第39話 アマネちゃんのキャラクターレポート
新月の教団の書記官を勤めているアマネは、ミリエラから、今回の出来事をまとめるように命じられていた。
アマネは、今回の作戦に参加した人々の情報を集めて、レポートにまとめていくことにした。
(ああ、ミリエラ様から直々に依頼をされるなんて光栄だわ。私、ミリエラ様に褒めてもらえるように、がんばらないと)
アマネはミリエラを尊敬していた。
いや、彼女はそれ以上の感情を抱いていた。
ミリエラは教団の女性信者たちから絶大な人気があり、教団内にミリエラ親衛隊という非公式な組織か作られているほどである。
彼女はミリエラ親衛隊の創設メンバーの一人で、親衛隊の幹部であった。
アマネは、親友で情報屋のミランダを尋ねて、各登場人物の情報を集めることにした。
「ねえ、ミランダ。私がミリエラ様に頼まれた仕事を手伝って欲しいの。いいかな?」
「私を頼るってことは、アンク様に聞きたいことがあるのね? いいわよ。アマネの頼みならなんでも聞いてあげる」
「ありがとうミランダ。それじゃあさっそく聞いてもらおうかな」
「ちょっと待ってて。準備するから」
ミランダはチャネリングという能力で、アンクという高次元の存在と対話することで情報を得ていた。
ミランダはアンクとの交信感度を高めるために、服を全て脱いだ。
「ちょっと、ミランダ? なんで服を脱ぐの」
「服を脱いだ方がアンク様との交信が上手くいくからよ。それに、あなたになら私の身体見せても大丈夫だし」
彼女はいつも服を脱いで、全身の感度を上げてからアンク様との交信を行うのだ。
(私だって恥ずかしいけど、アマネには見てほしいの。だって私……)
「私がお願いしてるのに、ミランダだけ裸ってわけにはいかないわ。私も脱ぐよ」
そういうと、アマネも服を脱ぎ出した。
「ちょっと、何を考えてるの? あなたが脱ぐ必要無いじゃない?」
「恥ずかしいけど、いいの。ミランダなら、大丈夫だから」
(ああ、アマネちゃん、私、あなたのそういうところが、たまらなく好きなの。マジで天使だわ)
「アマネの身体、ものすごくキレイ。私の身体はどうかな?」
「ミランダの身体もとてもキレイよ」
(ああ、アマネってば、ほんと、かわいいなあ。ああ、私、興奮してきちゃった……)
「ねえ、アマネ。お願いがあるの。私と手・・・繋いでくれる? そうすると落ち着くから交信に集中出来そうなの……」
「いいよ。その方が私も落ち着くから」
二人は手を繋ぐと、目を閉じて気持ちをリラックスさせた。
「ありがとう。アマネ、もうすぐアンク様が来るよ。ああ、ああ、来たよ。私、今、アンク様とリンクしてる。だから、もう質問しても大丈夫だよ。何でも聞いて」
「わかった。じゃあ、まずはアンナちゃんについて、アンク様の知ってることを教えて?」
「アンナちゃんのフルネームはアンナ・クロウズっていうみたいね」
「へえ、そんな名前なんだ。それで、何かすごい秘密とかあったら教えてくれる?」
「ちょっと待ってね。アンナちゃんは、見た目は子供だけど、本当は大人なんだって。子供も産んでいるみたいだよ」
「ええっ!! あの子、子供を産んでるの? 人は見かけによらないのねえ」
「その子供はね、クロウドって呼ばれているみたい」
「ええっ!! クロウドくんがアンナちゃんの息子だったの!!!」
「そうみたい。本名はスクネ・クロウズっていうみたいよ」
「そうなんだ。もっと詳しく聞かせてよ」
「わかったわ。ええとね……」
……やれやれ、このまま会話を続けていくと長くなってしまうので、ここからは私、アンクが簡潔にまとめることにします。
実は、私はこの物語の語り手なのです。
今までのお話は、すべて私があなたに語りかけていたのですよ。
ふふ、それでは説明を始めますね。
【アンナ・クロウズ】
この物語の主人公です。
彼女は栗色の茶髪で、ミディアムボブにレイヤーが入った髪型をしています。
瞳の色は青です。
彼女は、かつてローゼンブルグで発生した魔道炉の事故の時、事故を引き起こした元凶と戦っていたアン・クオールという女性が転生した少女です。
転生時にアンから、超再生能力と魔素への完全な耐性能力を引き継いでいます。
アンは、自分の体内に寄生させた魔物に別の魔物を捕食させることで、捕食した魔物の能力を奪って、自分自身の能力とすることができました。
この超再生能力は、再生能力を持つ魔物を捕食することで、彼女が後天的に獲得した能力でした。
アンナは超再生能力によって身体の成長が止まり、少女の姿のまま歳を取らないようにみえるため、息子であるスクネ・クロウズと同い年に見えています。
実は、魔道炉の事故の時に、アンが女神様と出会い、仲良くなったことで、大天使シンシアを嫉妬させてしまい、子供のまま成長しないように調整して転生させられたようです。
そのため、子供の姿なのに息子がいるなど、世界再編時にイレギュラーな事態を引き起こしてしまったようですね。
アンナは魔素の影響を受けませんが、魔素の無毒化は出来ないため、無意識に魔素を子宮に溜めてしまうという弱点が存在します。
彼女は魔法を使いすぎて、魔素が子宮に溜まりすぎると動けなくなってしまうため、定期的にスクネに魔素を解毒してもらっています。
しかし、転生前のアンは魔法使いというよりも、むしろ武闘家に近かったようです。
アンナは転生前にとある魔族から習った体術を覚えていて、魔法が使えないスクネにその知識と技術を教えていました。
……お話が少し長くなってしまいましたね。
スクネくんのお話は次に話すとしましょう。
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