電車の殺人

席を譲ろう殺人

「すみません、席を譲っていただきませんか?」


 電車に乗るおばあさんは、よたよたした様子で、席に座る佐竹に声をかけた。


「……すいません……わ」

「譲ってやれよ!」


 佐竹の友人である霧島は、佐竹に席を譲るように言った。


「で、でも……、これ以上は……。」


「キエエエエエエエエエエ~~~!!」


 席を譲らないと判断したおばあさんは、手に持っていたマシンガンを佐竹に向かって乱射した。


 佐竹は腹中を穴だらけにされ、その風穴から血が噴き出した。その様子を見ていた近くの乗客はパニックに陥る。


 皆、佐竹とおばあさんから離れていった。


「はあ、やっと座れたねえ~。」


 おばあさんはそう言って、佐竹の横の席に腰かけた。


 霧島は今すぐにこの場から離れたかったが、佐竹が最後の力を振り絞って、霧島の腰に手を当てた。


 霧島の腰はべっとりと佐竹の血で汚された。


 霧島はそれを確認すると、大きく舌打ちをした。

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