絶望渦中で希望は死す

歳納愛之助

真夜中よりも夕暮れが

 僕が人間としてこの世界に生きようとするのは甚だ傲慢で、身の程を弁えていない独りよがりの高望みだと知りました。

 

 今までずっと自分を偽って生きてきました。もはや偽りの自分が本当の自分なのではないのかと疑うほどに、今までずっと友人や家族を騙して、周囲に好かれる自分を演技してきました。考えれば考えるほどに、自分が分からなくなるのです。偽ることをやめれば、周囲の人間は僕に失望し、孤独になるのが恐いです。でも、本当の自分を隠し、生きているくらいなら、いっそ、死んでしまった方がいいのかなと思います。自分の望むことをあきらめ、感情を殺す毎日に、意味はあるのでしょうか。そりゃ、自殺をすれば、母も父も、悲しむとは思いますが、何百年後の世界に、僕が自殺したことなんて、誰も知らなくなるのなら、別に死んでもいいのかなと思ったりもします。

 

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