第89話 イラストレーター

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前話(88話)の少し前の時間軸です


「芸能界に全く興味のない俺が、人気女優と絡んでしまった件について」162話と同じ時間軸です

https://kakuyomu.jp/works/16818093077567479739


全体の時系列情報は下記を参照してください

https://kakuyomu.jp/users/kurumi-pan/news/16818093086120520701

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「捗る……」

ワンルームマンションの一室で、イラストレーター『まみやり』は、景隆と柊を見るなりそう言った。


彼女はゲーム『シティエクスプローラー』のキャラクターデザインを担当しているイラストレーターだ。

景隆は株主特権を利用してイラストレーターを紹介してもらっていた。


「今宮さん?!」

「あれ?どこかでお会いしたことがありましたか?」

「あっ!」


目の前の若い女性は怪訝な表情で柊を眺めていった。

柊は自分が致命的な過ちをしたことに気づいたようだ。


「柊の知り合いか?」

景隆は柊がゲームのイラストレーターを知っていることに驚いていた。


。あ、あの……柊です。野田から何か聞いていませんか?」

「あー! 健吾くんの同僚の!」

「元同僚ですが、それで合っていると思います」

「なるほど……健吾くんが写真を見せたんですね」

「あれ、本当にどこかで会ったような……」

「えっと、イラストレーターのまみやりさんですよね?」


野田は柊がアクシススタッフに勤務していたときの同僚で、景隆も面識があった人物だ。

柊は何かを必死にごまかしているようだったが、景隆はスルーした。


今宮涼子いまみやりょうこといいます。『まみやり』の名前で活動しています」

「なるほど、ペンネームは本名から取っているんですね」


名刺をもらった景隆は感心していた。

名刺のデザインは洗練されており、愛くるしいキャラクターが描かれていた。


***


「スライドのポイントとなるところに挿絵を入れたいのですが」


景隆は具体的な仕事内容の説明を始めた。

翔動の公式コンテンツに今宮のイラストを入れることが目的だ。


「うわっ! 須賀川さんの声、めっちゃ素敵ですね!」


今宮は大河原の声に聴き入っていた。


「――声が須賀川さんということは、ファナのイラストを入れるんですか?」


ファナは大河原が演じるゲームに登場するキャラクターだ。


「版権は買う予定ですが、ゲームはまだ未発売なので、コラボレーションは発売後に行います。

今の教材にはオリジナルキャラを原案からお願いしたいのです」

「理解しました。そうなると――」


景隆は今宮が仕事の話をしつつも、ときどき恍惚とした表情をしているのが気になった。


『おぃ、柊』

『なんだ?』

『まみやりさん、様子が変じゃないか?』

『そうなんだよな……何かあるのかな?』

『お前にも心当たりはないんだな』


***


「これは翔動うちとは関係ない案件なのですが――」

柊は今宮に追加の仕事を依頼した。


⚠─────

「今宮涼子の妄想」(※ 15歳以上推奨)

https://kakuyomu.jp/users/kurumi-pan/news/16818093090404059451

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