任け犬の遠吠え
犬井雲之助
第0話 任(ま)け犬の遠吠え
自分の人生負けっぱなしだった
いや、そもそも勝負すらしてなかったのか
ずっと勝負事から逃げ続けてきた、ただの負け犬
だけど初めて、自分にしかできないことが見つかった
それはみんなを一瞬で救えるチート能力のような便利なものではなく
とても地味で、とても面倒な力
だけどそんな小さな力でも俺にとっては大切な力
だから俺はその力を使い、思案する
あとは走り回るだけ
あとのことはみんなに任せることしかできない
かっこ悪いよね?だけど俺はその力が誇らしい
だからみんなに届いてほしい
俺のこの咆哮を
犬の遠吠え
任け犬の遠吠え
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