第369話 ルベラン

ロンマの屋敷に戻ると、孤児院の子達が全員で出迎えて。

その後、異世界サンバを踊って解散となった。


「はあ、やっぱロンマの屋敷は落ち着くね。新年祭まで、のんびりするか」

「のんびりするのも良いですが、代官としての書類仕事がありますよ」

「わかっているよ、アイリス書類仕事は午前中にすると決めてるんだ。それ以外の時間は絶対にしないからね」

「それなら、問題ないです。ゴウケン帝国に行くならその分もやっておきましょう」

「それなら心配はないよ、アイリス。物質転移が出来るようになったから、これからは必要な書類は午前中に送ってくれれば、すぐに処理することができるんだ」

「転移魔法を使えるようになったのですか・・・、あいかわらず、坊ちゃんには驚かされます」


そんな軽口をたたいて、そろそろ夕食の準備でもしようかなと思っていると、ルーベンが訪ねて来た。

ルーベンには、二人の連れがいた。

1人は男で、シルバーの髪をオールバックにした40代ぐらいで黒い瞳で全身黒でまとめた服装だった。

もう1人は女で、緑の髪の毛のショートカットで、赤い瞳でスレンダー体型、赤色でまとめた服装だった。

「こちらの二人は、ショーダン社の人で、俺が書いた本を出してくれたんだ」


ショーダン社といえば、アルフ書店とならぶ、大手出版社だ。

アルフ書店が貴族をメインに取引をしているのと逆に、ショーダン社は平民をメインに取引をしている。

男は、ギーンと言う名の編集長で、女の方サイネリアと言う名で、ルーベン担当の編集者だった。


ルーベンは趣味で、ロンマの町の食べ歩きをしながら、ノートのメモも書き溜めていた。

お店の、料理の味と、料理が出てくるまでの時間、店内の雰囲気、接客の様子など、事細かにメモをしていて。

お店の採点もしていた。

星印で最大3つ、これを聞いて俺は前世のグルメ本、ミ○ュランを思い出した。


ルーベンのやつ、独自に異世界版ミ○ュランを作り出しやがった。

俺が特に入れ知恵したわけでもなく、ルーベン自身で考えてノートにお店を記録していった、それが本になったと言う、すごいぞルーベン。


「私どもの出版社とルーベンくんの父上が経営しているナハノナ商会は、もともと取引がありまして。食事会などするときは、ルーベンくんの紹介する店に行くのですがどれも、凄くおいしいのです。訳をきくとノートを見せてくれて、驚きました。そして、これを本にすれば売れると、私ども確信して本にしました」

ギーンは熱く語り


「そしてこれがその本、ルーベンのグルメランキング本、略してルベランです。どうぞご覧ください」

サイネリアからグルメ本『ルベラン』を渡された。


「ロンマの町の、食堂がほとんど何で、一応バラッドくんには言っておかないと、いけないと思って。ボク、この本、売れないと思っていて。恥ずかしいから、黙っていたんだけど、今ベストセラーでめちゃくちゃ売れているって聞いて。バラッドくんに報告に来たんだ」

「いいじゃないか、この本が売れるという事は、ロンマの町が有名になるって事だろう。グルメを楽しみに来た人たちが、この町にお金を落としてくれて、代官としてはありがたい限りだよ。よくやったルーベン」


勝手なことをしてと、俺に怒られると思っていたのか、誉められて。

緊張がキレたルーベンは、その場にしゃがみ込んでしまった。


ショーダン社の二人も、俺が本を認める話をしたので、下知が取れたと安心したようだった。


「せっかく来たんだ、夕食はここで食べていくがいい」

俺が三人を夕食に招待すると。

しゃがみ込んでいたルーベンが元気を取り戻し立ち上がっていた。


「じゃあ、先に食堂に言って待っていてくれ。おれは、ハントと夕食の相談に行ってくる」

そう言ってその場を離れると。


ルーベンはショーダン社の二人に、

「ルベランに乗せなかったけど、このロンマの代官屋敷の料理は星4つなんだ。最高の料理が食べれるよ」

「4つ星!そんな3つ星でも、美味しすぎるとおもっていたのに、その上があるのか」

「そうだよ、ロンマの町のグルメの頂点がこの屋敷の料理なんだ」


ルーベンの言葉に驚きながらも、夕食に居たいするショーダン社の二人だった。


死亡予定日まで後 522日



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