第11話 ファンタズムクリスタルの効果
「こらぁーー! 魔王めっ。私のアリアナを
「なに? どういうことだ?
「思いやりね。
魔王は慌てて駆けつけてきた
「なぜだ?
「だって、だって・・・・・・ずっと、私は魔王様が好きだったのです。私は何千年もの間、魔王様だけを見てきました。それに、人間のこんな女はすぐに死にます。魔王妃に少しも相応しくありません」
「あぁ、残念。それはないわ。アリアナにはファンタズムクリスタルを毎日あげているもの。あれは、持ち主に魔力を授け、寿命を延ばすという力を持っているのよ。アリアナは私と同じだけ生きるわ。つまり、魔王と同じか、それ以上生きるってこと」
「ファンタズムクリスタル? 幻の貴石だな。誰も見たことがないぞ」
魔王は驚きの声をあげた。
「ファンタズムクリスタルは
絶望の表情を浮かべる
「アリアナ! 試しにこの
「それは・・・・・・願うだけで、魔法が使えるんですか? 私は魔族ではないですよ?」
「心の中で、唱えるだけで叶うわよ。さぁ、アリアナ。やってみて!」
「はい、でしたら試しにやってみますわ。
「え? 嘘・・・・・・まさか? ありがとうございますぅ」
次の瞬間、
「アリアナ。
「メイドの生活も、それほど悪くはなかったわ。きちんと睡眠時間は確保できたし、
「もちろんです。この剛毛はどんな魔法でも直せなかったのに。これほどの魔力を持つ方なら、魔王様に相応しいです」
「私は心のなかで唱えただけで、特にすごいことはしていないのだけれど・・・・・・喜んでもらえて嬉しいわ」
「アリアナ。魔族は姿形を変えられても、どういうわけか毛質だけは変えられないのよ。だから、髪の色は変えれてもチリチリボーボーの髪質は変わらないわ。どうやら、アリアナはファンタズムクリスタルの魔力を、期待以上に吸収できているみたい」
ジョアンナはアリアナの周りを嬉しそうに飛び回った。
魔王は
「特に私は意地悪されたと思っていませんし、反省して真面目に働いてくれれば罰する必要もありません。ここを辞めさせられたら、
通常、魔王城で懲戒解雇になった場合は、どこの貴族も雇ってくれず路頭に迷うことがほとんどだった。なので、
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