異文化交流
出来上がった折り紙郡を眺めているとやはり、
「白い」
そう、裏紙で作っているため、全体的に出来上がりが白いのだ。
ちょっと裏面である文字の書かれたところが見えるところもあるが、基本的に真っ白である。
「白くちゃダメなんですか?」
「折り紙は折り紙で作るものなのです」
「なんですか?それ」
「なぞなぞっすか?」
「折り紙という専用の紙があります。基本は15㎝×15㎝の正方形。いろんな色があって……裏は白色なんです。色の面がキラキラだったり、両面色に色がついていたりするのもあります」
「へー」
「つまり、同じものでも色違いが出来るということですね」
そうそう、千羽鶴とかをグラデーションにすると綺麗なんだよね。
「なかなか興味深いですね」
「平面から立体になるのがすごいね」
上二人は、色つきの専用の紙や技術に関心を示している。
ウォルターとリアムは、
「これ、なんでしたっけ?」
「俺、わかる。ツルっすよね?」
首肯。
「ツルとは、どんな鳥なのですか?」
え、鶴の説明?難しいな……
「水辺に住む鳥で、私のいた国では有名な鳥です。あと、千羽鶴って言ってこの鳥の折り紙を千個つくって病気平癒を祈ったりします」
「「へー。」」
「じゃぁ、こっちは?」
「手裏剣?」
手裏剣の説明もすんの?えーと。
「手裏剣は、私の国に昔いたとされる忍者と呼ばれる、隠密集団?が使っていた武器?暗器?です。忍者は、黒ずくめで情報収集をしたり、暗殺をしたり、まぁいろいろやっていたとされる人たちの総称です。」
「そういった人たちは、もういないんですか?」
「いないですね。アトラクションとしてはいますけど。」
外国人に日本の文化を説明するのが難しいとされる理由が分かる。
自分が深く理解していないことを知識のまったくない人に説明するのって大変だ。
「このカミヒコーキって言うのは?」
「……まず、飛行機と言う空を飛ぶ乗り物があるんです。」
「「「空を飛ぶ乗り物 (ですか)(っすか)?」」」
「そう言う乗り物があるんです。それを紙で作っているので、『紙飛行機』です!!」
よし、言いきった!!質問は受け付けません!!!
そして、言葉で説明するより見てもらったほうのが早いな。
机に置いていた紙飛行機を手に取り、天井に向かって飛ばしてみる。
「飛んでる!!」
「紙ですよね?」
「舞ってる、とか落ちてるとかじゃなくてほんとに飛んでるっす!!」
ちゃんと飛んで良かった!これでシュン、ポトンだったら恥ずかしすぎる。
「俺もやってみたいっす!!」
「えー、僕もやりたい!!貸して、貸して!!!!」
子どもかっ!!
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