第2話 全裸で魔王退治
幸いなことに、四人の冒険者が僕を拾ってくれたよ。
基本的に五人でパーティを組むけど、強いから一枠空けてたんだって。
とても優しい人たちで、お前をひとりにはしないと手を差し伸べてくれた。
ただし、服だけは着せてもらえなかった。
それがお前のアイデンティティだから、そのままでいろって言うんだ。ひどくない?
旅とかせずに、いきなりワープ。
なんか転移するための条件とか要らない世界観みたいだね。
着いたらそこは魔王城。異世界に来てから、ここまでざっと十分ぐらいかな。
最終決戦は見てるだけで終わった。
すごく強そうな魔王だったけど、あっという間だった。
はん、僕の出る幕じゃなかったね。
魔王城
へえ、そんな記録とってるんだねぇ。
帰還したら、みんなずるいとか言わずに僕を勇者扱いしてくれた。
まあ確かに、全裸で魔王退治なんて、ある意味勇者だよね。
晴れて勇者の仲間入りさ。
道ゆく人々から次々に握手を求められるけど、したら見えちゃうでしょ。
というか、隠してた手でするわけにいかないだろって。
そんなわけで、街の中心に僕の像が建ちましたー。
もちろん全裸の。
泣いていいですか?
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