第25話 デート!!





 ……私は学校をサボってサクラとデートをする事になった。

 場所は渋谷、未だにあの日の記憶は過ぎるのだが……それは心の内に閉まっておく。



「渋谷にとーちゃくだよぉ!日本は要塞都市の数が世界最多だからいいよね!何でだろう?要塞都市を繋ぐ経路もあるよね!」


「そ、そーだね?」



 そう……世界最堅の砦があるのはロシアだが……世界最多の要塞都市を持つのは日本なのだ。

 理由はとても簡単!私がいるから!!!


 3歳で活動を始めた頃は、日本ばかりを飛び回っていた。

 おかげで日本は世界で最も最初に超安全区域となり、要塞都市の活発な建造が行われた。



「月乃ちゃん!どこ行くー?」


「サ、サクラに任せる。」


「はいよー! それとね?可愛い。服もとっても似合ってるよ?」


「んっ……くぅ。」



 私は服のコーディネートなどよく分からない……

 ただ金に物言わせて山のように高い服を買っていたので、服だけは持っている。


 結果、紺色のシースルーのワンピースに丈の短い白い羽織を羽織る事になった。

 もはやこれが可愛いのかどうかさえ分からない……8割方サクラの好みではあるだろうけど。



「じゃー映画行くよ!」


「う、うん。何見るの?」


「ンフフ……ホラー映画だよ!」


「え?」



 え、待って超怖いんだけど……苦手なんだけど!?



「月乃ちゃん。苦手だったよね?」


「うん……だから他のがいいかな?」


「生々しいエッ〇シーンがある恋愛映画と、ホラー映画と、ムーノ様外伝の中から選んでね!」


「なぁっ!?」


「はーやくー。」



 何その究極の3択!?どれを選んでも地獄なんですけど!?

 と、とにかく3番目は論外……となると2択!?


 ぅっ、これデートというより罰ゲームなんじゃ……

 もがき苦しんだ末私は……



「ホラー映画で……」


「じゃー行くよ。今予約取ったからね!」


「やっぱ嫌だ!行きたくない!!」


「ダーメ!自分で決めたんでしょ?ほらハチ公さんにしがみつかないのー。」


「グギギ……嫌だぁぁぁ。」



 その後私は映画館という拷問部屋に連行された。


 そこからの事は怖すぎてよく覚えていない……

 人の叫び声に化け物らしいものの鳴き声、何か食べられてるような咀嚼音……


 とにかく終始サクラにしがみついていた事だけは覚えている。

 ちなみに言うとサクラは余裕そうに笑ったりしていた。なんで?


 あとめちゃくちゃ目が合う……絶対映画じゃなくて私のこと見てたでしょ。



「ヨシヨシ。いい子いい子。怖かったね?」


「ふぐぅ……腰抜けたぁぁ。」


「周りからの視線が痛いね?」


「サクラのせいだからね!?。」



 結果、腰が抜けて立てなくなっちゃいました……

 私はサクラに抱っこされて映画館の外に出てきた。周りの目線は……ご察しの通りである。



「じゃークレープ食べに行こうよ!栗の美味しいクレープ屋さんあるんだよ!」


「いくぅ……」



 ん?栗のクレープってあれじゃない?

 前に渋谷であった『淡藤の神』が食べてたヤツ……


 世界は狭いものだなぁ、と私は思った、直後......

 さっき見たホラー映画がフラッシュバックして震えた......



「ぅっ......」


「吐いても大丈夫だからね?」


「吐かないから!これから食べに行くのに!」


「吐くならおぶってる間にね~。」


「へ、変態なの?」



 その後……私達はクレープを食べたり、ケーキバイキングで元を取ろうと戦ったり......

 ナンパをボコボコにしたりと……とても一般的で平和なデートを楽しんだ。


 途中サクラが私にペアリングを買ってくれたので、私の方はペアのキーホルダーを返した。

 後々気付いたが……やってる事が完全に恋人だ。


 そうしてデートは夜中まで続いた。






 ――――――


 私はサクラ……

 今日は世界一可愛い私の月乃ちゃんとデートに来ている。


 時刻は夜の24時過ぎとなり……

 月乃ちゃんは完全に睡眠モードへと移行している。


 実はこうなるには超複雑な条件が必要なんだけど......

 今回はその全てクリアしている。もちろん計画通り!



「んぅ〜。」


「月乃ちゃん眠たいの?」


「ん〜?眠くなぁい。」



 可愛い……カワイイカワイイカワイイ。可愛すぎる!

 こんな可愛い状況の月乃ちゃんを手放すなんてありえない……


 寮には一応泊まりの申請はしてある。



「今日はホテルでも泊まろっか……今から帰ると結構時間掛かるもんね。ホテルなら美味しいルームサービスも、ご飯もテレビもあるよ?」


「泊まるー。お泊まりするぅ。」



 やったぁぁぁぁ!!読者のみなさーん!!

 私に任せてください!ラ〇ホに連れてきます!


 私たちの恋愛小説が、今始まる!! ※違います。


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