第11話

「ギャァ~~ッ」

「ヤァ~!アァ~ッ!!!」

「ウゥーーー」

隣の部屋からの声が鳴り響く

夏場は、窓が開いているから何でも聞こえてくる。

「姿勢が悪いっ!なんだ!いつまでも馬鹿のままかぁ!早く解け!」

「昨日教えたのに、覚えてないのか!」

「覚えたよっ、けど忘れた」


「そんなガキには、これが効くだろう」

「こっちに来い!」

「や、や、や、いーっ」

「いたぁ~っ ぅわぁ~ぁ ヤダヤダヤダヤダヤダ!」

「ほら!ケツを出せ!」

「恥を知れっ!」

「ヤダってば!ヤァヤァヤァ」

赤の部屋からの怒鳴り声と、子供達の泣き声が聞こえる。

赤の部屋には、勉強をしない子供や

頭の悪い子供が入っている。

ケイトより体のでかい室長だから、声まで大きい。


「そろそろトレーニングの時間だな」その声で僕らは一斉に部屋から出た。

あぁ~勉強してる方が楽そうだなぁ……と思っていたら

「9番、赤部屋の子供らは皆、お前と同じ4年だ。気になるか?」

「すみません室長!気になりませんっ!」

「じゃあ、早く歩け」と股間を蹴飛ばされた。

「ギャァアッ…アッ!イッ」痛さのあまり飛び上がった。

ケイトはニヤニヤしながら僕のすぐ後ろを歩き、

「油断するなよ9番」と、ぼそりと言った。

くそっ!くそっ!くそっ!と涙をこらえ僕は歩いた。

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