紅へへの応援コメント
色彩を越えた美、芸術はあるのか。
思い出すのはドゥルーズの『感覚の論理学』です。
「絵を描くクセに、視覚以外の感覚(認知刺激)まで表現の中に取り込もうとする」……そういう作りをする芸術家や、作られた作品について語られていたと記憶しています。
そこでは絵の具などの「手触り」の話が大きく扱われていました。作る側が、作る時に「わかるやつにだけわかればいい」と踏み込んだ取り組みを、そこに挑むドゥルーズがほどくという構図でした。
紅の作品は、それと似てはいても、少し質が違ったものだったように思える。
絵を見せたい相手、どうだと尋ねたり、あるいは胸を張りたい宛先があったこと。
それはひとつ、作る人にとって幸せなことだなと、自分は思いました。
宛先のある人生。出来をききたい相手がいる人生。
じわじわ効く幸福な物語として、創作者のお話として、いいものを読めたなという感想です。
作者からの返信
いずくさん
こちらにも目を通していただき、恐縮です!
しかもドゥルーズの『感覚の論理学』なる著作を思い出していただけたとは……!
不勉強で私はこちら読んでいなかったので、ちょいと検索しちゃいました。
読んだ方の感想や要約をざっくり拝読した限り、視覚を主とする身体という器官を通して受容される絵画表現は常にテクスト化できる「意味」を内包したもので、画家自身も無意識にその「物語」を前提としてキャンバスに描かれるものを想定している。それを超えて「感覚」に直接訴えかける試み、想定されうる物語を介さず届く絵画……のようなものについて論じた書物なのかなと想像しました。
全然違ったらスミマセン、なのですけども💦
面白く深いところに着目してくださったのだなあ、と感動です。
紅が自分の絵画表現を模索する姿を描くと同時に、この作品では私自身も文章表現の模索を行っていて、「絵画的な小説」というところを目指しました。文字を読ませるのではなく、イメージを想起して、読み手をテクストを超えた場所にある拡張現実的な世界に引き込む……ということは可能か。
幼い頃の読書体験のような、自分が丸ごと物語世界へトリップした感覚を味わえる文章を、大人の読み手にも提供できたらいいなと思っていました。それが、直接感覚に訴える作品を創ろうとした試みとして、通ずるものがあるかもしれない。
宛先のある人生とは、また素敵な言葉を使っていただいて、嬉しいです!
芸術家は総じて孤独ですが、たった一人でも自分の表現を届けたい相手がいたとしたら、それは人間として幸福であると私も思います。
深く読み解いていただき、誠にありがとうございました<(_ _)>
紅へへの応援コメント
とても素敵な作品でした。
まさか小説で絵画を味わえるとは、考えたことさえありませんでした。
美術館の奥へ進むシーン、圧巻でした。
最初はどんな作品なんだろうという好奇心、まさに美術館にいる感覚です。
そこから絵画を眺めるうち、人影が大きくなり、誠吾さんとともに子どもに戻っていくような郷愁感にとらわれていきました。
気づけば作品内の絵画に惹き込まれ、花火が揚がる前の、あの高揚感に浸っていました。
小説から美術館へ、絵画から花火会場へ、こんな読書体験は初めてでした。
紅さんの最期の絵も、なるほどなぁ......と唸ってしまいました。
余白の美学を感じます。
きっと他人とは違う見え方に苦悩し、試行錯誤を繰り返した末に、辿り着いた答えなのですね。
誠吾さんが彼女のために打ち揚げた花火はどんな花火だったのだろう......。
それに思いを馳せるのもまた醍醐味ですね。
非常に素晴らしい作品で本当はレビューを書きたかったのですが、自分の語彙や理解ではこの作品を表現できると思えず、断念してしまいました......。
陰ながらではありますが、カクヨムコン応援しております^ ^
作者からの返信
青草さん
小説で絵画を味わえる……すごく嬉しいご感想を、ありがとうございます!
絵画芸術をテーマにしたので、どうにか文章で絵画的なものを表現できないか、自分自身で模索したところでもありました。
その挑戦が報われたなあと感じます(*^^*)
美術館の奥へ進むシーンも、読んでくださる方がこういう感覚を抱いてくださったらいいな……と思うことを、まさに正面から受け止めていただけて、本当に嬉しいです。
美を永遠に縫い留める絵画と、一瞬のうちに美を放つ花火の、重なり合わさる瞬間のようなものが描けるとしたら、どこかなと思い悩みました。その部分を余白の美学ときれいな言葉で表現してくださって、ハッとしましました。
また、誠吾の打ち揚げた花火の姿に想いを馳せてくださったことも、嬉しいです。それが天国の彼女にはどんな風に見えるのか、誠吾自身もきっと想像しながらの打ち揚げになったんじゃないかと思います。
レビューを書こうと思ってくださったとは!
そのお気持ちだけで光栄ですし、とっても励みになります^^
既存作なのでほとんど読み手もおらず、カクヨムコンに出したはいいけれど希望はないかなあと思っていましたが、こうして応援していただけるだけでも、出した甲斐があるというものです。
お読みいただき、本当にありがとうございました✨
紅へへの応援コメント
皆様から伝え聞いておりましたご感想などから、読むぞ、と決めて読ませて頂こうと思っておりました。
ある漫画家さんが何色かにこちらの症状がおありの方で、カラーイラストを描く際には色確認をご主人にして頂くというエッセイ的なものを読んだことを思い出しました。
手紙はきっと、華々しく翔んでいったことでしょう。
友人なのか、好敵手なのか、それとも。
二人の関係は、二人だけが知っていればよい。
そして、花火はまた、夏の空に輝く。
素敵なお話をありがとうございました。
作者からの返信
豆ははこさん
皆様から伝え聞い……!? なんとも数奇な縁を辿り、お読みいただきありがとうございます!
漫画家さんに、色覚に症状をお持ちの方がいらっしゃるのですね。知りませんでした。手伝ってくださるご主人の存在、素晴らしいなあ。
そういう周囲のちょっとした理解が才能を世に羽ばたかせること、きっとありますよね。逆に無理解が苦しみを生むことも……。
手紙は華々しく飛んで、そして夜空に散ったと思います。
二人の関係、他者には知る由もありませんが、きっと夏の花火のように、一瞬でも鮮烈な出会いだったのではないかと。
こちらこそ、余韻の残る素敵なご感想、ありがとうございました!
紅へへの応援コメント
なんでしょうね。
毎回、こよみワールドに触れるたびに泣く私は。どうかしてるんでしょうか。
勉強したいし、なんなら盗みたい、こよみさんの筆力。でも、そんなこと言ってられないんですよ。読んじゃう(笑)。
彼女には、本当に色が見えていたのだと私も思います。花火が上がるまでの藍色でそれをわかってほしかった。彼だけに。
彼女には本当に夢のような色が見えていて、それが人と違うと気付いた時、辛かったんですね。
どうでもいい存在の人の絵のことなど気にもとめないし、どうでもいい存在の人の評価など気にもとめなかっただろう。
そう思うと、二人の時間がそこでぷっつり途絶えることがなければ、彼女はもう少し違った生き方もできたのかもしれないと悲しく思います。
でも、それも本物の芸術が生まれくる背景なのかもしれません。
作者からの返信
緋雪さん
嬉しすぎるコメントに私も泣いちゃう!
いつも涙してくださって、深~く読み込んでくださっているんだなあと伝わってきて、すごく嬉しいです( ;∀;)
しかも紅視点をイメージした素敵なレビューコメントに、ギフトまで……(泣かせてすみません)!
本当に、いつもありがとうございます<(_ _)>
互いに意識し合う何かがあって、越えられない何かがあって、でもそれ以上に、もっと遠くから呼びかけられる何かもあって。
手の中に収まる幸福や理解では満足できない情熱や衝動が、一人の人間の枠には収まらない芸術を生み出して、それが感動を呼ぶのかもしれないなあと、緋雪さんのコメントを読んで思いました。
どうしても掴めない、儚い煌きを追い求めずにいられない人は、傍から見たら不幸せなのかもしれない。でも芸術家としては、尽きない命題を得られたことは幸せかもしれない。
たぶん、小説の書き手にも同じことが言えるんですよね。
緋雪さんの「勉強したい」「盗みたい」というお言葉にも、そんな魂の叫びがこもっています。そして私も、まったく同じ気持ちをよく感じています!
お読みいただき、ありがとうございました(#^^#)
編集済
紅へへの応援コメント
感想を書くのがヘタすぎて「スゲー」の一言しか出てこないのですが、どうしたらよろしいでしょうか(^^;
思えば小説も白地に黒文字のモノクロの世界なのですが、そこに描かれる世界は彩度に溢れ、夜空に広がる花火の炸裂音すら聞こえてくるのが不思議です。
>美術館
あの細長い構造の美術館でしょうか。行ったことはないのですが興味津々です。
えー、いつものお願いです。この作品を三題噺のリストに加えさせていただいてもよろしいでしょうか?
追記:
ありがとうございます! 作品リストに追加させていただきました(^_^)/
>美術館
あ、そっちですね。近所に友人がいるなぁ、誘ってみようかな?😊
作者からの返信
柴田さん
「スゲー」は至高の一言です、お読みいただき、ありがとうございます!
随分と遅れての提出で、お前いつの三題噺やっとんねんって話です。毎度毎度、申し訳ありません💦 それにも関わらず、こうして読みにきてくださって光栄です……!
もちろん、こちらから伏してお願いいたします。ぜひぜひ三題噺のリストに加えてやってくださいませ!<(_ _)>
モノクロのテキストで人の記憶やイメージを喚起させることができる、思えば小説って魔法みたいだなと思います。作家はみんな魔法使いです!
>細長い構造の美術館
もしや、ホキがつく美術館のことでしょうか!
実はそっちじゃなくて、ロスコ・ルームがある美術館をイメージして書きました。作者のマーク・ロスコが、一つの部屋を自分の絵で満たすこと、と条件をつけたという話が好きで。作中には書かなかったのですが、紅も遺言でそういう条件をつけたのです。
都内から直通バスも出ています。すごくいいところなので、良かったらそちらにも足を運んでみてください~(´▽`*)
紅へへの応援コメント
お邪魔します。
スマホの画面に一面の花火🎇が打ち上がったような気がしました。
世の中には数字に色がついて見える人、音に色がついて見える人などもいらっしゃるそうです。
逆に色を捉えられない色盲、色弱という方もいらっしゃる。
自分が見えている世界が、他の人にも同じように見えているわけではない!!と知ったときは驚きました。
有名な画家にも生涯で青の時代とか〇〇の時代と分類される方がいます。
もしかしたら当の御本人は全くそんなつもりはなかったのかもしれません。
私は芸術家でも創作者でもありませんが、今この世の中で好きな色を身に纏い好きな音を耳にして、好きなお話しを読んでいられるのはとても幸せなことなのだと思います。
素晴らしいお話しをありがとうございました。
作者からの返信
@to-sanka-3さん
色鮮やかな花火が目に見えるような素敵なコメントレビューを書いてくださって、ありがとうございます!
読者様の目の前に花火が浮かぶように……というのも、今回目指したことの一つでしたので、まさにそう感じてくださって、とっても嬉しいです(*^^*)
また、こちらのコメントでも、世の中には様々な見え方の人がいる……ということに思いを馳せてくださっていて、作者の私と同じようにいろいろ考えながら読んでくださったんだなあ✨と、大変光栄に感じました。
>自分が見えている世界が、他の人にも同じように見えているわけではない!!
これは、私も知った時に、天地がひっくり返りそうなほどビックリしました! その衝撃が、今回の作品にも繋がった気がします。
さらには、青の時代など、実際の画家のことにも考えを広げてくださって、ありがとうございます。
実は推敲前の原稿は今の倍くらいの分量で、ピカソの青の時代のことなども、ちょろっと書いていたのですが、「この人はこんなこと手紙に書かない!」と思って消したので、書かないことまで読み取ってくださったのか! と、驚きました。
こちらこそ、好きに書いたものを読んでいただけて、さらにコメントもいただけて、とっても幸せです♪
お読みいただき、ありがとうございました!
紅へへの応援コメント
胸の中に染み込んでくる、花火みたいに色んな色の感情が押し寄せるお話でした。周りが手放しで称賛するなか、紅は誰よりも金崎を恐れ同時に信頼していたのだと思いました。画家と職人、職業は違ってもストイックなものは共通していますね。最後の絵から吸い込まれるように回想の中へ誘われました。花火が上がる瞬間の観衆の高揚、一本の線の先にそれぞれの心に浮かぶ花火の色、この絵を完成品だという金崎は実は誰よりも紅の理解者だったように感じました。
いつも心に響く物語をありがとうございます。
作者からの返信
柊さん
お読みいただいた上に、素晴らしいレビューコメントまで、ありがとうございます!
この作品にストイックさを見出してくださって、根底に流れるものを感じ取ってくださったのだなあと、感激しています。
画家と職人の矜持がぶつかり合う様など、本当はもっと深掘りできたらと悔しく思う部分もあるのですが、柊さんに丁寧に読み取っていただけて、すっかり報われた気分になりました。
対極にいて真っ向からぶつかり合う者が、実は一番の理解者ではないかという視点は、書きたかったテーマの一つのなので、そのように感じていただけたこと、とっても嬉しいです(*^-^*)
こちらこそ、いつも読んでいただけて、すごく励みになっています。
ありがとうございます!
紅へへの応援コメント
『美』というものを真っ向からあつかった、素晴らしいキャンバスでした。
このキャンバスを見て、私が感じたものは「遣る瀬無さ」ですね。
花火職人にしろ、画家にしろ「美」に絶対的なものはない。
それを探るのは、とてつもなく恐ろしく、寂しく、頼りなく、互いに交わるかどうかすらわからない、孤独なありかたなのでしょう……夜闇に散る火花のひとつひとつのように。
権威に否定されながら己を曲げなかった誠吾さんと、権威にみずから背をむけて己を探りつづけた紅さん。
その二人が通じ合った証であるこの手紙は、美しく、しかしてやはり遣る瀬無いものであったと、花火の後のような寂しさに打たれずにはいられませんでした。
作者からの返信
武江さん
またもや素晴らしいレビューコメントをいただき、なんとお礼を言っていいものやら……!
花火が揚がった後の寂寥を写し取ったかのような、後に広がる夜闇を想像させる文章をいただけて、とても嬉しいです!
「美」に絶対的なものはない……まさに、汲み取っていただけた通りの気持ちで書き上げた作品でした。それを探るのはゴールのない旅に出るようなもので、果てない探求に邁進できる幸せと共に、恐ろしく孤独な歩みの始まりなのだと思います。この辺りは、小説の執筆も同じですね。
最後のキャンバスに感じていただけた「遣る瀬無さ」は、誠吾と非常に近い感覚だったのではないかと想像しました。作品全体が花火のようであれとも願っていましたので、読後の寂しさを花火の後のようと感じてくださって、とても嬉しいです。
お読みいただき、ありがとうございました(*^^*)
紅へへの応援コメント
色覚異常って絵を描くには一見ハンデのように思えますが、必ずしもそうではない、と学生時代に聞いたことを思い出すお話でした。
紅にとって色彩感覚が優れていると言われるのは苦痛だったかもしれませんね。だから遺作はこの色なのかなと思いました。
巨大なカンバスが目に浮かぶようでした。素晴らしい短編ありがとうございます。
作者からの返信
圭以さん
お読みいただきありがとうございます!
この作品を書くにあたって色覚異常で画家の方がいらっしゃるか調べたら、4色型色覚を持つ女性画家のコンセット・アンティコさんという方がヒットしたんです。
その方は通常の人間の100倍にあたる1億色を見ることができるそうで、子供の頃から周囲と自分が違うことは知っていたけれど、つい最近(2012年)まで実際にレアケースだとは知らなかったそうです。
見える色彩が少ないタイプは昔からテストがありますが、多いタイプはごく最近までカバーされていなかったんだなあ、きっと見過ごされているだけで他にもいたのではないか……と想像を膨らませました。
この方は自分の特性を生かしてアーティストになりましたが、もっと昔は周囲の理解も全然得られなかっただろうなあ、と。
紅は4色型ではなく、また別の未知のタイプではないかと作者は思っているのですが、それは科学的に調べない限り永遠にわからないこと。
そういう「わからなさ」を越えて芸術を表現するとしたらどういうものに行きつくのか、何かが書けていたら嬉しいです。
素晴らしいとのお言葉、ありがとうございます!!
紅へへの応援コメント
心臓がバクバクしました。
これが「鐘古こよみワールド」か、と感嘆です。
自分の内にある真実は、自分にしか分からないもの。どう評価されても100%ではありません。
それでも、知って欲しかったのは、互いに一人だったのですね。
上手く言えませんが、すごく刺さる物語でした。
読ませて頂きありがとうございました。
作者からの返信
幸まるさん
心臓がバクバク……!
臨場感を持って読んでくださったんだなあということが感じられて、とっても嬉しいです😊
おっしゃる通り、自分の中にある真実は、時には自分すらもわからなかったりして……他者が理解するということは、果てしなく難しいものだと感じます。それでも何某かの評価を他者から与えられないと、成立しないのが芸術という分野。世間とのすれ違いを感じた時に抱く苦悩は深いだろうなと想像しました。
刺さると言っていただけて、とっても光栄です!
こちらこそ、お読みいただき、ありがとうございました✨
紅へへの応援コメント
鐘古こよみ様
さすがのこよみ様です。この感動を表現できる言葉を現世で探すことが難しいです。読後、暫し茫然として虚空を眺めていました。
芸術家と職人。通ずるものがあるとすれば、極みでしょうか。そこを目指して精進し続ける生き様でしょうか。
紅と誠吾、おそらく互いを好敵手(?)として認識しながらも深く関わることもないまま……。
紅の生と死を彩る冠菊、それはこの世ならぬ色彩のビッグバンなのかもしれないと思いました。手紙はきっと紅に届いたことでしょう。
二人称で描かれた巧みな文筆、花火や芸術への深い造詣、何もかも素晴らしい。
改めて、「鐘古こよみ」に酔いしれる私です。
作者からの返信
ブロ子さん
いつもながら素敵過ぎて尻込みしちゃうようなご感想、ありがとうございます! 現世で探すのが難しいとは……! もう、悩めるカクヨム民のために、ブロ子さんのコメント集を出版したら世のため人のためなんじゃないかと私は思い始めましたよ( ;∀;)
他の方のコメントにも書いたのですが、芸術家と職人については、本当はもっと掘り下げたい点だったのです。通ずるものと相容れない部分があり、分かり合える部分があるからこそ、激しい摩擦も起こるんじゃないかなと……ただ、今回はそれを書くだけの力量がありませんでした💦
>紅と誠吾~深く関わることもないまま……
ここ感じ取ってくださって嬉しいです。あまり関りのないと思われた人間が実は一番核心に近いところにいた……というのも、一つ書きたいポイントでした。
>巧みな文筆
ありがとうございます! しかしこれは、誠吾が書いたリアリティを持たせるためには、冒頭に宣言した通りもっと口下手な感じで書くべきだったかと、反省ポイントでもあります(^^;
素晴らしいとのお言葉、本当に励みになります。いったん没にしましたが、諦めず再生させて良かったです✨
もっと酔ってもらえるよう、ますます頑張ります~\(^o^)/
紅へへの応援コメント
芸術家と職人は一見別物のようですが、それぞれ自分が作り出すものに対する思いや矜持は近しいものがあるんじゃないかな、と思うのです。
見えないものを見、描けるのが芸術だとすれば、紅は見たままを描いている自分が芸術家だともてはやされることが苦痛だったのでしょうか?
それでも観ただけで誠吾を、もしかしたら他の人々をも記憶の中にある「あの夏の夜」に連れて行った紅はやはり天才的な芸術家だったんだろうなぁ……と思いました。
それをもはや手紙と花火でしか伝えられない誠吾の気持ちを思うと泣けます……
「忘れられない夏の思い出」の様な切なく美しいお話、ありがとうございました。
やっぱり私はこよみさんの大ファンです♡
作者からの返信
成生さん
深く読み解いてくださって、ありがとうございます✨
美を永遠に固定しようとする芸術家と、一瞬の美に全てを込める花火職人について、本当はもっと掘り下げて書きたかったのですが、今の自分にはそれだけの力量がなかったので、テーマを絞った結果、こんな纏まり方になりました。
でも、成生さんがその関係について思いを馳せてくださって、とても嬉しいです😊
紅はおっしゃる通り、本当に才能があっただけに、見たままを描いているだけの点が最も「芸術的」と評価される点に納得がいかなかったのではないかと思っています。
わかりやすい物語ではなかったと思うのですが、切なく美しいと感じてくださって、書いて良かったなあとホッとしました。
いつも応援してくださって、本当にありがとうございます!!
(私も成生さんの大ファンですよー!ヾ(≧▽≦)ノ)
紅へへの応援コメント
どんな見え方をしていたにせよ、紅にはそれを表現する才能があったのですね。
見たままを描いても、色を捨てても、同様に見る人を引き込む力。
本物の芸術家だったのだろうなと感じました。
そして遺作を見ることになった幼馴染みの花火師は、紅への手紙を花火につけて打ち上げるのですね。
粋だなぁ!
作者からの返信
つむぎさん
紅を本物の芸術家だったのだろうと感じてくださって、嬉しいです!
天才肌の芸術家を書きたいけど、なんかごちゃごちゃしてしまってそう見えない。どう書いたら……? と困って発狂して「いったん没!」だったので、諦めずに再チャレンジしてみて良かったです( ;∀;)
手紙を花火に貼り付けて打ち揚げ、というシーンは最初に書きたいなと思ったところだったので、粋とのお言葉に喜んでいます(*^^*)
お読みいただき、ありがとうございました!
紅へへの応援コメント
紅は生まれつき色覚に障害があったのでしょう。しかしそれだけでは「美しい」絵は描けないはずです。絵画の才能があるが故に人と違う感覚に悩んだことでしょう。
むやみやたらと褒めることも無関心でいることも出来ない誠吾の言葉だけが、他人の目に視えている真実の世界を教えてくれる灯火だったことでしょう。色覚を封じた最後の絵はまさに紅の絵画の完成作品。誠吾がそれを唯一理解してくれると信じて亡くなったのではないでしょうか。素晴らしい短編でした。長編で読みたい気もします。
作者からの返信
来冬さん
お読みいただき、ありがとうございます!
おっしゃるとおり、紅は色覚に人と違う点があった(4色型色覚のような)と作者は思っていますが、それを明確に断定できる書き方はしなかったので、鋭いご感想に唸るばかりです。
他人がそれをしっかりと理解しないまま無頓着に褒め、羨むことさえあったとしたら、「美」に鋭い感性を持つ者ほど孤独な苦しみを抱えるのではないかと想像しました。
>誠吾がそれを唯一理解してくれると信じて
ここは、書きすぎてメロドラマになってもよろしくなく、書き方をすごく案じた部分でしたが、そのように汲み取っていただけて、何か漂うものを書けたのかなとホッとしました。
長編で読みたい気も、とのご感想も、とっても嬉しいです!
ありがとうございます^^
紅へへの応援コメント
鐘古さん、こんにちは。
こちら公開していただけたのですね。
すごくすごく嬉しいです。
そしてプロトタイプよりもさらに数段素晴らしくなっていて驚きました。
たとえばひとつひとつのイベントにさらなる精緻な描写が加えられたことにより、二人の間に絡み合った複雑な心情がより明確に深く読み取れるようになったと思います。
また手紙の形式を統一したことで全体が上手くまとまり、さらに読みやすくなったように感じました。
ことさら圧巻だったのは紅の遺作の場面。
主人公がその展示スペースに足を踏み入れたところで両脇の薄闇の景色に目が行き、そこから自然と回想が生まれて先へ先へと引き込まれて何もない夜空の前に立つまでがまるで金崎誠吾が実際に思い浮かべている映像を共有しているようで鳥肌が立ちました。
そして読了後には真夏の夜空いっぱいに咲き散る大玉の銀冠菊が那智にもハッキリと観えたように思います。
本当に素晴らしい作品に仕上がりましたね。(プロトタイプも相当なものでしたが)
ブラボーです。
この作品を読ませていただけて幸せでした。
本当にありがとうございました!
作者からの返信
那智さん
こんばんは。
こちらにも素敵なコメントをくださって、ありがとうございます!
那智さんにプロトタイプをお読みいただき、大変洞察力の鋭い感想コメントをいただけたことで、自作を客観的に捉え、今の自分の力量に収まる作品として完結させることができたように思います。
こうして公開できたことを、那智さんに我が事のように喜んでいただけて、とても嬉しいです。
いつもお優しい言葉をありがとうございます^^
また、改稿後とはいえ二度目にも関わらず、丁寧に読み込んでいただけて、もう頭が下がりまくります<(_ _)>
ごちゃごちゃと説明臭かった部分を排して、すっきりできたかと自分では思っていたので、二人の心情がより明確になり、読みやすくなったと感じていただけて、ホッとしました。
紅の遺作の場面は、絵の前に立つ誠吾と同じ気持ちを読者にも味わってもらえたらと思っていたので、そのように臨場感を持って読んでいただけて、大変嬉しいです!
素晴らしい作品とのお言葉に加え、ブラボーまでいただけて、もう思い残すことはありません( ;∀;)
次こそちゃんと企画に参加しつつ、那智さんに褒めていただけるよう、また頑張りたいと思います。
こちらこそ、心より感謝です。ありがとうございました!!
紅へへの応援コメント
どちらの気持ちもわかる、なんとも深い話でした……。
でもですね、こよみさん。
後半、どんどん引き込まれていくにつれて「君のシンリ」で受けた衝撃が、チラチラと蘇ってくるのです……^^;
読み終えてから、よし大丈夫だ、今度は邪念なしに物語に浸ろうと読み返しました^^;
過ぎていく夏にぴったりの物語でした^^ ありがとうございます♪
作者からの返信
イルカさん
なんと、「君のシンリ」のトラウマが!
あの作品がそんなに深い爪痕を残しているとは、まことに申し訳ございませんでしたw 謝りますから人魚の濠に放り込むのはヤメテ~( ;∀;)
読み返してくださったとは、大変恐縮です💦
過ぎ行く夏の日の想い出。読んでくださる方に、あの日の風景を感じ取っていただけたらいいなあとも思っていました。
こちらこそ、お読みいただき、ありがとうございます^^
紅へへの応援コメント
鐘古様
初めまして。
作中の言葉をそのまま用いて恐縮なのですが、「完成品」とはこのような作品を指すのではないかと、この作品自体に感嘆いたしました。
郷愁という言葉を、軽々と超えた、けれど悲哀とも違う、
何でしょう、この感覚。
最後の一文が、揺れ動き迷う心を、空へ送ってくれる気がしました。
作者からの返信
西奈 りゆさん
初めまして。
作品をお読みいただき、ありがとうございます<(_ _)>
こちらの作品は、自分なりの純文学を書いてみようと挑戦してみたものです。なかなか形にならず苦労して、一度は没にもしたので、作品自体に感嘆と言っていただけて、とても嬉しいです!
絵画を題材としているので、作品自体も絵画的な、文章を「読む」というより感覚的に伝わる何かを表現できたらなと思って書きました。
そうした感覚が少しでも伝わってくださったのかなあと、ご感想を拝見して思うことができ、感激です(*^^*)
また、別作品の「チョコとスパイス」にも、熱く温かいレビューコメントをいただき、ありがとうございました!
あちらは全然違う作風の、少女漫画に近いものなので、キュン死しそうと言っていただけて、もう大喜びです✨
どちらの作品にも、励みになる嬉しいコメントをお寄せくださって、本当にありがとうございました(´▽`*)