第2話 手作りお菓子をおやつに出した。

 キッチンから昨日、作っておいた手作りのお菓子を持ってきてソファーの前に置いてあるテーブルにお菓子と紅茶を置いた。すると嬉しそうにパクパクと美味しそうに食べて直ぐに完食をしまった。


「あれーお腹すいてる?」


 お菓子を手に持ちニコニコした表情から、我に返り恥ずかしそうに頬を赤くして動きが止まってしまった。


「……べ、べつにーお姉ちゃんが出してくれたんだし……残したら失礼でしょ……ただそれだけ……だよ」

「じゃあ……私が作った夕食を出したら食べる?」

「え!?あ、えっと……どうしてもって言うなら……食べても良いよ……」


 わぁっ。その反応可愛いよねー。それに……お風呂に入ってサラサラの黒髪で、顔の汚れも取れて見違える程に可愛くなっていた。


 夕食を出すと、同じようにパクパクと美味しそうに食べ終わった。


「落ち着いた?」

「ご、ごちそうさまでしたっ」

「わぁ。偉いねー。ちゃんと言えるんだね」

「……子供じゃないし。言えるよ……」

「そういえば名前も歳も聞いてなかったよ。私はヒナ。中2だよ」

「……わたしは……ユナ、中1」

「ユナちゃんかー可愛い名前だね」

「……お姉ちゃんの方こそ可愛い名前……それに、お姉ちゃんの髪の毛キレイ……」

「ん?そうかなーユナちゃんの方がきれいだと思うよ?あー!まだ濡れてるねー。ちょっと待ってて」

「え?やぁっ。置いてかないで……わたしも一緒に行くっ」


 立ち上がった私のTシャツの後ろを掴んできた。えっ?わぁっ。これって甘えてるの?すごい可愛いんだけど……妹が出来たみたい!


「そ、そっか……じゃあ脱衣所に戻ってドライヤーを持って、戻ってこようか」

「うん」


 素直に頷いて目が合うと頬を赤くして目を逸らした。ドライヤーを持ってリビングに戻ると、ユナちゃんの髪の毛を乾かして話をした。


「ユナちゃんの髪の毛サラサラのストレートだねー」

「えっと……ヒナお姉ちゃんの髪も同じだと思うけど……サラサラでストレートだよね?」


 もぉ!せっかく褒めてるのにー。素直にありがとって言ってよー!もぉー


「私の髪の毛は赤毛だし。キレイな黒髪が羨ましいよ」

「わたしは……赤毛の……ヒナお姉ちゃんの髪の毛が……す、好き……」


 えっ。あっ!さっき普通に聞き流してたけど、ヒナお姉ちゃんって呼ばれてる!?えぇ!わぁーヒナお姉ちゃんだって!うれしいっ!


「はい。乾いたよーお終い!」

「ヒナお姉ちゃん……ありがと……」

「ううぅ……えっと……頭を撫でて良い!?」

「ん……別に……良いけど……?」


 やったっ!ナデナデ……♡


「わぁっ。うぅ……あぅ……恥ずかしいよぉ……」


 ユナちゃんを抱き寄せて頭を撫でて癒やされた。


「許可は取ったもんっ!」

「そうだけど……わぁーもー恥ずかしいよぉー」

「誰も見てないじゃんー」

「そういう問題じゃなーいっ」

「分かったよー」


 これ以上、頭を撫でてると本気で怒り出しそうだったので止めておいた。


「ごめんねー可愛くて、ついね……」

「ううん。いろいろ優しくしてくれてありがとー」


 あれ?もう帰っちゃうの?ん!?え!?もう6時過ぎてる?


「えっと……帰るの?」

「え?うん……公園かデパートの屋上の駐車場に行こうかなぁ……」

「……はい?」

「えっと……家に帰っても誰も居ないし……電気も水道も止まってるし……」


 えぇ!?それって……危ないよね?拐われたり、襲われたりされちゃうじゃん!ダメだよね。


「それは危ないよ!ダメだよ」

「だって……行く場所ないもんっ」


 だから汚い不潔な格好だったのかぁ……


「襲われた事が、あったんじゃないの?」

「まぁ……うん。でも、叫んだら逃げて行ったー」


 ユナちゃんが平然と答えてきて、自分が危ない事をしているという自覚がなさそうだったので……心配になってきた。

 

「んー……。それじゃあ一緒に寝よっか?」

「え?えっと……その……どうしてもって、ヒナお姉ちゃんが言うなら……良いよ……」


 わっ。でた!素っ気ないツンとした返事!表情も照れていて可愛い……抱きしめたいっ!

 

「でも、静かにねー親にバレたら問題になっちゃうからねっ!」

「分かったっ。静かにするっ!」

「親はねー、7時過ぎに帰ってくる事が多いかなー」

「その間は、ヒナお姉ちゃんは一人なんだ?」

「そうそう……ちょっと寂しいんだよね」

「それ、良く分かるよ」


 ユナちゃんが、真剣な表情で私を見つめて答えてきた。話を聞く感じだと、私と同じで家で寂しく一人で親の帰りを待っていたんだろうなぁ……


 はぁっ。やっちゃった……子犬を拾う感じで、可哀想だからって簡単に言っちゃったけど良いのかなぁー?でも、放っておけないし……危険な事をしてるのに、また明日ねー!とは言えないよ。


 部屋に一緒に行くついでに洗濯機を覗くと乾燥も終わっていたので、私が回収すると恥ずかしいと思った。


「洗濯終わってるみたいだよ。私が持とうか?」

「え?ダメッ。恥ずかしいって……」

「だよね」


 恥ずかしそうに回収をして、下着を服で見えないように隠していた姿が可愛い……

 

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