第25話 『フィガロの結婚』関連(03)


「フィガロの結婚」におけるフィガロの秘密の出生(後編)

## III. フィガロの出生の秘密


- オペラ内で秘密が明かされる時期…フィガロの出生の秘密が明かされるのは、第3幕の裁判のシーンです。このシーンで、フィガロが実はマルチェリーナの息子であることが判明します。この発見により、フィガロとマルチェリーナの間にあった結婚の契約が無効となり、フィガロとスザンナの結婚が進展します。


このシーンでの見ものは、「自分は勝った」と思い込んでいた伯爵が、面目丸つぶれになるところでしょう。ドラマチックな要素も含めて、創作の参考になるところです。


- 秘密の詳細……

- **背景**: フィガロは幼い頃に盗賊にさらわれ、その後は孤児として育てられました。

- **裁判のシーン**: マルチェリーナがフィガロに対して結婚を迫る裁判の中で、フィガロの出生証明書が発見され、彼がマルチェリーナの息子であることが明らかになります。

- **再会**: この発見により、フィガロとマルチェリーナは親子として再会し、バルトロもフィガロの父親であることが確認されます。


この秘密の暴露について、「赤ん坊の時に盗まれた」とフィガロは主張、生まれが貴族である証拠として、右腕の入れ墨をみんなに見せるんですが、


「マルチェリーナは赤ん坊に入れ墨をしたんかい!」


どんだけ幼児虐待な両親なんだろう。


しかし、このシーンのおかげで、物語にコメディとドラマの要素が融合したのも確かです。おまけにただの使用人が貴族だったという演出により、当時の社会制度への批判もやってのけているわけです。


よく考えると矛盾だらけの作品なんですが、さすが名作の誉れ高い作品。緊張と緩和の落差がはんぱないです。すっかり魅了されてしまいました。


この歌劇は、恋愛がテーマなのですが、フィガロの出生の秘密が効いていて深いお話になっています。


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