第23話 『怪異の神』はURキャラ?








「……怪異の神は私と同じく、恐らく時間の外側にいます。」


「……」



もしそれが本当だとしたら……何度も何度も、人類を滅ぼしてきたことになる。

でも、どうやって?そもそも、なぜ時間を逆行してまで人類を滅ぼす必要があるの?


いや……そもそもサクラと【怪異の神】が移動しているのは本当に「時間」なの?

何か、もっと根本的な見逃してはならない要素がある気が……



「あなたの仮説。まさか、それだけじゃないでしょう?」


「はい……大怪異王こと怪異の神が顕現する際、どの時間軸でも共通している現象があるんです。」


「なっ! サクラ、それ私も聞かされてないけど?」


「私も最近気づいたの……とにかくその共通点というのが、公爵級以上の怪異が複数いる場所でしか出現しないんです。とは言っても、全て2025年の映像しかリソースはないんですけど……」



サクラは前に言っていた。

時間を遡るたびに毎回、何かしらの微妙な違いがあると……。


サクラが115回も繰り返した2025年7月17日。

その全てに共通しているのなら……それは信憑性が高いと言える。



「つまり、出現条件があるってことね! それを潰せば、『怪異の神』の脅威を人類から排除できるってわけね!」


「うん、そうなるね……ですので、もし高位の怪異が複数体確認された場合、ムーノ様には何をおいても最速で対応をお願いしたいんです。今のところ、君主級複数体に完勝できるのは、地球上でムーノ様だけですから。」


「……わかった。その話には乗ってあげる。」


「ありがとうございます……ついでに!月乃ちゃんの護衛なんかも!」


「それはやらない。」



さすがに、それはメリットが無さすぎる。

私が人類の最高戦力『朔月のムーノ』として、特定の人物を護衛するわけにはいかない。


人類全体が私の保護対象なんだから……。


もっとも、上から命令されれば考えなくもないけど。

そもそも私が月乃なんだから、護衛なんて必要ない!


今の【希守月乃】は世界一安全な場所にいるもん!



「ラナちゃんはムーノ様が戦ってる間......別の場所に出現した怪異をお願い。」


「えぇ……任せなさい。怪異を全滅させて、パパの仇を取るんだから……ん?」


「雑魚処理はよろー。私の為に頑張って?」



からかいながらも、心の中では――


……何、この主人公ムーブ?

それにしても、私と会話している時の距離感、違いすぎない?


なんか、ものすごく寂しいんですけど……とか嫉妬している。



「相変わらずムカつくわね!てか、サクラ!私は朔月の露払いってわけ?」


「そうなるけど……でも、ムーノ様が別の場所に行っている間に、大怪異が別の場所に出現したら? 誰が人類を守るの?」


「ぐっ……それは……」


「ムーノ様の意図を理解し、瞬時にサポートに回れる『絶対強者』が必要なのよ……お願い。」


「ぜ、絶対強者?ふ、ふーん? まぁ不本意だけど、私がやってあげるわ! 不本意なんだからね!」


「ありがとう!ラナちゃん、大好き!」



くぅぅぅ……何、この彼女を目の前でN○Rような感覚!?

ていうか、ラナ、チョロすぎでしょ!将来、簡単に騙されないか心配だわ。 ※月乃はもっとチョロいです。








☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★


 どうもこんにちわ。G.なぎさです!

 第23話をここまで読んでくださりありがとうございます!


 怪異の神の出現には様々な条件が?

 つまりゲームで言うところのURキャラみたいなもんです。

 まぁゲームで例えると、無課金では出てこないくそキャラになるけど...... 


 面白い、続きが気になる!と思った方は【応援】や【レビュー】をくれると超嬉しいです!!

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