赤ずきんは辞退します
おまけには、四枚目の案のジャケットの裾の長さが違うものが描かれていた。
先程のはスカートの半分ぐらいの長さだったが、これはスカートより長いものだった。
スカートは膝丈である。
ちなみにセーラー服のスカートは、膝下だった。何故かというと入学するときに「身長、伸びるよね」と長めで買ったのに身長が伸びなかっただけの話である。
短いジャケットの方だった場合、フードつきローブみたいな上着の提案がされている。
長いものの場合は、何故か一枚目に出てきた赤ずきん。
あとは、ベルトみたいな感じのもので、ちょっとしたポーチを着けておける小物や日常的に使うショルダーバックの提案も描かれていた。
「大々、そんな感じよ。これぞ、御仕着せでしょう。」
いや、違うのが入っているぞ?
「補足説明してもいいかしら?」
いる?補足説明。
レティシアが説明をしたいオーラバンバンでこちらを見ている。
したがない。
あと、アレンとリアムもデザイン案を見たそうにしているため、さっきまで食べていたご飯の食器を端に片付け、机に紙をならべる。
そして二枚目の案の書かれた紙をひっくり返す。
「あら、その案はダメなの?」
「ダメです」
「可愛いのに……」
「いったいどんな案なんです?」
「ドレス」
「公の場に出るときにも便利よ?」
その予定は御座いません。
やはり、アレンが頭を抱えている。
偏頭痛ですか。お大事に。
「むぅ。まあ、いいわ。全体的に色はイメージだから、変更可能よ。一つ目のワンピースも薄いクリーム色にしたことで、裾のラインが分かりやすいようにしているわ。襟つきの方が公式の時に役立つだろうし、首回りの保護も出来るからね」
では何故、あんなに首もとの開いたドレスを提案したんだ。
「フードつきの上着は、首もとをゆったりにして、留め具はクルミボタンを使ってお洒落を演出しているの。フードつきの理由は、防寒対策したり、髪を隠したりするのに便利よね」
この国には、とりあえず四季というものが存在している。
はっきりとした春と秋はないが、夏は暑いし、冬は雪が降るのだ。
夏は蒸し暑く、雪のあまり降らない地域出身の私としては、防寒対策は大切である。
しかし、
「何故ポンチョが赤色?」
「可愛いから」
却下ー!!目立つだろうが。
もうちょっと落ち着いた色にしようよ。
返事に対して冷たい目で見返してしまう。
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