第3話

 『殺しのセンス』

 

 この見るからに課題図書に相応しくない本は、一体なんだとうか。

 一際目立つというか、物騒というか。

 殺人の臭いがいかにもって感じのタイトル。


 「こう見えて意外と、感動系だったり青春劇だったりするのかね」


 さて、と。

 手に取りまず一ページ目を開いてみる。

 どれどれ。


 『殺した。

 ぶっ殺した。


 奴の体を至るところ突き刺しにし、醜い箇所は棍棒ですりつぶした。

 あんなにイキっていた豚も、殺してみればこの通り、ただのバーゲンセールの肉塊に成り下がる。


人間ってそういうモノなんだ。本当は』




……ははぁ。これは完全にアウトです。




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