光剣の覚醒者──運命に導かれし異世界の英雄

はじめての作品

第1話: 異世界への召喚

――目を覚ますと、見知らぬ世界だった。

神田篤志（かんだあつし）はぼんやりと天井を見つめた。天井というよりは、青く澄んだ空だ。柔らかな草の感触が背中を包む。風が頬を撫で、どこか遠くで鳥のさえずりが聞こえる。

「ここは……どこだ？」

篤志は体を起こし、周囲を見渡した。目に映るのは広大な草原と、遠くにそびえる巨大な山々。どう見ても日本ではない。

――まさか、異世界転生か？

ありえない。しかし、彼は目の前の現実に戸惑いながらも、異世界転生の小説やゲームのシーンを思い浮かべた。無事に家に帰ることができるのだろうか？それとも、ここで新しい人生を歩むしかないのか？

篤志がそう考えを巡らせていると、突然、目の前に光の輪が現れた。その中心から一人の少女が現れる。銀色の髪に深い紫の瞳、白く輝くローブをまとい、まるで神々しい存在のようだ。

「お目覚めですね、異世界の訪問者よ。」

少女の声は澄んでいて、どこか安心感を与える。篤志は立ち上がり、驚きと警戒の表情を隠さないまま、彼女を見つめた。

「あなたは……誰ですか？ここはどこなんだ？」

「私はこの世界の巫女、エリス。あなたが召喚されたのは、フェルナーラと呼ばれる世界です。あなたはこの世界を救うために選ばれたのです。」

「えっ、世界を救う？俺が？なんで俺なんだ……」

エリスは静かに微笑む。その微笑みには、長い歴史を感じさせるような哀愁があった。

「あなたが持つ特別な力が、この世界に必要なのです。『選ばれし者』として、我々の希望の光となっていただきたいのです。」

篤志は目を見開く。まるでゲームの設定のような話だが、彼女の言葉に嘘は感じられない。しかし、自分が世界を救えるほどの力を持っているとは思えなかった。