香港学園の事件簿

玲音

人物/名詞紹介/說明:(16/10/2024更新)

 寧北妃ねい ぽく ひ—中学二年生、手工芸部部長。聡明で機転が利き、観察力が強い。歴史とサッカーが好き。


 宋國華そう くに はな—中学二年生、学校で有名な優等生だが、近年成績が下降中。彼の成績の裏には何か秘密があるのか?


 ちょう老師—手工芸部の顧問教師。裏にたくさんの秘密がありそう?


 張玉蘭ちょう ぎょく らん—中学四年生、神秘学部部長。


 溫諾娜(ワイノナ)—中学一年生、手工芸部の部員。


 陳智勇ちん ち ゆう—中学五年生、集郵部部長。


 Angel(エンジェル)—寧北妃の友達、小学校からの知り合い。


 林莉慈りん りー ぜ—中学二年生。宋國華の幼なじみで、成績はいつも平均くらいです。普段は静かで目立たない生徒です。


 楊兆基やん ちゃお ちー—中学二年生で、寧北妃のクラスメイト。成績が良いだけでなく、体育も得意。生徒会のメンバーでもある。


 集郵部—切手収集部


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 香港では2009年以前、中学は全部で7学年ありました。中学5年生の時には会考を受け、中学7年生の時には香港高等程度会考を受け、その後大学に進学すると3年間だけ学ぶことになっていました。


 2009年の改革以降、中学は初中3年、高中3年、大学4年になり、高中3年生の時に香港中学文憑試を受けることになりました。しかし、元の学校を引き続き使用しているため、実際には初中学校と高中学校が分かれているわけではありません。高中3年生は多くの場合、中学6年生と呼ばれます。


 ここで言及されているすべての試験は公開試であり、香港全土の同じ年の学生が同じ試験問題に挑戦します。


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 エンジェル(Angel)についてです。ワイノナとは違って、エンジェルは普通の香港人で、ハーフでも外国出身でもありません。しかし、香港人には自分のために英語の名前をつける習慣があります。この英語の名前は、英語の授業や外国人に自己紹介するときに使うだけでなく、日常生活でも使われます。例えば、誰かの中国語の名前の発音が英語の名前より難しい場合、私たちは英語の名前でその人を呼ぶことが多いです。


 もちろん、実際にはもっと複雑な状況があり、必ずしもこの状況では中国語の名前、あの状況では英語の名前と決まっているわけではありません。さらに、同じ人が一年生のときには英語の名前で呼ばれ、二年生でクラスが変わると、同級生がまた中国語の名前で呼ぶようになることもあります。


 また、英語の名前といっても、必ずしも外国で実際に使われている名前ではなく、英語の文字を組み合わせて読めるようにしたものを使う人もいます。中でも、香港の女性がよく使う英語の名前の一つがYuki(読み方:ゆき)です。


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 寧北妃と張玉蘭はどちらも中国の歴史の伝説人物です。寧北妃は中国雲南地方の伝説の人物で、その地方は三国志の時代には南蛮と呼ばれていました。孟獲の所在する地域です。孟獲の後、南蛮は徐々に複数の部族に分裂し、最終的に六つの小国が形成されました。その中で最も勢力の大きな国が、他の五つの国を侵略しようとし、君主を毒殺してから軍を進めました。寧北妃はその六国の一つの王妃で、夫が毒殺された後、相手の妻になるという提案を拒否し、軍を率いて戦い、命を落としました。現在、雲南では毎年「星回節」という祭りが彼女を記念して行われています。


 張玉蘭は三国志の時代の人物で、張魯の妹です。そうです、漢中を守ったあの張魯です。張魯は道教の五斗米道の人物で、後に曹操に降伏し、貴族として列せられました。一般的な伝説では、張玉蘭は兄に従わず、修行を続けて仙人になったとされています。


 ちなみに、三国時代には他にも女性で仙人となった人物がいます。諸葛亮の娘、諸葛果です。


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 日本の友達から聞いた話ですが、日本では教師の地位はあまり高くないそうです。でも、香港では教師は医師や弁護士と同じくらいの地位があり、給与も高く、休暇も多い職業です。もちろん、そのための資格も高い要求がされます。今の香港では、教師の育成を担当するのは香港教育大学で、関連するコースは大学の学位コースです。


 さらに補足すると、香港では毎年、高校生のうち約半数しか一般の公開試験を通じて大学生になることができません。競争は非常に激しいです。


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 日本ではどうでしょうか?香港では、ほとんどの家庭で両親が働いているので、多くの場合、子供の世話は他の人がします。最も一般的なのはフィリピンやインドネシアから来た家政婦で、時には自分や夫の両親に手伝ってもらうこともあります。だから、香港はフィリピンやインドネシアの家政婦が最も多い場所の一つだと言われています。


 日曜日になると、休みのフィリピン人やインドネシア人の家政婦たちが、香港のあちこちで集まっておしゃべりしたり、遊んだり、音楽を聴いたり、歌ったりする光景を目にすることができます。


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 茶餐廳ちゃさんちょうは、香港スタイルのレストランのことで、ホワイトカラーやブルーカラーの人々が利用する飲食店です。価格が安く、量もたっぷりなのが特徴です。茶餐廳で最も有名な食べ物といえば、たぶん絲襪奶茶シーマックナイツァーでしょう。


 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8C%B6%E9%A4%90%E5%BA%81


 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A6%99%E6%B8%AF%E5%BC%8F%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC



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 黃頁(イエローページ/yellow page)は、香港の商業用電話帳の呼び方で、その名前の由来は「黄色いページ」という意味です。昔、香港の商業用電話帳は黄色い紙が使われていたため、この名がつきました。ただ、現在の香港人でも知らない人がいるかもしれません。というのも、紙の黄頁はもう廃止されてしまったからです。


 こちらは当時の黄頁の広告です:https://m.youtube.com/watch?v=bwybmG8zJ3Q

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