だけど今回。
俺からの申し出で婚約解除。
つまり離婚をする。
その理由としては俺の様なスペックの男子をこの愛らしいセナが好きになってくれる筈が無いという事に気が付いた。
俺の身体は確かに細いが代わりに肉体美でもない。
こんなキモオタより更に幸せな人を見つけてほしいと思ったのだ。
俺はギルドに来てから彼女に事情を話す。
すると彼女は衝撃を受けた。
どう話したかというと(俺のスペックが低い事)などだ。
勿論、全てリアルの件を話すのは規約違反。
だから話さないけど。
すると彼女は数秒間考えてタイプしてきた。
(嫌だ。絶対に別れたくない)と書いてきた。
俺は衝撃を受ける。
そして(何で?俺の様な奴より...)と打つ。
だが彼女は(それがどうしたの?ギルガメッシュはあくまでギルガメッシュでしょ)とアバターが泣きマークで泣き始めた。
「っ...」
俺はリアルに声を詰まらせる。
だけど俺みたいなスペックの低い奴と付き合っていたら...どうしようもない。
いじめられっ子だし。
そう思いながら、イヤイヤ、となっているセナに必死に説明する。
すると途中からこんな事をセナは言い始めた。
(じゃあそんなに言うなら私、どんな男性か貴方を探す。リアル世界で。絶対に貴方と結婚する)
そんな事を書いてきた。
俺は更に衝撃を受けながら(いや待て!?)となる。
だがセナは(だったら離婚しても良い)と書いてくる。
それからセナは(ギルガメッシュのバカ)と追記で書いてくる。
セナはログアウトした。
「...まさかな」
俺は部屋を見渡す。
そこには荒れた部屋があり。
壁にも穴が開いていてポスターが破れている部屋だ。
こんな状態の部屋の人間が結婚。
ありえない。
「でもセナがそう言ってくれて本当に有難いな」
これで良い。
今日でセナとの関係は終わりだ。
思ってから俺はそのギルドも抜けてから苦笑しながら単独で動く。
そして俺はログアウトした。
☆
実は俺は陰口を言われて弄られている。
だからこそ俺は彼女に迷惑をかけまいと思い。
離婚を申し出た。
そして今日もボッチのまま周りを見渡す。
そこではリア充が3人の美少女と一緒に話している。
右に華、左に花。
中央に女神。
そんな感じのマリアの様なこの学校で指折の美少女達。
それに対して男子生徒が3人、その女神に群がりながら話している。
サッカー部部長、バドミントン部主将などなど。
所謂、スクールカーストがあまりにトップ過ぎる6人の完成。
どこも抜け目がないのだ。
俺はその姿を見てから音楽の流れてないイヤホンを耳に嵌め。
相変わらずの陰口を避ける。
そいつらとは永遠に関わり合いは無いから。
ふとトイレに行きたくなった。
俺は「ふむ」と思いながら立ち上がる。
それからイヤホンを外してから教室を出る。
すると俺視点のリア充の女神が教室を出ながら同じ方向に向かう。
俺はボッチなのでその女子が滅茶苦茶、眩しく感じたのもあるのと。
リア充と一緒は嫌なので3階のトイレに向かおうと階段を登っていた時。
「あの」と声がした。
「ポケットから紙、というか何か落としたよ」
「...え?あ、ああ。すまない」
その女子の顔を見る。
確か沢渡瀬奈(さわたりせな)だったな。
髪の毛を右で結んでいる様な笑みの絶えない女子。
顔が小さく、モデルの様な。
恐らくこの学校では指折りの中で1番目に可愛い。
「これ...何?...アバターの写真?」
「...あ、ああ。ちょっとしたアバター...あ、いや。何でもない」
「...」
沢渡瀬奈は考え込んでいる。
そのアバターの女神の写真は所謂、エルフの写真だ。
セナの写真。
写真で撮ってお守り代わりに財布に入れていたのだが。
これは互いに婚約しないと印刷できない写真である。
捨てる為に取り出していたのだが。
実はギャラクシー・オンラインには特別な機能満載なのだ。
婚約しないと使えない機能もあったりする。
隠し機能と言える。
だがその写真も婚約破棄したから捨てるつもりでいた。
リア充の沢渡瀬奈の事だ。
「うわ、オタクキモいなぁ」とか思っているのだろう。
俺は苦笑しながら目線を逸らしていると予想外の返答があった。
「...ねえ。何で君がそれを持っているの?」
「え?」
眉を顰める沢渡瀬奈。
俺は「?」を浮かべながら居ると「...君。もしかしてギルガメッシュ777さん...じゃないよね?」とも言ってくる。
え?
「...え?い、いや?何の事ですか?」
「ギャラクシー・オンラインのアバターだよね。それ」
「...」
「アバター印刷は(結婚)しないとできない隠し機能。...機能の名前は(結婚印刷)。...ねえ。何で君がそれを持っているの」
「あ、そ、えっと、これ、何か拾ったんです。実は!」
俺は咄嗟に言い訳する。
沢渡瀬奈を見る。
そんな沢渡瀬奈は「...」となって顎に手を添えて考えていた。
俺はそんな沢渡瀬奈を置いて慌ててその場を去って行った。
何で沢渡瀬奈...え?
瀬奈...セ、セナ...いや。
まさかな。
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