シークレットスパイ~恋は甘い誘惑~

琥珀ツキ

第1話

梨子りこ愛羅あいらってさー、どっかの令嬢みたいじゃね?」


愛羅「令嬢…?この私がですか?」


私は守られる側じゃなくて、“守る側”なんだけどなぁ…。


琴音ことね「うんうん、そうだよ!

愛桜ちゃんに令嬢はぴったりだと思うな~!なんかね、おしとやかで上品な感じ!口調も敬語だから、令嬢感増し増しだねっ」


梨子「なに言ってんの(笑)にんにく増し増しだねっ、みたいなノリで言わないでよ」


愛羅「ふふっ。そう思っていただいて、とても光栄です。ですが、私には恐れ多いですので…。ご期待にお応えできず申し訳ないです…」


梨子&琴音「「そんなことない(よ)!」」


梨子「あたしらが勝手に妄想してるだけで、愛羅が気にすることはないからな!?」


琴音「りーちゃんのいつものおふざけみたいなもんだから!愛羅ちゃんは気にしないでっ!

もう、りーちゃんってば…。男気強くて女子力ないんだから、愛羅ちゃんみたいなザ·女子って感じの天使ちゃんを困らせないの!…愛羅ちゃん、何かあったら私に言ってねっ♪なんでもするし、相談にものるから!」


梨子「お前、愛羅をフォローしながらあたしをけなしてたな?」


琴音「あちゃーバレた?☆」


梨子「そりゃバレるわい、阿呆」


琴音「わぁ〜んっ、ひどーい!アホって言ったぁ!!愛羅ちゃ~ん、助けて!りーちゃんがいじめてくるよぉ~!」


愛羅「ふふ、微笑ましいですね」


梨子「つか、琴音って女子のこと好きすぎる変態の部類に染まってきてるよな~」


琴音「ムッ、わかってないなぁりーちゃんってば。

女子のことを好きになるのは変態とかそういうわけじゃないのだ!私は──……」


梨子「うへー、話長くなりそう…。ん?愛桜の弁当、すげー美味そう…!あたしのと比べもんにならないな…」


愛羅「梨子さん、何か食べますか?気になっているものがあれば言ってくださいね」


梨子「えっ、いいのか!?」


愛羅「ええ、もちろんです。友達ですから」


梨子「~~~~!!(言葉にならない叫び)

マジで神すぎん?ヤバ、あたしが男だったらぜってー愛桜に惚れてるわ…」


琴音「ダメだよ、りーちゃん!!」


愛羅&梨子「「え?」」


琴音「愛桜ちゃんを幸せにするのは…この私なの!!

絶対に愛桜ちゃんを彼女にして幸せにするっ!」


“ブーブー”


愛羅「……」


梨子「ん?どうした、愛羅。なにかあったのか?」


愛羅「ごめんなさい、二人とも。急用で司のところに行かなくてはいけなくなりまして…」


琴音「司…?誰その人!!

私を無視して他の男と…っ!?」


愛羅「違いますよ。私の双子の兄で、梨子さんと同じ1年B組の人です」


琴音「…あっ!蓮崎司はすざきつかさくんのことか!そういえばりーちゃんのクラスにいたね。そんなに他クラスの子知らなくて…。てか男子に興味ないんだよね」


梨子「ったく、琴音はもう少し女子じゃなくて男子のことも覚えてやれ。んで、愛羅。お前は謝る必要なんかねーの。だって愛羅が悪いわけじゃねーだろ?」


愛羅「…っ!!はい。ありがとうございます。では行ってきてもよろしいでしょうか?」


琴音「もちろん!」


梨子&琴音「「行ってら(っしゃ~い)」」



愛羅「あ、司!少し、よろしいですか?」


司「あk、じゃない、愛桜。…向こうで話するか?」


愛羅「ええ、そうしましょう」


モブ「お?何だ、何だぁ?

お姫様のお出迎えってとこか、ケッ!」


愛羅「あ"?おめーは黙っとけっつーの!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

シークレットスパイ~恋は甘い誘惑~ 琥珀ツキ @Kohaku_Tuki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ