第85話
グレンとスロウスの二人は訓練は終わった。
あとはミリア、ミリム、ラムザだが、三人とも順調にスキルツリーが伸びている。
「私も収納が欲しいです」
と言ってきたのはミリアだった。
「んー、ポイントを結構使うぞ?まだ治癒師のスキルも中途半端だろ?」
「うー、そうですけど」
「まぁ、もう少し待ってからでも遅くないと思うぞ?」
「分かりました」
取らせてやりたいが俺みたいにスキルツリーをいじれるわけでもポイントを多く取れるわけでもないからな。
それにまだなんのスキルが三人にあるのかもわからないからな。
16になって教会にいかなければ自分の固有スキルはわからない。俺も16でスキルツリーだった時は愕然としたからな。
「グレンは教会には行ったのか?」
「行ってない。子供の頃から奴隷だったからな」
「なら行くか!ミリム達もついでに行ってみよう。もしかしたら年は関係ないかもしれないからな」
教会に足を運びお布施を払って女神像の前で祈る。
グレンは『聖闘士』というジョブだった。
『闘拳士』と『治癒師』の先のジョブだ。
そして、やはり年は関係ないようでミリアは『状態異常無効』ミリムは『蘇生魔法』と、鑑定した通りのスキルだった。
「当たりだね!」
「ね!でもまだ使えないしね?」
「それよりラムザは?」
「ラムザは経験値二倍だな」
「チートじゃないですか!」
「そうだな、まぁ、努力家だからちょうどいいだろ」
ラムザはポイントが倍になるスキルだったのでこれから化けるな。
スロウスは変わらず『テイマー』だったので少し落ち込んでいたが、それでも数は少ない『テイマー』だからな。
そしてこの5人パーティーで動く時は『レイン』というパーティー名になった。名付けはまた俺だ。
今はスロウスとグレンは俺たちと共にダンジョンに潜っている。
この前、外に出てグラスウルフとゲイルベアをテイムしたスロウスはゲイルベアの上に乗りハニービーとグラスウルフを操っている。
グレンは『聖闘士』になったので回復も使えるようになり、戦闘の幅が広がっている。
「スロウス!そっちに行ったぞ」
「わわっ!ハニービー!」
「とに!抜かれると弱いな」
ビッグラットに抜かれて無防備なスロウスに来たのだが、対応出来なかったので俺が斬った。
「また外に行くか?」
「うん、そうだね。テイムしたのが少なすぎる」
「お前自体は戦えないのか?」
「え?まぁ、戦えるかな?でもケガするのはいやだよ」
スロウスのスキルツリーを見るとやはり人間もテイムでき、それで『再生』も持っているが使ってないようだな。まぁ俺らの仲間なんだから使うわけないが。
あとは魔法も多少は使えるのでいざという時扱えるように訓練しとかないとな。
「よし、ダンジョンが終わったらギルドの討伐依頼でもみるか」
「うん、でも僕はもう眠いよ」
「ほら、がんばれよ」
「スロウス、来たぞ?」
ゴブリン達が迫ってきている。
「うー、ハニービー!行って!」
ゲイルベアを動かせばいいだけなんだがな。
どうしても乗っておきたいみたいだな。
ダンジョンから出るとギルドに寄る。
「あ、ルシエさん、来てくれたんですか?」
「あぁ、ダンジョン素材を売りにな」
「ぶー、そこは迎えに来たよでいいんですけど」
ミリムは頬を膨らませる。
「あぁ、迎えに来た」
「そうです。ありがとうございます」
うむ、めんどくさいな。
「どうだ?訓練は順調か?」
「はい!私もスキルが生えましたし、ようやく着いていけるようになりましたよ」
「それはいいことだ。あと残り二週間も頑張れ」
「はい」
「で?他の二人は?」
ラムザとミリアが見当たらない。
「あー、二人は自主練です」
「ほう、ミリムはいいのか?」
「私はー…今日は疲れたのでパスです」
「まぁ、そんな日があってもいいな」
「はい!」
ミリムをつれてハウスに帰る。
ミリアとラムザは気が済んだら帰ってくるだろう。
ようやく訓練も休みの日になり、スロウスとミリア、ミリムやラムザもついてくる。みんなで街の外に出ると、
「よっし!ポイント稼ぐぞ!」
「僕はテイムしないといけないからね?」
「早い者勝ちだよ?」
「んー、出来ればおっきいのが良いな」
二人ともやる気は十分だな。
東の森に入っていく、探索に引っかかるのはシーフモンキーやラウドゴリラ、ホーンビートルなどだ。
瀕死になったラウドゴリラを『テイム」して回復する。
「よし!まず一体目」
「あー、倒しきれなかった!『テイム』早いよ」
「僕の戦力だからね!」
「じゃー、二手に分かれるか」
「うん!ラムザ、ミリム!手伝って!」
「分かった!」
と二人を連れて森の奥に行くのでラビオンがついていく。
スロウスは順調にモンスターを『テイム』していき、スラッシュテイル、ゲイルコンドルなど仲間にしていく。
「だいぶ集まったんじゃないか?」
「うん!あとはマッドモンキーとかあればいいんだけどね」
「まぁ、ここにはいないな」
泊まりの奥の方に行くと、ミリア達がジェットライノスに苦戦していた。
ラビオンは見ているだけだな。
「『テイム』」
「あ!こら!スロウス君ずるいよ!」
「あはは、ごめん、手伝うから許してよ」
中層で出てこなかったモンスターを『テイム』出来て嬉しそうなスロウスにみんな呆れているな。
結局は2体のビルドタイガーにファングウルフ、などそれなりにモンスターを倒せるようになっているな。
「良かった、僕もこれだけいれば戦えるね」
四人とも上手くいったと納得していた。やはり見ないうちに成長していた。
「よくやったな、二人とも」
「えへへ、私もレベル上がったし!ラムザも剣技を使えるようになったってさ」
成長著しい四人はまだまだこれからだな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます