第1話

 今日から夏休み。

 別に浮かれている訳ではないが、朝早くに僕は家を出ることにした。


 時刻は八時四十分。

 時間的なことを考えると、徒歩が最適だ。

 距離感から計るに十五分ぐらい。

 

 外は相変わらずの暑さ。

 少し外へ出れば、汗ばむ。


 こんな日に外へ出かけるなんて。

 僕はどうしてしまったのか。

 アウトドアであろうに。



 「自分でも馬鹿だとは思うよ、実際」


 

 それでも。

 目的地がはっきり決まっている以上は、暑さも憂鬱なこの思いも曖昧になる。

 

 何もかもを紛らわすには、本を読むことがいい。

 そんな訳で、目的地は図書館。

 今日から始まる長い憂鬱と僕を、隔離させてくれるその世界へ。

 僕は出かけた。


 はぁ。

 なんだか、くだらない詩のような出来上がりだ。


 これじゃ、読書家とはいえないな。まったく。

 

 

 

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