第3話 新たな証言と証拠


六華りっか様、9時ですよ。そろそろ、起きてください」


まだ春の暖かさが残る季節の朝、聞き慣れた使用人の声が聞こえ、僕は目を覚ました。目が覚め、斜め右上を見ると使用人が僕の服を持ち、こちらを見ていた。


「ん、、、、ふぁぁ、、、、早崎はやざきか、おはよ」


「はい、おはようございます。朝ご飯のご準備は整って居ます。着替えてから、移動しましょう」


「ん、ありがとう。すぐ着替える」


そう言って早崎はやざきから、服を受け取って、着替えた。早崎はやざきは僕が8歳の頃から支えていて、頼りになるやつだ。年齢は確か、20歳ぐらいだと言っていた。そして、僕は持って行く荷物を取って、1階にある居間へと移動をした。


六華りっか様、今日の朝ご飯は、豚肉と蒟蒻たっぷり豚汁に、出汁香る出汁巻き卵、塩が効く鮭の塩焼き、きゅうりの浅漬けに海苔にご飯です」


「美味しそ、ありがと」

「あ、父さん達は?」


「旦那様は今日から1週間、アメリカ出張に、奥様は新たに出来る会社の視察、華菜かな様はお仕事に、華穂かほ様は大学、華夜かや様はご旅行に行きました」


「ん、OK、9時半までには家を出るから」


「はい、分かりました」

「では他の仕事に戻りますね」


そう言うと早崎はやざきは一礼をしてから、居間から出て行った。


「いただきます」


手を合わせてすぐに箸を取り、豚汁を口に含めば、豚肉の甘みとしつこくない出汁が口に広がり、豚肉と蒟蒻を口に入れれば蒟蒻のぷりぷりで良い食感と豚肉のあっさりとした甘味を感じた。


「(、、、、この3日間色んな事があった。恩師の邦宏くにひろ先生が死に、その事件の死亡推定時刻しぼうすいていじこくであろう時間に僕達は居た)」

「(その事もあり、刑事である直人なおと刑事、真斗まさと刑事と知り合って、事件の協力をし、横領事件、盗難事件に繋がっている事も分かった)」


この3日間あった事が頭を巡り、考え深く思いながら、朝ご飯を食べ進める。


「(七羽なのは達は、あの2人は無害、寧ろ頼りになる人だって言ってたから、頼りにはなるだろう)」

「(それにたった、2日間しか知り合った事はないけど、あの人達なら信頼出来る人だと感じた)」

「(もし、僕の理論が合っているのであれば、絶対許す事は出来ないし、馬鹿な大人って居るんだって再認識させられる)」

「(共犯がどっちかとか、どっちが殺した方なのかとか、難しいし考えたくもないぐらいだけど、犯人を突き止めて、邦宏くにひろ先生の無念を晴らしたい、その一心だけだし)」


何て、頭の中で色んな思念を巡らせ周りを音が聞こえないぐらい考え込みながらご飯を食べていると、何処からか声が聞こえて来た。


「、、り、、、ま!」

「!!、、、、!りっ、、、、さ、、、、!」


「?(誰かの声?、気のせいか)」


「、!六華りっか様!、、、、六華りっか様、聞こえてますか!?」


ビクッ

「、、、、早崎はやざき?、居たの?」


大きな声が聞こえ声の方向に目線をずらすと早崎はやざきの顔があった。


「、、、、5分前から居ましたよ、六華りっか様。そろそろ、9時半になりますので、ご準備を」


そう呆れ口調&呆れ顔で言う早崎はやざきの後ろにある時計を見ると6の数字に針が差し掛かっていた。それを見て、急いでご飯を食べようとしていたら、もうご飯はなかった。


「あれ、僕いつの間に食べ終わってた?」


「目線を一点集中してましたし、黙々とご飯を食べておりましたよ。何かお考え事でもしてましたか?」


「あ、うん、ごめん。ちょとした事、さ、ご飯も食べた事だし、そろそろ、行ってくる」


「分かりました。玄関まで荷物をお持ちします」


そう言うと椅子を後ろにずらし、僕が立ち上がった後、椅子を前にずらした後、鞄を持ちながら、扉を開け玄関まで僕の斜め左後ろに歩きながら、着いて来た。


「じゃ、少し遅くはなると思うけど、ま、家の事は今日も任せるね」


「はい、六華りっか様もお怪我なさらぬ様お気を付けて行って参りませ」


「ん、では行って来ます」


「行ってらっしゃいませ」


深々と礼をする早崎はやざきに手を振った後背を向けて、家を出て急足で学校へと向かった。


「(此処から学校までおよそ、20分だけど刑事さんの事だから、早めに着いてそうなんだよな)」


何て考えながら、走って校門が目に入ったら、案の定、刑事さんの顔があったので、僕はもっと早く走り刑事さんの元に駆け寄った。


「刑事さん!ハァハァ ハァ もう、来てたんですか?」


白雪しらゆき君、!息切れてるけど大丈夫?」


「だ、だいじょ ハァ ぶです」


「なら、良いけど、俺は真斗まさと青柳あおやなぎ君達と検証するために9時半に待ち合わせしてたから、それならって事で一緒にきたんだ」


「そうなんですか。なら、よかったです」


「落ち着いた?疲れてるなら少し休憩する?」


「大丈夫です!さ、早めに行動しないと、時間はあっという間に過ぎますよ!」

「行きましょう!」


「えっ、うん、分かった」


心配そうな顔で俺の顔を伺いながら言うので急いで安心させる言葉を言って、手を引き歩き始めた。歩き始めてすぐに直人なおと刑事が質問をして来た。


「その気になるんだが、会いたい人って言うのは、誰なんだ?」


「、ぁ、あぁ、複数人居ますが、まずは邦宏くにひろ先生のご自宅に、先生の奥様に会っておきたくて」


「どうしてだ?他の刑事がもう既に話を聞いていると思うが」


と言われてしまい、確かにそうだと思ってしまったが、ある仮説を立てた。それが本当なのであれば行く価値は何倍にも跳ね上がる事は間違いはない。そう思い歩きながら説明をする。


「いえ、多分ですが、先生は奥様に何かを託していると思うんです。僕達に向けて」


「!?それってどう言う」


「前に邦宏くにひろ先生は僕達の恩師だって言う話はしましたよね?」


「あぁ、していたね」


「先生は僕達にいつも優しく時には叱ってくれて本当のお爺ちゃんみたいな存在だったんです」

「先生自身も僕達の事を孫の様だっていっつも言ってくれていたんです」


「、、、、」


そう言うと刑事さんは真剣な顔で何言わず聞いてくれた。


「それで、先生言ってたんです。もし、僕が死んじゃったら、君達に渡したい物がある。もしかしたら、君達にしか出来ない事も含まれているかもしれない」

「って、言われたんです」


「、、、、もしかしたら、その中に新藤しんどうさんが殺されてしまった原因があるかもしれない、と?」


「確証はそんなにあるわけではないです。でも、行ってみる価値はあるんじゃないかなって?」


「、、、、、、、、、、、」


そう言うと途端に言葉を発しなくなった直人なおと刑事。そりゃそうだ。子供の戯言に付き合ってられるほど暇をしている訳がないよね。すぐに断るに決まっている。そう思って断ろうとした瞬間、


「行かないです 「俺も行く価値はあると思う」 へっ?」


「刑事の勘って言うのもあるし、白雪しらゆき君にとってそれが、勘だったら、行かない後悔より行って後悔だろ?」

「行ってその確証が本当になるのであれば、行った方が良いなって、思う」


「、、、、(泣)」


「君の意見を否定するんじゃなく、肯定する方が良い方向に向かうかな〜、なんて思えて、、、、!って、何で泣いて、!!」

「俺、何か変な事言った?」


真剣な顔で優しく、そして心に刺さり、邦宏くにひろ先生の様に否定をするんじゃなく、肯定をしてくれた大人が此処にも居たんだって思えたら、歩きながら静かに泣いていたらしい。


「、、、、すいません、その、久しぶりだったんです」

「家族や邦宏くにひろ先生以外にこうやって、否定だけをする様な大人じゃないんだって、何故か安心してしまったんです」


「、、、、そっか、ん〜、俺もだけど多分、真斗まさともこう言う言葉、言ったり反応すると思うよ」

「君が思うよりも、この世界は良い意味で色んな大人が居る。君の言う様な大人は圧倒的少数だからな」


「フハッ ありがとうございます。何か、直人なおと刑事と捜査一緒に出来て、とても嬉しいです」

「貴方となら、この事件ちゃんと解決出来そうです」


そう直人なおと刑事の顔をじっと見て言うと見る見るうちに一瞬で顔が真っ赤になったって手で顔を隠し始めた。


「、、、、、、、、//// 」


「ん?ニィ もしかしてですが、照れてます?」


「!!(図星) 、そのさ、こうやって褒められるのも子供時代ぶりだったから、結構嬉しかったし、そのこの事件絶対解決しような?」


「ですね!さ、此処が邦宏くにひろ先生のご自宅です!」


キュッと足を止めて、表札に指を差して見せる。


「、、、、デカくないか?」


「でしょうね、うちの学校って結構給料良いんですよね、」


「マジ?」


「はい、と言っても新卒から5年の間は仕事が忙し過ぎたりするんですよね」


「ふぅん、」


「じゃ、押しますね」


ピーンポーン


そう言うとインターホンを押せば、数秒たった後足跡が聞こえ、玄関扉が開いたのが分かった。


ガチャ


「、どちら様ですか?」


「あ、お昼前にすいません、私、旦那さん、新藤しんどう先生の生徒で、高等部の生徒会長の白雪六華しらゆきりっかって言います」


「俺は、今回の事件を調べさせて貰っている捜査一課の黄原直人きはらなおとって言います。事件の事を聞きたくて」


「、、、、あら、白雪しらゆき君に、刑事さんね、分かったわ、どうぞ上がって」


少し驚いた顔をそう言って、玄関から出て門扉を開けて、玄関の扉を開けて中に入れてくれた。僕達も遠慮がありながらも入った。


「居間に座って頂戴、リンゴジュースとお茶で良かったかしら?」


「はい、そのお構いなく、座らせてもらいます」


そう言って僕と直人なおと刑事はソファに座ると、隣の直人なおと刑事はリンゴジュースとお茶を持って来た奥さんに早速聞き始めた。


「それで何ですが、今回伺った理由と致しましては、その」

「旦那様、新藤しんどう先生が亡くなる前の日や亡くなる日、いつもと違う事などはなかったですかね?」


「そう言われても、他の刑事さんに言った通り、、、、あっ、でも確か、あの人「もし俺が亡くなった後、生徒会の生徒が来たら渡して欲しい物があるから、来たら渡してね」って、言ってましたね」


「えっ?」


「ちょと待って頂戴」


そう言ってすぐに立ち上がって、棚を開けて数分後何かを持って帰って来た。


「はい、この鍵とスマホを渡して欲しいって、」


私の前に置かれた鍵を見ると、学校の教員用ロッカーのそれも先生が使っていたロッカーと同じ鍵と同じ形だった。それにこのスマホ、先生が使っているスマホと違う。


「あの、これ暗証番号って?」


「夫は貴方達、生徒会の子達なら分かるって言ってましたよ」


白雪しらゆき君達、新藤しんどうさんに信頼されてるんだな笑」


「そうですね笑、ちょと恥ずかしいかも」

「あ、その先生は他に何か違う行動などしたりしませんでしたか?」


そう言うと深く考えだした後、何かを思い出したかと立ち上がって2階に上がったかと思えば、急いで色々持って来た。


「亡くなる2週間前ぐらいだったかしら、主人から図書館から何冊か何かの本を借りて来たのよ」


「その本とは?」


「色々メモしてあるノートを持って来たわ」


「見せて下さい」


直人なおと刑事がそう言ってノートを受け取り、中を見るとそこには、


「脅迫罪、恐喝・恐喝未遂罪、強要罪に法律、相続に借金とかの意味とかを書かれてらみたい、、、、あ、これ銀行のの住所が書かれてる」


「、、、、そこ、僕の家が運営してる銀行の支社だ」


「、、、、マジ?」


「はい、行きます?今からでも行けますし」


「ほんと君凄いね」


「お褒めに預かり、光栄です!」

「あ、僕達もう行きますね。今日もありがとうございました」


「絶対にこの事件を解決します」


そう立ち上がって一礼すると、奥さんは笑いながらこう言った。


「お願いします」

白雪しらゆき君、夫が言っていたんだけどね。「六華りっか達は天才が故に遠ざけられる、煙たがれる事も多いけど、それが六華りっか達の個性なんだよ」

「って、言ってたわ。良かったら、また来て頂戴」


「、、、、!はい!また、お邪魔させて貰います!」

「さ、行きましょう!」


そう言って直人なおと刑事の腕を掴み、先生の家を出て再び歩き始めた。


「まさか、中田英司なかたえいじさんがうちの銀行のお金借りてたなんてねぇ〜、」


「まさかね〜、、、、って、何でその人が借金してるって分かるの!?」


「えっ、、、、調べたから?」

「僕の情報網なめんといてね?」


「君の情報網どうなってんの?」

「にしても、白雪しらゆき君ってしっかりしてるね?俺が高校生の時はこんなんじゃなかったよ」


そう言われ、少し恥ずかしかったがある事が心に引っかかった。それは、


「あの、直人なおと刑事、そろそろ僕達の事、名前呼びにしてくれませんか?」


と言うと硬直したかの様に足を止まらせ、真顔になった。


「、、、、、、、、へっ?」

「名前呼び?」


「はい、僕達のルールって言うか、仲の良い人には下の名前呼びが基本なんですよ。だから、僕達も直人なおと刑事と真斗まさと刑事を名前呼びにしてるし、それにその苗字呼びは慣れないので、」

「それに、真斗まさと刑事には下の名前を呼んだりしてるし、ちょと良いな、何て思えちゃって、」


「、、、、、、、、」


と顔を晒して少し恥ずかしながら言うと、何も発しないので、顔を見ると何故か照れていた。


「//// ぁ〜、恥ずい」


「?ど、!?どうしましたか?」


「いや、その俺さ真斗まさとと妹弟以外、名前を呼ばないから、今頭の中で白雪しらゆき君達の事名前で呼ぶって考えていたら、めっちゃ恥ずかしくて」


「フッ フハッ なにそれ、僕達は別に恥ずかしくないですよ」

「嫌でなければって事で、、、、嫌ですか?」


そう上目遣いで言うとさらに顔を真っ赤にしてから、考え込んだ後、真剣な面持ちでこちらを見て声を出した。


六華りっか君で、良いかな?」


「、、、、!はい!よろしくです!直人なおと刑事!」


そう言ってまた、再び歩き出し、あのノートに書かれていた住所はやっぱり僕の家が経営している銀行だった。銀行支社前に着けば僕はスマホを取り出して、ある人に連絡をした。


「誰に電話を?」


「現れたら分かるだけですよ」


プルプルプル プルプルプル ピッ

『ぁ、もしもし、僕、白雪六華しらゆきりっかです。今、銀行の前に居るからさ、ちょと知りたい事があるから出て来れる?』


『〜〜〜〜、〜〜〜〜〜〜、〜〜〜〜〜』


『うん、後、中田英司なかたえいじって言う人知ってる?』


『〜〜〜〜〜、〜〜〜〜〜〜〜〜、』


『なら、諸々の書類も用意して』

『じゃ、また、待ってるから』


ピッ


「5分ぐらい待てば来るみたいなんで、少し待ちましょうか」


「ほんと、白ゆ、じゃなくて、六華りっか君の御実家はどうなってるの笑」


「さぁ?僕の家結構色々なところに顔効くみたいだし、父さん曰く政治にもとか?」


「、、、、ヤバくない?」


「まぁ、気にしない方が得ですよ」


何て会話をしていたら、銀行支社の中がザワザワし始めた。すると前からスーツを着た大人達が出て来た。


「ハァハァ お待たせしました。わたしく支社長の太田おおたと言います。六華りっか様とお連れ様も、どうぞ応接室をご用意させて貰って居ます」


「いえ、そんなに待って居ませんが、大丈夫ですよ」


「ではどうぞ、言われた書類なども現在用意して貰っているので」


「ん、じゃ行こっか」


「めっちゃ、見られてるんだけど」


「、、、、気のせいでしょ?」


そう言って中に入り、エレベーターに入った後、急いで用意されたであろう応接室に入って奥の2人用のソファに座り高級そうな紅茶が用意された。


「しばし、お待ちください。すぐに用意します」


「まだ、時間はあるんで安心してください」


「いえ、創業者様のご子息に何かすれば私達の首が飛びますので、」


何て深々と頭を下げた後、太田おおたさんは向かい側のソファに座った。紅茶を口に入れる前に甘めの香りが鼻に広がって口に入れればあっさりとして飲みやすい味が広がった。


「ん!この紅茶美味しい、どう?直人なおと刑、、事、!?ど、どうした!?」


ふと見ると紅茶を持ちながらカチャカチャと音を鳴らし、緊張しているのが目に見えて分かった。


「いや、そのこんな凄いところ、中々入れないしこんな高級な紅茶とかお菓子とか飲んだ事も食べた事もないし、てか六華りっか君は大丈夫なの?」


「ん〜、慣れですかね?こう言う事は結構色々行ったりしてるから」


「凄いなぁ」


コンコン


何て雑談をしていたら、ドアが叩かれた。


「はーい、入ってください」


ガチャ


「失礼します。六華りっか様、言われた通り用意された、書類などを持って来ました」


「ん、ありがとうございます」


社員の人、複数人が書類を僕達の前に置き、再び外に出た。


「この書類って?」


中田英司なかたえいじの利用履歴。中田なかたさんは、うちの銀行の顧客兼借金滞納者の1人」

「と言っても元々、中田なかたさんの借金ではなく、中田なかたさんのご両親の借金、小さな会社を経営してたらしいけど、体調を崩したりなどでうちでお金を借りたりしてたけど、6年前に亡くなった事で、長男でなる中田なかたさんが借金の支払いをしてるんだ」

「ですよね?支社長?」


「はい、そうです」


「そうなんだって、どこで調べたの?」


「、、、、企業秘密、て言うか職員の内部調査とか普通にお祖父ちゃんがやったりしてるんで!」


「お祖父ちゃん?」


「僕達が通う学校の理事長してます」


「マジ?」


「マジマジ、ま、その事知ったのも、この前なんですけどね」


そう言って資料の一部を持って目を通して、気になったことを聞いてみたい。


「ぁ、ここ数年、中田なかたさんのお金の動きに変な事とかなかった?」


「いえ、特にはないと思います。月々しっかりお支払いを受けていましたし」


「そう、なら良いけど」

「あ、こっちもちゃんと用意してたんだ」


「はい、急遽他の支部から送って貰いました」


「ありがとね」


「この資料は?」


そう不思議そうな顔で見てくるので、資料を開いて説明する。


「現在うちの学校に勤めている高等部、中等部の教員、事務員達の現在の通帳の中身が書かれている書類」


「、、、、、、、、?何でこれをお調べに?」


「1つは此処5年の間に何か不審なお金の入金などはなかったかとか、どの時期にそー言うのが多かったのかって言うのを知りたくてね」


「そうなんだ。にしても一から用意するなんて流石、でも、個人情報保護法とかあるし大丈夫なの?」


「大丈夫、大丈夫、うちの学校セキュリティ高いし、それに見られて困る物があるんだったらうちの銀行に口座開設しないだけの話だし」


「凄いな、俺もそう言うところは六華りっか君を見習わなきゃだな」


「そう言うところってどう言うところ?ま、良いや」

「では、気になるところがあれば、随時報告と言う事で、開始!」


そう言って書類の整理や書類に気になるところなどを目に通し、保存。犯人の一部を探す為の作業を急いで始めた。一点集中で頑張った。




***











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

天災で天才な君達との事件ノート。 橋本衣 @yuitakahasi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ