第2話


~個人チャット(愛珠麻)~



志希「アズ、ボスからの伝令。

今すぐ準備を」


愛珠麻「ですが、ここは学校です。教師には何と言えば…?」


志希「一応、教師はアズとタクが私のボディガードというのは知っている。だから、私の体調が悪くなったと嘘をついて2人も帰宅する、というのはどう?」


愛珠麻「なるほど…。やってみますね」




愛珠麻「志希様っ!」


志希「アズ!?どうしてこの場所がわかったの!?」


愛珠麻「直感ですよ。タクから資料ができたことは言われていたので、渡すならひとけの少ない場所ですし、なるべく教室から遠い場所…。それなら、旧校舎の渡り廊下しかないかなって」


志希「さすがだよ」


愛珠麻「ところで…、タクはどこに行ったんですか?」


志希「ん?ああ、タクは今教室に戻って私たちの荷物をまとめているところだと思うよ。君に言うのを忘れちゃったから」


愛珠麻「あ、たしかに私も忘れていました…」


志希「さてと、タクが戻ってきたら私たちも準備をしなきゃね」


愛珠麻「そうですね。ボスからは何と連絡が入ったのですか?」


志希「“遊馬あすま財閥に関与しているある企業の傘下会社が、裏社会で海外のヤクザ組織と人身売買(奴隷取引)をしている”とのこと。そして、その組織と今日取引が行われるみたい。一緒に始末していいとの許可が降りたよ」


愛珠麻「そうなんですね。取引場所はどこですか?」


志希「傘下会社の事務所の裏が倉庫になっているんだけど、そこには地下につながる階段があるみたいで。その先が取引場所だそうだよ」


愛珠麻「まだ聞きたいことはありますが、タクが戻ってきたので取引場所に向かう時に聞きますね」


愛珠麻「うん、分かった」


拓也「志希様、アズ、只今戻りました。こちらが荷物になります」


愛珠麻「私、すっかり荷物を持ってくること忘れてて…。タク、わざわざ取りに行かせちゃって、本当にごめん!!」


拓也「全然大丈夫だよ、アズ」


志希「私もごめんね?すっかりアズに言うのを忘れてた…」


アズ&タク「「志希様が謝ることではありませんっ!」」


志希「なんと、息ぴったり」


拓也「あ、志希様、俺だけまだ場所とか何も聞いてないんですが。どこに向かうんです?」


志希「遊馬財閥に関与しているある企業の傘下会社の倉庫地下。そこで、海外のヤクザ組織との取引が行われる」


拓也「なるほど…。とりあえず、屋敷に向かいますか」


志希「うん。私の方で蛇崎組のナビゲーター班と連絡を取っておいた。おそらく、私たちが屋敷に着く頃にはもう到着してるはずだから」


愛珠麻「呼んであるのはナビゲーター班だけですか?」


志希「そうだよ?」


愛珠麻「ということは、私たちも志希様とご同行させていただけるのですか…!?」


志希「もちろん」


愛珠麻「やった〜!!タク、志希様の雄姿を見れるよ!!!!」


拓也「すごい久しぶりに見る気がする…!!楽しみだなぁ!」


(そんなに言うことかな…?)


「まあいっか。急いで屋敷に向かおう?」


「「はい!!」」


(…やる気がすごい。いや、これは“殺る気やるき”…?)


愛珠麻「あ、屋敷にボスはいるのですか?」


志希「うん、いるはずだよ。普段は遊馬財閥の営業をしているから。」

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