シークレットスパイ~恋は甘い誘惑~

琥珀ツキ

第1話

愛桜あいらってどっかの令嬢みたいだよなっ!」

「令嬢…?この私がですか?」

私は守られる側ではなく“守る側”なんだけどな…。

「うんうん、そうだよ!

愛桜ちゃんに令嬢はぴったりだと思うな~!なんかね、おしとやかで上品な感じ!口調も敬語だから、令嬢感増し増しだねっ。」

「なに言ってんだ、お前。にんにく増し増しだねっ、みたいなノリで言うな。」

「ふふっ。そう思っていただいて、とても光栄です。ですが、私には恐れ多いですので…。ご期待にお応えできず申し訳ないです…。」

「「そんなことない(よ)!」」

「あたしらが勝手に妄想してるだけで、愛桜が気にすることはないからな!?」

「りーちゃんのいつものおふざけみたいなもんだから!愛桜ちゃんは気にしないでっ!

もう、りーちゃんってば…。男気強くて女子力ないんだから、愛桜ちゃんみたいなザ·女子って感じの天使ちゃんを困らせないの!…愛桜ちゃん、何かあったら私に言ってねっ♪なんでもするし、相談にものるから!」

「お前、愛桜をフォローしながらあたしをけなしてたな?」

「あちゃーバレた?☆」

「そりゃバレるわい、阿呆。」

「なっ、ひどーい!アホって言ったぁ!!愛桜ちゃ~ん、助けて!りーちゃんがいじめるよぉ~!」

「ふふ、微笑ましいです。」

「つか、琴音ことねって女子のこと好きすぎる変態の部類に染まってきてるよな~。」

「ムッ、わかってないなぁりーちゃんってば。

女子のことを好きになるのは変態とかそういうわけじゃないのだ!

私は──……」

「うへー、話長くなりそう…。ん?愛桜の弁当、すげー美味そう…!あたしのと比べもんになんねーなァ。」

梨子りこさん、何か食べますか?気になっているものがあれば言ってくださいね。」

「えっ、いいのか!?」

「ええ、もちろんです。友達ですから。」

「~~~~!!(言葉にならない叫び)

マジで神すぎん?ヤバ、あたしが男だったらぜってー愛桜に惚れてるわ…。」

「ダメだよ、りーちゃん!!」

「「え?」」

「愛桜ちゃんを幸せにするのは…、この私なの!!

絶対に愛桜ちゃんを彼女にして幸せにする…っ!」

“ブーブー”

「…。」

「ん?どうした、愛桜。なにかあったのか?」

「ごめんなさい、二人とも。急用で司のところに行かなくてはいけなくなりまして…。」

「司…?誰その人。私を無視して他の男と…っ!?」

「違いますよ。私の双子の兄で、梨子さんと同じ1年B組の人です。」

「…あっ!蓮崎司はすざきつかさくんのことか!そういえばりーちゃんのクラスにいたね。そんなに他クラスの子知らなくて…。つか男子に興味ないんだよね。」

「ったく、琴音はもう少し女子じゃなくて男子のことも覚えてやれ。んで、愛桜。お前は謝る必要なんかねーの。だって愛桜が悪いわけじゃねーだろ?」

「…っ!!はい。ありがとうございます。では行ってきてもよろしいでしょうか?」

「もちろん!」

「「行ってら(っしゃ~い)」」


「あ、司!少し、よろしいですか?」

「あk、じゃない、愛桜。…向こうで話するか?」

「お?何だ、何だぁ?

お姫様のお出迎えってとこか、ケッ!」

「あ"?おめーは黙っとけっつーの!」

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