スカート派?ズボン派?
ちょっと不本意であるが、ノアとお出掛けをすることとなった。
ちなみに断じてデートではない。
もし、デートだなんて思ってしまったら、恥ずかしすぎて生きていけないかもしれない。
だから、ただのお出掛けである。
このお出掛けでもひと悶着あり、レティシアもお出掛けしたいとごねたのだ。
自分のが先にお出掛けするんだ、と。
結局、予定が合わず先送りになったのだ。
「いい天気だね」
「そうですね……」
「一つ聞いてもいい?」
「?」
「何で微妙に離れてるの?」
私とノアの間は人が一人入れるか入れないかぐらい離れている。
「なんとなく?」
「なんとなくならもうちょっと寄ってもよくない?」
「それはやです」
街を歩きながらくだらない話をしている。
「で、今日はどこへ?」
「どこ行きたい?」
「どこに行きたいかわかるほど、私は詳しくないのですが?」
「じゃあ、僕の行きたいところでいい?」
と、連れてこられたところは見覚えのある服屋である。
「こんにちは~」
「いらっしゃいませ、こんにちは~。あら、ノアじゃない!それに子ウサギちゃんも一緒ね」
うわっ。子ウサギちゃんとかないわ。
「どうも」
引きぎみに答えると苦笑いしながら、ノアが紹介してくれる。
「アイナちゃんだよ。この間注文した服、出来てる?」
「もちろんよ。他に何か入り用かしら?」
「んー、ワンピースとかある?」
「こっちよ」
私が入る事なく話が進んでいく。
「うわー!可愛い。この服、似合いそうじゃない?」
ノアが真っ赤なワンピースを持ってくる。
「却下」
「なんで?」
「赤は認めない」
「じゃあこっちはどう?」
おネエな店員が勧めてくるのは、スカートにスリットの入ったヒラッヒラのワンピースを持ってくる。
「却下!!」
何がしたいんだ。何を期待しているんだ!
「「えー」」
それからも提案されるのは、フリフリヒラヒラや目が覚めるような色あいのものばかり。
ことごとく却下し続ける。
「ん?」
却下し続けることに飽きてきて店内を見渡すと、子供用の服も置かれていることに気付く。
ハーフズボンが置かれているところを見ながら、制服の案を話していたときの話を思い出す。
私は基本、制服のスカートのしたにハーフパンツ(ハーパン)を履いていた。体育の授業がある日は、セーラー服の下に、体操服も着ていた。
まあ、周りもそうだったからな。「私、意識高い系だから」っていうのをアピールしたい子はこの限りではなかったけど。
スカートの下にはズボンを履く習慣が抜けない私は、スカート下にはくズボンをつくってもらったぐらいだ。
便利だよね。スカートめくれても安心だし。
たまにはスカートじゃなくて、ズボンをはきたいな~。
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