異世界初?のスーパー銭湯もとい『娯楽施設スケルトン』開業します!!

ありぽん

プロローグ

(3年前)


「よし、今日で全ての修行は終わりじゃ。これでお前は立派なマッサージ師じゃよ」


『お師匠様、ありがとうございます!!』


「じゃが、全ての修行を終えたからといって、この後何もしなければすぐに腕は落ちてしまうし。それ以上の技を手にするには、ここで満足せず努力を続けなければならない。よいか、これからも慢心することなく精進するように」


『はい!!』


「それで、お主がこれから働くことになる施設についてじゃが、完成は今日だったかのう?」


『はい! これから様子を見に行こう……』


「どうやら修行は終了したようですね」


「そうか、終わったか!! ピッタリだったな!」


『アマディアスさん! ジェラルドさん!』


『スッケーパパ!!』


『うわっ!?』


 ドサッ!!


『スッケーパパ、修行終わったぁ?』


『うん、終わったよ。と、ほら俺の上から退いてくれ』


「お主達がここへ来たという事は、そちらも完成したようじゃの」


「はい、それはもう完璧に」


「後はスケが考えた施設名を看板に書けば終わりだぞ」


「それは1番大切なことじゃな」


「さて、スケ。施設名はしっかり考えてありますか?」


『ええ、一応。でも先に皆さんに聞いていただこうと思っていたんです』


「それで、何て名前にしたんだ?」


『『すっごい娯楽施設 スッケー』です』


「……」


「……」


『スッケー!! パパと同じ名前!! ……何がスッケー?』


「ガハハハハハッ!! なかなか良い名前じゃないか!!」


「……スケや、本当にそれにするんかのぅ? もう少し何かあると思うんじゃが」


「私も大賢者ウェンセスラスの意見に賛成です。これはあまりにも。はぁ、貴方はスケルトンにしては、いえ、スケルトンじゃなかったとしても。そこら辺の人々よりもかなり知的だと思っていますが、これはあまりにも。これではそこの脳筋バカ勇者と同じレベルですよ」


「ああ!? 今何つった? 誰がが脳筋バカだって?」


「おや、聞こえていませんでしたか? 貴方のことですよ。脳筋バカ勇者のジェラルド」


「てめぇ いくら自分が頭良いからって。ふんっ、お前なんて嫌味マウント魔王のアマディアスじゃねぇか」


「何ですって?」


「おう、やんのか?」


「お主ら、やめんか!! まったくようやく施設が完成する大切な日じゃというのに」


「ふんっ」


「チッ」


「じゃがなスケよ。魔王アマディアスではないが、もう少し名前を考えた方が良いじゃろう」


『ぼく、パパのお名前大好き!!』


「そうじゃの。じゃが、施設名としてはちとな」


『パパのお名前ダメ? スッケーパパは、スッケーパパだよ?』


「そうなんじゃがのぅ」


『パパのお名前ぇ~♪ スッケーパ~パ~♪』


『……決めました。スケルトンにします!! 『すっごい娯楽施設 スケルトン』です。それでみんなの好きなように呼んでもらいます』


「はぁ、本当にそれにするのですか? 何も自分のことにこだわらなくとも」


『いえ、スケルトンで良いんです。そしてみんなには、スケでも良いし、リルのようにスッケーでも、スケルンでも、好きなように呼んでもらった方が良い。肩っ苦しい名前なんて必要ありません。だってあの施設はみんなが何も考えずに楽しむ場所なんだから』


「そうだよな、そうだよな! 簡単な方が楽で良いよな」


「貴方は黙っていなさい、脳筋バカ勇者! スケ、もう1度聞きますが、本当に良いのですか?」


「そうじゃ。今ならば変えることができるぞい?」


『いえ、良いんです! それにこれならリルも分かるもんな』


『スッケーパパ、なぁに?』


『ほら、僕が作ってもらっていた楽しい場所の名前だよ。スケルトンって僕と同じ名前にしたんだ。あそこは今日から『すっごい娯楽施設、スケルトン』っていう名前なんだよ』


『スケルトン!! スケルトンもスッケーパパと同じ!! あそこは遊ぶものいっぱいなんでしょう? いつ遊べるのぉ?』


『う~ん、名前を書いてもらったら、最初は僕とリルだけで遊ぼうか。みんなが来てくれるようになったら、遊ぶのに時間がかかっちゃうかもしれないし。それに確認もあるから……、そうだな明日遊ぼう!』


『わ~い!!』


「はぁ。まぁ、貴方がそれで良いなら良いでしょう。貴方が考えた施設ですからね」


「そうじゃな、それに確かにスケの言うことも分かるからの」


「明日遊ぶのか? 俺も一緒に良いか?」


「ええ、是非!」


「では私も」


「わしも良いかの?」


「ではこうしましょう、明日と明後日の2日間は、この街に住んでいる人限定で施設に招待し、私が説明しながら施設の中を回ります。勿論それには遊びも含まれます。それから従業員の指導を2週間ほど。外からの人達が利用できるのはその後に」


「なるほど、それが良いでしょう」


「よっしゃ!!」


「では他の場所に連絡を入れておきますね。カーソン!」


「はっ!! ここに!!」


「話は聞いていましたね。他の場所に今のことを伝えてください」


「はっ!!」


「よし、スケ! 早速名前を書きに行くぞ!」


「わわ!? 引っ張らないでください!」


「まったく、これだから脳筋バカは」


「わしも行こうかの」


『スッケーパパと遊ぶぅ♪』


「はぁ、骨が落ちるところだった……。さぁ、明日から『すっごい娯楽施設 スケルトン』の開業だ。これから忙しくなるな」

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