チートキラー 〜この世界はチーターに支配されているので自由を取り戻します〜

@green923

時の国編 第1話支配された世界

「はぁ…ようやく一日が終わった…」

やっと一日が終わった。だけど…

「また一日が始まるのか…」

俺の名前は、スアク・イリン。とある辺境な村の住人だ。なぜこんなに落ち込んでいるかというと…


〜昼過ぎにて〜


「オラァ!もっと働けぇ!休むな!」

「ひぃ!お許しくださいポーズ様…!」

1人の男、ポーズが住人を、ムチでたたいている。見ているだけでもつらい。そこに少年が割り込んできた。

「お前いい加減にしろよ…!」

「あぁ!?俺に逆らうのか!?俺はトップ直属の部下だぞ!」

トップ…この国を支配している絶対的存在だ。まるでイカサマをしているような強い能力を持っている。いわゆるチート級の強さだ。この辺では、見た者はほとんどいない。

「め…滅相もございません!お前も謝れ!」

「は!?なんでだよ!俺ら何も悪くねえじゃん!」

「うるせぇぞ!痛い目みてぇのか!」

「申し訳ございません!頼む…!謝ってくれ…!」

「く…ごめんなさい…」

そう言うとムチがとんできた。

「う…!」

少年の目に涙が浮かぶ。

「ちげぇだろ?申し訳ございませんでしたポーズ様…だろ?」

「申し…訳ございま…せんでした…ポーズさま…」

「声が小せぇ!もう一度だ!」

いつもこんな感じだ。この村…いや、この国の住人は奴隷のごとく扱われる。助けたかったけど、体が動かなかった。

「お願いします!どうかお許しを…!こいつにはきつく言っておきますから…!」

「ふん…まあいい…」

「あ…ありがとうございます…!」

「分かったらとっとと戻れ!」

「うぅ…こいつめ…」

みんな怯えている、この監視員一人にだ。

一人なら反乱を起こせばいいと思うかもしれない。しかしそうはいかない。なぜかというと…

「お前ふざけんなよぉ!オラァ!」

「!?あのばか!」

見ていた一人がポーズに襲いかかった。しかし…

「が…!?」

気づけば、そいつの体は全身傷だらけになっていた。

「テメェやってくれたなぁ…どう落とし前をつけるんだ?あ?」

そう言ってポーズはムチを構える。

「おら!なんか言えよ!」

「あ…う…」

「聞こえねぇぞ!土下座でもしとけ!」

「…」

ポーズがムチで叩いたが、そいつは動かなかった。

「ちっ!死んだか。いいかぁ!覚えておけ!」

ポーズが全員を見渡す。

「こうなりたくなかったら逆らうんじゃねぇぞ!わかったな!」

「はい…!」

ポーズに攻撃しようとするといつもにこうなる。反乱に成功したやつはいない。始めはこうゆう奴も多かったが、今では心身ともに壊れたやつぐらいしかあんなことはしない。 だがそんなやつを見殺しにした。多分ほとんどの人が後悔していると思う。だが、逆らったらそいつも死ぬ。ここにいる奴らも限界が近いが、ギリギリ壊れないでいる。

「お前ら時間だ!地下に行け!」

俺達は地下に連れて行かれる。

「いつも言っていると思うが、今日は他のとこから連れてきたやつもいる。」

なるほど、何人か見ないやつがいると思ったら、そういうことか。

「お前らは今からこの歯車を回し続けるんだ!終わるまで休むんじゃねぇぞ!」

「あの…すみません。」

そういったのは、新入りの一人だ。

「なんだ?」

「質問がございます。」

「そうかよ。で?その質問とやらはなんだ?」

「その…どのくらいやればいいのでしょうか…?」

「5時間だ。」

「そんな…無茶です!もうただでさえ午前中はずっと働いています!これ以上はとても…」

「うるせぇ!」

そう言ってムチがうねる。

「きゃあ!」

「ふん!わかったか!?分かったら黙ってやるんだな!その後は鉱石採掘、石材加工なんかもあるからな!」

「うぅ…」

「そんなこと言ってる暇があったら働け!」


〜5時間後〜.


「やっと終わった…」

疲れた、もう動きたくない。

「ダラダラすんな!ほら水だ。」

「…え?これだけ?」

「なんだ?文句あんのか?」

「文句は…ないですけど…」

そこにあったのはコップ一杯にもならない、なんなら半分にもならない量の水だった。こんなんじゃいつ倒れてもおかしくない。

「これだけかよ…」

「せっかく頑張ったのに…」

「もうだめだ…みんな死ぬ…いやこの国の上の奴らに殺されるんだ!」

「だれだ!この国の悪口言いあがったやつは!」

そこには鬼の形相をしたポーズがいた。

「今日は文句言うやつ多いなぁ!おまえか!?」

「えっ!?いや、おれじゃな…」

「グシャ」

酷い音を立ててそいつの頭は見るも無残な姿に砕けた。

「う…うわぁ!」

「やめてくれ!死にたくないんだ!」

「だまれぇぇぇ!」

次の瞬間には、パニックになった奴らは全員腹に穴が空いていた。

「え、うそだろ…」

「目を開けてくれよ兄貴!」

「そんな…いやだよ…お父さん…!」

ポーズのやつ、暴走しあがった!やばい!…と思ったら…

「ふぅ…わかったな?お前らが逆らうとこうもなりうる。よーくそのばかげた脳みその刻み込んでおけ!」

どうにか怒りは収まったらしい。そして、また労働が始まる。

そんな流れで2時くらいにようやく寝れるわけだ。だけど4時から、また始まる。

「また暴力かよ!目の前で人が苦しんでる!なのになんで俺は、動けなかったんだよ!」

そんなときだった。

…コンコン

ドアを叩く音がした。

「…はい。」

ガチャリ…ドアが開いた。すると…

「こんばんは。」

地下に行ったときに見た新入りのやつだ。

「どうした?」

「私はディン・キャー、あなたはスアク・イリンね」

「え?あ、そ…そうだけど…」

「とりあえず中に入れて。」

「あ、ああ…分かった。」

見つかったらやばいのでひとまず中に入れる。

「それで、なんのよう?バレたら最悪消されるよ?」

「突然なんだけど…」

「だからなに?」

「この国のトップを倒そう!」

「…はぁ!?」


続く

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