第15話 『千斬』VS『威圧』





 ――同じ頃、爆心地付近――




「何この爆発……みなさーん!無事ですか?」


「先生……」


「安心すんのね。全員無傷なんだから。」



 ここまではサクラの言った通りになった……

 あとはこの後、私がどういう結果を生み出すかにかかっている。



「今のを生き残っているか。何やつ?こちは君主の大怪異、シシオンであるぞ!!」


「……何であんたらって必ず名乗るの?」



 前々から思っていた……

 言葉を話し、そして出会い頭に必ず名乗る。明らかに異常な行動だ。



「理由など無い。消えろ!!!王者の咆哮!!」


「なるほど……サクラの情報通りね!」



 こいつの能力は極めてシンプル。威圧による敵の硬直だ。

 しかしこの硬直は、対象の肉体のみにおこなわれるのではない。。


 この怪装の恐ろしいところは……

『異能』をも硬直させてしまうことだ。


 異能は人類の力そのものであり鎧。

 異能が使えなくなれば……生身の人が怪異に勝てる道理などない。



「はははは!!どうだ絶望したか!!異能が使えぬ中で死ね!!!」


「……バカすぎでしょ笑笑」


「何?……!?ぐぁぁぁこちの腕がぁぁぁぁ!!」


「何でわざわざ話すのかしら?」



 この異装は一見無敵に見えるが、攻略法さえ知っていれば実に弱い。

 もし初見だったら、私も勝てなかったかもしれないけれど……


 要するにこいつが異能を封じられるのは、こちらが硬直する一瞬だけ。

 オマケに異能の発動を阻害するだけで、既に発動を終えた異能に対しては効果が薄い。


 武装のように纏い続けるタイプの異能には、効果抜群なのだが……

 私のように飛ばすタイプの異能には、ほぼ無意味なのだ。



「君主級が聞いて呆れるわ。マジックもネタが割れればこんなものね〜!」


「……調子に乗るなよ。人間が!!!」



 その瞬間。膨大なエネルギーが溢れ出す。

 そのエネルギー量は……原子力発電所数個分に匹敵するほどだ。



「怪装合成・王牙圧制!!!」


「やろうってわけね?いいわよ。真っ二つにして丸焼きにしてあげるんだから。異能共振・炎龍心装」



 互いのボルテージが最高潮に上がる。


 相手は君主級。

 これまで人類はあらゆる技術の粋を集め、ついには核を持ってしても君主級を倒すには至らなかった。


 君主級以上の怪異は『朔月のムーノ』にのみ討伐された人類の窮地そのものなのだ。

 だからこそ……今日私が超えてみせる。



「王政弾圧!!!」


「ぐっ……分かっていても凄まじい力。これが……君主級!!」



 しかし千斬は既に無数の不可視の斬撃を放っていた。その数何と……1200。


 ラナの不可視の空断は平均して30mはある。

 飛距離は彼女の自由自在で、mm単位〜8kmまで調整可能。


 それが1200となもなれば……

 怪装を発動した武闘派の君主級でも......防御に回らざるを得ない!



「小癪な!!!この!!!」


「平均3秒って所ね。そして再度発動にも更に3秒かかるわけ!あんた、雑魚じゃない!!」


「何と!!不敬な!!こちは王であるぞ!!」


「ほら!異能封じが解けてるわよ!!『炎龍心装・千斬!!!』」



 異能を封じられる時間は3秒弱.....でも誤差や切り札を考慮して5秒で想定しとくべきね......

 もしその3秒の間にこっちが攻撃を一発でも受けたら......


 粉々ね。人間だもの......


 流石の君主級......本来であれば、人が及ぶべき存在ではないわけだわ。

 こんなものを6歳で......朔月はやっぱりレベルが違う!!!



「ぐうぉぁぁぁぁぁぁ!!!ふざけるなぁぁぁぁ!!!もういい!もういいぞ!!!こちがなぶりごろス!」


「『炎龍心装・千炎戦禍!!』」



 斬撃を飛ばせば、いつか確実にその軌道を読まれる......

 ならば!!刃は飛ばさない!!設置する!!!膨大な熱量も同時に与えて......


 もちろん置く場所をミスすれば、生身になって私なら余波で溶けてしまう。

 なら......ミスをしなければいいのよ!簡単じゃない!!


 ......私は世界最強になるんだから!!!!






☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★


 どうもこんにちわ。G.なぎさです!

 第15話をここまで読んでくださりありがとうございます!


ついに千斬のラナの戦いが始まる??

訪れたのは君主級の大怪異シシオン......勝負の運命とは!?


 もし面白い、続きが気になる!と思った方は【応援】や【レビュー】をしてくれると.....超嬉しいです!!


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