ヨナのあのエピソード?

天川裕司

ヨナのあのエピソード?

タイトル:ヨナのあのエピソード?


外国の地に、ある男がいた。

その男は病におかされていた。

それをどうしても治したいと思い、薬を探し求めた。


その薬が或る場所にあると聞いた。

男は心の中で手を叩いて喜び、一目散にその場所へ向かった。

まだ体が動けるうちに、自分で自分の病気を治すため

その目的地へ歩いていける。

なんと素晴らしい喜びだろう。

男は折りに触れてそう思っていた。


その目的地へは船で行かねばならぬ。

男はある日、出立の準備をし、目的地へ向かおうとした。

港に着いたとき、或る人が男に近づいてきて、

「ここへ行きなさい。そこで主(しゅ)からあなたに託される仕事が待っています」

と伝えた。

その人が指示した場所は、男の目的地とは正反対。

だいたい両カ所とも、男が住んでいるその地方から

100キロ余りのところにあり、

そんな正反対の場所へ行っていては

自分が病で先にどうにかなっちまうんじゃないのか!

と膨大な不安と恐怖に駆られる。


男は人間であり、自分のことを考える。

当たり前に考えて、その人が指示した場所には行かなかった。

そして最初の予定通り、その目的地へ向かうため船に乗った。


その男が居た場所は、各自の主義・信仰で満ち溢れる場所だった。

大抵の人々の口癖は、良いことに巡り会った時、

「日ごろの行いが良いからだ」と言うもの。

逆の時は逆のことを言う。


そして男が乗り込んだその船は、猛烈な嵐に遭った。

「た、助けてくれええ!」

それまで守って来ていた人々の間の常識を打ち破り、

本能がそう叫ばざるを得ないほど、猛烈な嵐だった。


そして船が沈みそうになったとき、

ほぼ最後の荷物を海に沈めた彼らは、ある程度の覚悟を決めて、

「神様が、この嵐を我々に遭わせられたのか…?」

と普段考えないような事を考えるようになっていた。

それだけ追い詰められていたのだろう。


そこで男も覚悟を決めて、

自分がこの船に乗るまでのいきさつを皆に話した。

「お前はなんという事をしてくれたのだ!」

そこの人たちはそれでも信仰に厚く、

それが人のものでも真実のものでも変わる事なく、

ただ男を責める心を片隅に置いた。


そして船を少しでも軽くしようとするための

荷物を本当に全部海に捨て尽したとき、

男は彼らに体を持ち上げられ、海に放り投げられた。

すると嵐はやんだ。


男の運命はそこで決まったのか、と思いきや、

クジラに飲まれてそのまま生かされており、

3日ほど掛けて陸まで運ばれた後、

クジラは男を陸地に吐き出した。

男はそこで気がつく。


この3日間という時間をそのとき男は知らない。

でも船でのいきさつは全部覚えており、

海に放り込まれた事もはっきり覚えていた。

「どうやって助かったんだ…?」

この疑問がまず浮かぶ。


そして辺りを見回すと、

そこは初めにあの人に指示された、

本来の目的地から正反対のその場所。


そこで男は主(しゅ)の働きにつき、

後世の人々にその信仰が伝えられる

使徒と成ったのである。


そしてその働きの間、

病に不安がり、怖がり、苦しむ事は1度もなかった。

神様が、その男を鉄壁に守られたのである。


そしてあとづてで

「自分が大きな魚に飲まれていた事」を知った時、

病を治そうとしていた自分の心と神様の御心とを、

どちらが膨大に大きなものか、

という事を考え始めた。

この事も、その男の記録に残されている。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=RWFKqFwD4Gw

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ヨナのあのエピソード? 天川裕司 @tenkawayuji

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