第2話アナーキー鯨先

土壇場になって彼の真面目さが出た。


母の密葬は、誰にも伝えて無いのに何で分かった?と聞くと「純米醸造酒を一緒に飲もうとお前の家に行ったら留守で、ここ2、3日の行動パターンを詠んだら此処やと思った。」


 と、ニコリともせず、四角い顔で精一杯、厳かにしようとしていたのを僕は分かっていた。


 素晴らしい忖度やな。エスパーかよ・・・。


毒舌がムクムクと鎌首を上げた時・・・、「オマエのお袋さんと酒を飲みながら話をしたい。」と、いうのでお参り用のパイプ椅子を盾に7段、横に3列が、一つの山でパイプ椅子が21個あるのに「密葬やのにこんな夜中に人が来ないやろ。」


と、言いながら椅子を折りたたみあっと言う間に4つの椅子のスペースが空いた。

両手両脚が使える人は作業が早い!


片麻痺の僕が実感している。

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