妖怪認定、再び
「とりあえずご飯食べよっ。今の時間なら食堂、人いないと思うし、ご飯食べに行こう!!」
宣言しながらノアに引っ張られる。
え、行くの?と思いながら、振り返れば送り出されてしまう。
とりあえず、フードをかぶってノアと歩いていく。
私に合わせてかゆっくりと移動していく。
「アイナちゃんってさぁ、真面目だよね」
「?」
「普段の様子を見てればそう思うし、普通昨日の今日だったら、休んでも文句なんて誰も言わないよ。」
そんなもんか?
もしそうだとしても無断じゃダメだろ。
話している間に食堂につく。
中はテレビで見たような大学の食堂のようなイメージだ。机と椅子がたくさん。広い。今の時間、数えるほどしか利用者はいない。
カウンターがあり、むこう側には人が動く気配がする。
「こんにちわー」
ノアが声をかけると奥から恰幅のよいおばさんが出てくる。
「あら、ノアじゃない。どうしたの?」
「ちょっと早めのお昼ご飯。いや、朝御飯兼お昼ご飯かな?」
「ちゃんと食べなきゃだめよ!」
「あー、俺じゃなくて」
ノアが一歩横にずれる。
「この子がね」
「はじめまして、愛奈です」
ぺこり。とりあえず、挨拶はしないとだよな。
フードをかぶったままだと失礼だと思い、フードを取って挨拶する。
一瞬おばさんの動きが止まるがすぐ挨拶を返してくれる。
「あらあら、はじめまして。すぐ何か作りますからね。ねぇ!ナルー、ちょっといい?」
奥に呼び掛けるおばさん。奥から厳ついおじさんが出てきた。この人がナルさんかな。
「おぅ。どうした?おや、おちびさん」
「はじめまして、愛奈です」
「よろしくな。で、どうした?」
「ご飯食べに来たんですよ」
「ご注文は?」
「軽いもので、何かありますか?」
挨拶以外私蚊帳の外で話が進む。
ここでガッツリ食べたら調子は悪くなりそうだからいいけど。
「ん?おちびさんは、アレンの所の子か?」
「そうだよー。でもなんで?」
「いや、ここ最近何時も少なめ持ちかえりしてただろ」
あぁ、そういうこと。
そうそう、最初は少なめでもちょっと量が多かったけど、最近適量になったんだよ。
ありがとうございます。これからもよろしく。
「あんな少なくて大丈夫なの?もっと食べなきゃ大きくなれないわよ」
「まぁ、ここに来るやつは、よく食べるのが多いからなぁ」
「え、何々?座敷わらしがでたの?」
会話の間に、奥からもう一人髪の毛ツンツンの頭の悪そうなのが失礼なことを言いつつ出てきた。
「マル!失礼なことを言うんじゃない!!」
「だって、誰も見たことなくて、少なめご飯なんて、お供えだと思うっしょ?ちょっと前にそういう噂もあったし」
頭の悪そうな少年がこちらを見て、すぐにバツの悪そうな顔をする。
「お前はスッこんでろ!!あっ、じゃぁソラに新しいレシピを授けたのは?」
マルにげんこつを落としながら、おじさんが尋ねてくる。
焼き肉丼とチャーハン、クッパと雑炊の作り方なら教えたよ。
「俺にもなにか教えてくれ!!」
ガバリと手を取られてお願いされる。
いきなり近づかれると怖い。
「ソラがやけに嬉しそうに自慢してくるんだよ。頼む!!」
別にいいけど、ご飯を頂戴。
せめて最初の目的を達成させて!
アレンに何言われるか分かんないんだから!!
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