第18話 広島:その地域性について


2024年8月19日の百歳体操のテーマは、地域性について。


リーダーは、8月6日にたまたま、東京でNHKの番組を見ていたときのことを話し始めました。


「東京に住んでいた方は、この中におられますか?」とリーダーが会を見回しながら問いかけました。


会員たちはお互いの顔を見合わせました。ほとんどの人たちは広島の地元から出た経験がないようです。


リーダーは続けて、「僕は今年、東京で8月6日の記念式典をテレビで見たんだけどね。どうも東京は、広島よりずっと冷たい感じがする」と言いました。


参加者たちはその言葉の意味を考えながら、首をかしげました。


「どういうこと?」と誰かがつぶやき、その場の雰囲気はさらに深くなりました。リーダーの言葉は、地域によって感じ方や受け取り方が違うことを示唆しているようでした。


「被爆者への報道が、少々、割愛されすぎていると思う。東京のNHKは、広島の放送より式典の放送が短かったし、被害に対してはまったく報道していない」


それは、広島の温かさと東京の冷たさ、その違いについて考えさせられる瞬間でした。


「ぼくの娘は、資料館の人形を見て、胸が悪くなったって言ってた。おれも広島に来るまでは、ほとんど知らないことだらけだった」


リーダーが生粋の広島人じゃなかったとは、知らなかった。彼の話を聞いて、広島についてもっと知りたくなりました。


「せっかく広島から岸田文雄が総理になったのに、退陣してしまうのは残念だよ。もっと大勢の人に、この被爆の事実を知ってもらいたい」

リーダーは熱意を込めてそう言い切りました。彼の言葉には、広島の歴史や現状についての深い思いが感じられました。


わたしの故郷は三重県伊勢市ですが、鳥羽の高校では広島・山口への修学旅行がありました。その時に訪れた場所や学んだことは、今でも鮮明に覚えています。しかし伊勢でも、NHKの記念式典は、毎年、広島ほど力が入っていませんでした。


地域によって、報道内容が変わるんですね。アメリカに忖度してるんでしょうか。そう考えると、情報の伝わり方にも偏りがあるのかもしれません。

 被爆者なんかどうでもいいと言ってはばからない人もいます。世の中は、いろんな人がいるものです。

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