第2章 微光の繊月編

第36話 サクラがヤンデレ化!?






「月乃ちゃん!!」


「あ?サクラ?今日は学校行こうかなって……」


「月乃ちゃぁん?よかったぁぁ!もうどこ行ってたのぉ!ぅぅぅ......」


「ご、ごめんサクラ......ちょっとお腹痛くて......ムーノさ、まにまた助けてもらっての。」



 もちろん嘘だが......とりあえずムーノ信者のサクラには、こう言っておけば大丈夫だろう。

 事実、朔月のムーノは強すぎるあまり【ムーノ様ならありえる】というムーブが発動するからだ。

 都合の悪い事や辻褄の合わない内容も、ムーノと言っておけば大体誤魔化せる。私便利ぃぃぃ!!



「もう今度から私の許可無くトイレ行くのは禁止だよぉ?どこに行くときも私に報告してねぇ?全部着いてくから!個室まで!!」


「え?いやサクラ流石にそれは......」


「私がいたら嫌なんだ.....私の事嫌い?」


「いや......嫌いじゃないけど......」


「じゃーいいよね!これから24時間よろしくね!!」


「え!?24時間!?家にまで住む気!?」



 やばい顔してる!!どんどんサクラがヤンデレ方面に向かってる気がするんですけど!?

 サクラは涙を目にためながら狂気的な愛の眼差しを私に向けている……めっちゃ怖い。



「ダメなの?何で?私って邪魔?」


「ち、違うそうじゃなくて......一人の時間が欲しいだけなの。」


「でも!もう守り切れないよ......勝手にトイレ行ったり、行ったり......」



 トイレしか行ってないじゃん!!私何も勝手な行動してないじゃん!?

 サクラ自身勢いで言ってみたものの、思いつかなくて行ったり連呼してるし!!



「私そんなに弱くないから!ある程度自分で守れるし!」


「ある程度じゃ足りないんだよ!何も......何も知らない癖に!!」


「サクラ?」


「あっこれは、ちが.....そんなつもりじゃ......」



 サクラは自分の言葉に酷く動揺していた。その顔は私から、嫌われる事への恐怖で染まっていた。

 正直内容は大体知っている......『ムーノ』じゃなくて『月乃』にも話してくれればいいのに。

 それとも何か話せない理由でもあるのだろうか?もしそうだとしたら......



「分かってる。怖がらないで?私はサクラを嫌いになったりしないから。」


「月乃ちゃんは......やっぱり凄いよ。見透かされてるみたい......」


「え?結構分かんなかったりするけど?あと友達一人だし......大事にしたいじゃん?」


「友達居ないもんね......紹介しようか?」


「別にサクラがいればいいし!初対面怖いからしなくていい!!」



 私の青春群像劇には、仲のいい親友は含まれているがワイワイ遊ぶ仲間は含まれていない。

 そもそもコミュニケーションがあまり得意ではない私は、人といると結構疲れるのだ。

 例外はサクラだけ......もし私がムーノじゃなければ多分、同居を断ったりしない。



「私が特別って事?それって愛の告白だよね!?」


「勘違いオタクくんじゃん......特別なのは認めるけど。」


「じゃーこれから愛を育んで恋にしてこうよ!」


「どうしてそうなる?」



 そんなサクラにベットリ腕にしがみ付かれて、私は退怪術士育成学校へ足を進めた。






☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★


 どうもこんにちわ。G.なぎさです!

 ここまで読んでくださりありがとうございます!


 遂に新章突入!!

 そして向かった学校ではかつてないほど不可解な現象が!?

 

 面白い、続きが気になる!と思った方は【応援】や【レビュー】をくれると超嬉しいです!!


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