第3話 修司くん

まだ昨日の暑さが残る朝、明音宅の旅館を明音と共に出る。

今日は明音のクラスメイトで僕に会いたいと言っている修司という男子生徒と会う予定。


しかし、なぜ修司という男子生徒が僕に会いたいのかが分からない。有名人とかなら分かるが、僕はごく普通のどこにでもいるような高校生だ。

そのことを学校へ向かう道中、明音に聞いても「私は修司じゃないんだから、分かる訳ないでしょ!」と怒られる始末。


そして、久しぶりに夜祭小中学校の校門を潜り、校内へ。

卒業してから数年しか経過していないので、特に大きな変化はないが、校舎が少しボロくなってきたかな感はある。

「…もしかして、あなたがウワサのリックーさん!?」

声を掛けてきた制服の男子生徒。彼が僕に会いたいと言っている唯一の男子生徒・修司くん。


「同年代で同性の人がいないんで、盛り上がんないから退屈なんですよ。リックーさんなら歳近いし、なんか話せるかな?と思って。」

修司くんは中学入学の際に別の島から、この夜祭島に越してきた。だから本土転居した僕とは入れ違いのような形となったため面識はない。

ただ、島内運動会で撮影された写真があちこちに貼ってあるので、顔だけは知っていたらしい。

「まあ、僕で良いなら。」と快諾し、修司くんの相談や愚痴などにとことん乗る。

この島で現在流行っていること、本土で流行っていることをお互い共有するなどなんだかんだ楽しかった。


夜には公園で待ち合わせをして花火をしたりするなど、童心に返って遊んだりしてこの日は充実した一日を送ることができた。

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