第20話

そのガキは、僕の背中に股がり馬乗りになって、僕の尻に棒を振り落とした。

「痛い?お兄ちゃん?」

「うん、痛い痛い」と言ってやった。腹の中では笑っていたが……痛い分けないだろう馬鹿が!この尻の皮は、鍛えられているんだから、チビの鞭が効くわけないだろうが!

もう、恥ずかしさも消えていた。好きにしろってな感じでいた。

その時、突然の痛みが僕を襲った!「うわぁ~~いっ!うっ痛っ~たぁ!」

なんなんだ?今の!?

「ごめんなさい、びっくりした?前にもね、この短いので1回ペンしてみたの」と、屈託の無い顔で言いのけるガキに、僕は無抵抗だった。逆らえるわけがないんだから……

「よし!前にしよっ」

「お兄ちゃん、お尻は失敗だね、痛くないよね。前にペンペンだね」

な、何が失敗だって! このクソガキ!!!

そして、僕は、 みじめな姿で 何度も何度も 大声を張り上げることになった。 途中からはケイトに口をテープで 貼り付けられ、声も出せなくなった。皆さんに迷惑だからと大声で泣くことを禁じられた。

そして、翔大が父親に「帰るぞ」と言われるまで、ケイトは翔大を 止めることはしなかった。



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