いなくなっても安心
天川裕司
いなくなっても安心
タイトル:いなくなっても安心
ある日、妻がどこかへ消えた。
まさか他の男と…!?
そんな不埒な事を考える自分の醜さも覚えつつ、
とにかく妻を探し回る。
でもいない。
心当たりのある場所を全部探し回った。でもいない。
当然、警察に連絡し、身内や周りの人達にも連絡をして、
みんな総出で探し回った。でも本当に一向に見つからない。
「雲隠れにでもあったのか…?」
時間が経てば経つほど、不思議なことを思うようになる。
「きっと見つかるから安心して!」
周りの人は俺を励ます。
でもいない。いないことが不安と恐怖に変わり始める。
よく考えてみれば、妻は浮気をするようなヤツじゃない。
毎週日曜日には教会へ通っており、事の善悪を知っているヤツ。
俺の方がまだ不信仰なほどだった。
「どこへ行ったんだよ、どこ行っまったんだよ!」
ある夜、猛烈な不安と恐怖と悲しみに駆られ、
俺は寝ることもできず泣き続けていた。
するとぼんやり、目の前の空間が光り始めた。
「え…?」
ちょっとした恐怖を味わう間もなく、
妻「やあっと出てこられたわ!」
「お、おまえ!?」
妻「心配しなくていいよ。急にあなたの前からいなくなっちゃったのはごめんなさい。でも私…」
そう言いながら指で上を指した。
妻「そこにいるからずっとあなたと一緒」
天国の事?…直感でそう信じられた。
妻はぼんやり俺の横にいてくれる。
ゆっくり俺は上を見上げる。
聖書にある、エノクのことを思い出していた。
「神様が取られたからその人はいなくなった」
死んだとは一言も書かれていない。
でも常識だけの人間にはそう見えるものなのか。
エノクももしかすると、こんな感じであの時…
信仰と常識とがその時、一致したような気がした。
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=5ZFAD24dSrg
いなくなっても安心 天川裕司 @tenkawayuji
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